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昨夜は７時ころ、猫が痙攣してる！と電話が入り、緊急往診へ出ました

行ってみると、やや呼吸は荒い気がしますが　既に普通にしています

稟告を聞きながら補液（ビタミン剤数種と抗生剤など入れて）点滴し、体温や心音、呼吸音、回数をチェック

著変は見られず、猫は落ち着いていました

 

猫が痙攣！というとまず農薬・殺虫剤などの中毒を疑います

屋内の子でも植物や、衛生害虫駆除剤・忌避剤など口にすることもあるし、人の食べ物を（そこまでの症状は出ないと思いますが）食べてしまうこともあるでしょう

 

自分も中毒対策として開業するずっと前から硫酸銅・アトロピン・カチーフN、ビタミンK・過マンガン酸カリウム・タチオンなど持ってはいましたが、実際に使ったことはありません

 

外の子の場合、作為的な毒エサなどでは毒物の特定も難しいし、手遅れになることもあると思います

 

 

中毒以外にも　尿毒症　腎不全　肝性脳症　前庭疾患　癲癇　熱射病　脳腫瘍　脳炎　低血糖　水頭症　低体温　ドライ型FIPなど多くの原因で起こる神経症状、痙攣、少なくとも自分の脚で立ってない・歩いてない状況は飼い主をビビらせます

獣医もビビります

 

大家畜の獣医だった頃は放牧牛や山羊の痙攣の場合、破傷風も疑い、診断していました

 

前庭とは目・頭の位置を保ち、バランスを維持する神経路のことです

 

この前庭系に障害があると斜頸　眼振　斜視　旋回運動　運動失調など起こします

嘔吐を起こすこともあります

 

眼振（眼球振盪：目がキョトキョトと揺れるように動くこと）はかなり、特異的症状で分かりやすいのでここを観察出来てると診断の一助になります

 

前にイヌの痙攣という稟告で往診に出た時、眼振がなかったか？と飼い主に尋ねると、あった！と確認できていたので助かりました

 

前庭疾患は特発性（原因不明のことを言います）、中内耳炎、頭部外傷、耳道の腫瘍、中耳ポリープ、甲状腺機能低下、脳腫瘍などが原因として挙げられますが、多いのは中内耳炎です

 

癲癇ですが、うちの２０歳で天国へ逝った子は亡くなる１年前に癲癇を起こし、それから私が確認できてるだけで癲癇発作が２回はあったと思います

癲癇発作の前に唸るように叫んで自分の尻尾を追ってクルクルと回ったかと思うと痙攣するのです

この尾追い行動は分かりやすい症状なので稟告において重要です

 

なぜ、追いかけるのか？ですが

 

癲癇発作直前に不安になっているとか　尾に追いかけられてる錯覚を起こしているからとも言われています

 

急に倒れて痙攣するので、その間（数分ですが）飼い主は恐怖ですが

恐らく猫はその時の記憶はないのか回復後、アッサリしています

 

なので痙攣してる猫を揺り動かして猫の名前を連呼したりせず、そっとしとくのが基本です

頭を打ちつけたりしたら可哀そうなので、安全なスペースを確保し、バスタオルなど敷くのはありです

失禁することもあるので、バスタオルは有効だと思います

 

嘔吐物があって喉に詰まらせない様にする配慮はいいのですが、その際、咬まれないように注意が必要です