子供がプロの演奏に触れる機会は、誰がどのように作ってあげられるでしょうか?

 

私はピアノを習っていたので、両親がお金を出してコンサートに連れて行ってくれました。そこでピアノの波打つような音を聴き、自分が見たこともないヨーロッパの世界で音楽が作られたことを想像し、音楽がより好きになっただけでなく、ヨーロッパ文化への憧れも募らせました。

 

音楽を習っていない子供たちが、自分から「コンサートに行きたい」という発想にたどり着くのは、奇跡かもしれません。それは「音楽に興味がない」からではなく、音楽の良さが伝わっていないだけかもしれません。例えばスポーツの多くは、試合がテレビで放映されますし、体育の時間での実践によって、より身近に興味や楽しさを与えてくれるように思います。

 

私は「演奏会の鑑賞」こそが、音楽の良さを強く伝えてくれるものと思いますが、学校内では機械を通して聴くだけで、実際に演奏者を見たり生音を聴く機会はほとんどなく、良さそのものを体感しにくいのが現状です。一方で大人になって、あるきっかけからクラシック音楽ファンになる人もいますが、「もっと早くに出会っていれば」という意見も少なくありません。


私はピティナの「学校クラスコンサート」企画に2年間関わらせていただきました。どこの学校でも、どのクラスでも、みんな真剣に静かに演奏を聴いてくれたのが強く印象に残っています。「ピアノからこんな音が出るなんて知らなかった」という驚きや発見が多く聞かれましたし、「この曲が好きだった」という感想を伝えてくれた子もいました。それが「子供には難しいかな?」という曲だった時には、1人1人の人間が音楽から感じる多様さや、子供の可能性に気付かされました。


コンサートを聴いてどう感じるか、は子供それぞれです。ただそのコンサートを聴かせるチャンスや、知る経験・きっかけを与えられるのは大人だけだと思います。私自身も、子供に素敵な経験を届けられるよう演奏を頑張りますので、皆様にもこの企画を応援していただければ幸いに思います。

 

大嶺未来

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