宗教法人瑞巌寺

正式名称を「松島青龍山瑞巌円福禅寺」といい、現在は臨済宗妙心寺派に属する禅宗寺院です。9世紀初頭、比叡山延暦寺第3代座主・慈覚大師円仁によって開創された天台宗延福寺がその前身であると伝わっています。後には、平泉を拠点として東北一帯を支配した奥州藤原氏も延福寺を保護しました。藤原氏の滅亡後は鎌倉幕府が庇護者となりましたが、13世紀中頃、幕府執権・北条時頼公が法身性西禅師を開山として臨済宗建長寺派への改宗を行い、寺名も円福寺と改めています。これまでは、禅宗への宗派変更時に天台宗延福寺は滅亡し、新しく臨済宗円福寺が創建されたと考えられていました。しかし、平成23年(2011)の発掘調査によって、円福寺の主要建物群は現在の瑞巌寺と同じ位置にあり、延福寺とは別の場所に建立されたことが判明しており、文献の再考からも、禅宗勢力と天台宗勢力は共に存在していたという考え方が現在は主流となっています。

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