自身のガン経験を乗りこえ、家業の帽子で自分にしか出来ない支援を

自身のガン経験を乗りこえ、家業の帽子で自分にしか出来ない支援を

支援総額

1,771,000

目標金額 1,000,000円

支援者
132人
募集終了日
2023年8月28日

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プロジェクト本文

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実家は、曾祖父が明治時代に創業した帽子メーカーを営み、祖父、父と継承してきました。一方、三姉妹の末っ子の私は、大学卒業後、アパレルとは無縁の大手企業に就職しました。充実した日々の中で、ふとある日、母から父が会社の事で悩んでいる話を聞きました。業績の悪化や後継ぎがいない事で、取引先も将来性を危惧し、商売が尻つぼみになっていると。それまでも父は度重なる経営危機を、うつ病や心筋梗塞を経験しながら乗り越え頑張ってきましたが、高齢になっても苦悩している事を知りました。私たち姉妹は継ぐどころか、会社を手伝うことすらしていなかった為、後継者不在の中、会社を畳む覚悟で日々奮闘していると思うと、その姿が急に寂しく感じられました。

 

それから半年後、私は会社を辞め、家業を継ぐ決意をしました。 

 

 

 

 

私の入社当時、福島県にあった工場は、東日本大震災の被災で既に閉鎖しており、関東近郊にいる職人達は60代~80代と高齢の為、生産力は年々減少している状況でした。厳しい現実は同業他社も同じで、経営者も職人も後継者が少なく、日本で縫製業を続ける難しさや将来性を考えると、選択肢に廃業があがるのは致し方ありません。その為、父は帽子製造を辞め、業種を変えて会社を経営した方がいいと言う意向を示していましたが、私の意見は異なりました。曾祖父から続く帽子製造業という商売を継続する事に意義があり、何より、日本の帽子メーカーの廃業件数は年々増加傾向で、このままでは衰退どころか消滅の危機を感じていた私は、業界の為にも帽子製造業を続ける選択をしました。  

 

都内にある会社ではサンプル製作や裁断など、製造の一部を担っていましたが、新たに縫製部門を設けることにしました。閉鎖した福島工場のミシンを設置し、小さなアトリエを作り、新たに社員を雇用しました。しかし、都内の人件費と縫製工賃は割に合わず、そもそも経営の経験も浅い上に縫製知識のない私は統率する力量もありませんでした。先行きがみえず、上手くいかない状況に苛立ちを隠せない私は、余裕のない態度で社員に当たってしまう事が多々ありました。その為、そんな私についていけず、辞めてしまった社員もいました。未熟な自分が原因というより、そもそも経営者として向いていないのではないかと自信を失いました。

 

 

 

悩む日々が続いていた2019年10月のある日、地方の帽子工場から“廃業をしますという電話がかかってきました。

この工場では弊社の一部の帽子を製造してもらっていた事もあり、廃業をする前に話をしてくれましたが、ついにこの工場も廃業してしまうのか、と落胆すると共に、自社製造だけでは会社を維持できない現実を突き付けられました。一瞬は落ち込みましたが、この工場の作る帽子の品質の良さは高く評価していた為、すぐに“弊社の工場になりませんか?と声を掛けました。先方の経営者の方も、社員の方も、出来るなら帽子製造を続けたいという思いがあった為、すぐに快諾してくださり、私は安定した生産基盤が確保できた事に安堵すると共に、新たなやる気が湧いてきました。

 

新たなメンバーと共に、帽子製造を頑張ろう!と。

 

しかし、その後、半年もたたない内に、コロナで会社は休業。製造した商品は納品出来ず、経営危機に陥りました。

 

作ることも、販売することも出来ない。製造業である限り、作る必要がなければ、社員を働かせることは出来ません。身動きが取れず、会社で一人、考え込む日々が続きました。今後どうするべきか。一人の社員も手放すことなく、全員でまた一緒に働く為に、会社の強みが何かを考えていました。

 

