堕胎をするということ

最終日となりました。

これまで、いろいろな事で会いましたが、赤ちゃんだけで箱に入れられ捨てられていたことも多いです。赤ちゃんがかわいそうなことはもちろんですが、餌を探しに行き、戻ってきたときに赤ちゃんがいないことに、母猫はどれほど心を痛めたでしょう。

堕胎をせずに保護したい、母猫と仔猫は必ず一緒に捕獲する・・・・・

こうして活動をしてきました。

とはいっても、堕胎されたのちに保護依頼を受けることもありました。

手術の時に堕胎された子を受け入れた時、その母猫はほぼご飯を食べず、排泄もしない、そんな状況が長く続きます。手術をすることだけでも、野良猫にとっては、捕獲され、わけわからず病院に連れて行かれ、新しい場所に連れてこられ、大きなストレスを抱えます。

そのうえ、自分の身体に宿っていた命を感じない。

これまで３００匹近くの猫を里親さんに繋いできました。妊娠した猫も多くいます。

そのなかで、堕胎をされてこちらに来た子は５匹です。

わずかですので、データとして整理できる頭数ではありませんが、５匹ともが１週間以上食べることもなく過ごしました。そのうちの１匹はケージをこじ開けて脱走もしました。

たまたまの偶然なのか、考えすぎなのかわかりませんが、やりきれない思いがしました。

TNRをする場合は、もちろん産ませることはできません。

でも、保護をする場合は、堕胎をしない方法もあるということを理解して頂きたいとも思います。

初めて保護活動を始めた時、捕獲した３匹がすべて妊娠していたので、産ませることしか頭に浮かびませんでした。その頃は、TNRについても、猫の保護についてもまったくの素人でしたので、その決断しか考えられませんでした。その後、いろいろな事情があることや、TNRの活動についても知ることになるのですが、それでもどうしても、３匹の子育てが印象的だったことや、個人の活動であることから、堕胎をしないという活動しか考えられませんでした。

これから出会う猫が、小さな命を育む時間を作ってあげたい。妊娠反応を調べるにはレントゲン撮影が必要な事で費用もかかります。その後産まれた赤ちゃんのケアや医療も必要になります。今回、たくさんのご協力を頂き、それらの費用を得ることができました。本当に感謝しています。ありがとうございました。

小さなつぶらな瞳が見る明日が、幸せな色に染まりますように