弊社の社員は素晴らしい帽子を作る技術を持っています。彼らが持つ技術を必要としている人たちの為に使いたい。真っ先に思い浮かんだのは、がん患者の方でした。元々、がん患者の方が脱毛し始める時にかぶるニット帽子を製造していることもあり、パタンナーとして一緒に働く母と、以前から、もっとファッショナブルな帽子を作りたいと話をしていた為、すぐにその事が思い浮かびました。

 

そうすれば、社員も患者さんも皆が幸せになれる。 

 

 

 

 

 

 

しかし、目の前の仕事に必死で、せっかく考えたことを形にする勇気も資金もなく、2年が経過しました。なかなか回復しない業績を前に、なにかが吹っ切れました。

 

この先もずっと大変ならば、思い切ってやりたい事に邁進しよう!

がん患者の方の為のファッショナブルな帽子ブランドを立ち上げよう!

 

ようやく決心し、準備を始めた2週間後、前から治らない口内炎を切除する手術が決まりました。

それから1ケ月後、私は舌癌の宣告を受けました。 

 

まさか、自分が癌になるなんて。  

 

宣告後はすぐに次の手術に向け、採血等しましたが、落ち着かない精神と涙をこらえるのに必死で、細かい事は覚えていません。覚えているのは、平然と座っている様に見えた病院の待合室にいる人たちも、実は内心恐怖やショックでどん底の精神状態の人もいて、それでも毅然とした態度で生活しているのだと思った事です。辛くても今までと同じ様に生活しなければならない。  

 

入院中はブランド立ち上げに必要な資金調達をする為の準備や、脱毛について調べて過ごしました。自分の病気のことを考えると、不安な気持ちにしかなりませんが、人の為にと思うとパワーが沸き、辛い気持ちが紛れました。

その後は、抗がん剤治療を経験する事なく、経過観察をしながら1年が経ちました。手術の後遺症から舌の麻痺が残り、呂律が回らない時もありますが、常に違和感がある事であの時の心情を忘れることはありません。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本人の約2人に1人ががんを患い、その約半数が抗がん剤治療を行い、9割の方が副作用による脱毛に悩んでいます。(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

女性にとって髪の毛は重要で、抜けてしまうと、女性らしさが失われてしまった様に感じてしまうのではないでしょうか。抗がん剤の副作用で髪の毛が抜ける間は、医療用帽子やケア帽子と呼ばれる帽子をかぶりますが、その多くがシンプルなニット帽子です。一見して脱毛していることが傍目にわかってしまいます。ただでさえ闘病生活は辛く気分が落ち込むのに、オシャレを楽しめず、外出して人と会う事が嫌になってしまうのではないでしょうか。パタンナーの母と私がファッショナブルな医療用帽子を作りたいと思っていたのは、脱毛していると思われる方を街中で見かけた時の違和感からでした。おしゃれな洋服を着ているけれど、なんとなく帽子が合っていない様に見えてしまう。そこから、私たちは脱毛の方がかぶる帽子の選択肢の少なさに気づきました。洋服と同じように、自分の好みやファッションに合ったウィッグや帽子を選べたり、シーンにあわせて着用できる物の選択肢がもっと世の中にあるべきだと思っています。

 

また、多くの人が、病気になって気持ちが沈んでも、日々の生活を送らなければなりません。

身に着けることで、気分が明るくなり、外に出たいと思える様な、背中を優しく、力強く後押ししてくれる帽子を作る事が、自分に出来る支援だと思いました。

 

 

 

最近では装着が簡単に出来るウィッグや様々なデザインのターバンが増えていますが、選ぶポイントとして機能性は非常に重要で、通気性が良く蒸れにくい事や、毎日かぶる為、衛生的でより手軽にケア出来る事が挙げられます。機能的で、帽子の良さを最大限に発揮できる帽子はないか、考えました。 

 

 

 

 

 

 

 

自宅はもちろん、レストランや室内でかぶっていても失礼にあたらず、外出にも使えるデザインにしました。

 

*リボン部分は取り外し可能な仕様で、外すとより軽量にかぶれます。

*リボンを後ろで結ぶ際、結びの強さを変えることで、多少のサイズ調整が出来ます。

*リボンを前に結んでコンパクトにまとめると、ターバンの様にかぶれます。

*リボンを後ろで結ぶ事で、リボンに目が行き、もみあげや襟足の髪の毛がない事に意識が向きにくいデザインにしました。

 

日本人の肌に合い、肌を明るく見せてくれるオフホワイトと、式典や行事など、改まった服装や場所にもマッチするブラックの2色をご用意しています。 

 

     

 

 

 

 

 

お肌や髪の毛に含まれる水分は、セラミドと言う成分によって保たれ、水分を保持することで、皮膚の炎症のリスクを軽減します。この自然に含まれるセラミドを特殊な加工で繊維に含ませることにより、肌に優しいタッチとなり、保湿性と皮膚バリア機能を維持する助けとなります。肌に直接当たる裏地には、この保湿加工を施した日本製の綿100%生地を使用しています。 

 

 

 

 

 

長時間の着用も想定し、軽量に仕上げ、頭への負担を抑えました。 また、頭に当たる前部分は縫い代を少なくし、後頭部にはフィット感を増す為に、柔らかく伸縮性のある糸ゴムを使用しました。頭を包み込むような立体的なシルエットを生み出すパターンは勿論、様々な頭の形に合う設計にしています。がん患者の方から、髪の毛がないと頭のシルエットが出てしまい、隠せない事が嫌だという意見が挙がった為、表は立体的に、裏は頭に沿う、別々の設計にしています。 かぶった深さは、眉毛、もみあげ当たりが少し隠れる程度にしています。

 

 

 

 

 

READYFORで集まった支援金は、帽子などの製造、販促物の作成や配送費に使わせいただき、残りは一般社団法人がん哲学外来に寄付および帽子の寄贈をいたします。一般社団法人がん哲学外来が開催するがん哲学カフェは、様々な立場の方が悩みや心に抱える問題を共有し、支え合う機会を設けています。その活動にかかる費用を支援したいと思っています。

 

そして、今年7月にがん患者の方や脱毛した方がおしゃれを楽しむ為のハットブランドを立ち上げ,

ここでの売上の一部を一般社団法人がん哲学外来に寄付する活動を行います。自身が患者の方は、どこかの誰かの為への寄付となり、ご家族などお知り合いの方に購入する方もまた、どこかの誰かの寄付へと繋がる、様々な立場の人々が支援し合えるブランドを目指します。

 

その前進として、広く多くの方に、脱毛した方々の帽子の必要性を知っていただく為に、このプロジェクトに挑戦いたしました。

 

がん患者の方の気持ちが少しでも明るく、前向きに生活出来る様、 私たちにしか出来ない帽子を通した支援活動に是非ご支援をよろしくお願いいたします!

 

※一般社団法人がん哲学外来より寄贈を行うことおよび名称掲載の許諾を取得しております。

 

 

 

 

 

 

 

プロジェクト実行責任者:
佐藤 麻季子(株式会社サトー)
プロジェクト実施完了日:
2023年11月30日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

いただいたご支援は、帽子製造や配送費などかかる費用を除き、残りを一般社団法人がん哲学外来が開催するがん哲学カフェの活動費に使用します。主にかかる費用として、チラシの制作、印刷費、場所代、飲食費に使用させていただきます。イベント開催の際は、主催者の方のご負担や、募金により成り立たせている為、このプロジェクトでご支援いただいた資金をその活動費に使用します。 また、リターンで寄付いただいた帽子は、一般社団法人がん哲学外来へ寄贈し、帽子を必要とする方々へお届けします。

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リターン

1,000+システム利用料


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お礼の気持ちはメールでお届けいたします。また、ささやかですが、オリジナルステッカーをお送りいたします。

申込数
17
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年9月

2,000+システム利用料


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2,000円分の支援をしたい方、感謝のメールとステッカーを送ります

お礼の気持ちはメールでお届けいたします。また、ささやかですが、オリジナルステッカーをお送りいたします。

申込数
16
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年9月

1,000+システム利用料


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お礼の気持ちはメールでお届けいたします。また、ささやかですが、オリジナルステッカーをお送りいたします。

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発送完了予定月
2023年9月

2,000+システム利用料


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