Re:START　能登半島の発酵文化「いしる（魚醤）」の復興

●　自己紹介

　

　石川県内には多種多様な発酵食品がありますが、特に奥能登地方では非常に稀有な伝統的自然発酵調味料「いしる（魚を主原料とした醤油）」があります。1976年4月に設立した【ヤマサ商事株式会社】では「いしる」の製造販売を主軸とした水産加工と船内凍結イカの卸売業を生業とした会社です。私は、先代から2021年6月より代表を継承することとなりました山﨑晃一と申します。この度はこちらのページにお越しいただき誠にありがとうございます。

 

令和6年能登半島地震ではSNSや報道等でご存知と思いますが輪島市、珠洲市で甚大な被害となりました。弊社が所在する能登町小木もまた例外ではありませんでした。道路は至る所で陥没し、津波により転覆した漁船や寸断された道路もいくつかあり、多方面からたくさんの支援を受けているにもかかわらず復旧に時間が掛かっています。ようやく3月末になって断水が解消されました。

 

弊社の損害としては、本社工場の土間に無数の亀裂と建物の傾きが出来て「半壊」との判定を受け、2棟の倉庫は損害は少ないものの、多くの貯蔵タンクが破損してしまい、今年度出荷分の「いしる」もいくらか流失してしまいました。本来ならば令和7年度出荷分の為に、3月～5月末にかけて仕込みをする予定でしたが、本社工場や倉庫、貯蔵タンクの補修、復旧や整理、清掃に多大な時間と労力が必要不可欠となると判断し、今季の仕込みは諦めたことから、当面の間（1年ほど）休業する決断をしました。

 

弊社の「いしる」を利用されている方々には大変ご迷惑をおかけすることとなり誠に申し訳ございません。

 

★「いしる」とは？

 

　奥能登地方で造られている魚醤で、秋田県の「しょっつる」、香川県の「いかなご醤油」とともに、「日本三大魚醤」の一つとされています。

魚介類に塩を加えて漬け込み、1年以上発酵・熟成させて出来た液体を抽出した物です。弊社ではイカの内臓、塩、米麹で醸造された物を「いしる」、イワシなど丸ごと、塩、米麹で醸造された物を「よしる」と商品名を付けています。また、「いしる」を使った「いしる鍋」は石川県の郷土料理の一つとされています。

 

★能登町小木とは？

 

　弊社の所在地である小木港はイカ釣り漁が盛んな漁港で、函館（北海道）、八戸（青森）と並び「日本三大イカ釣り漁港」の一つとされています。近くには、九十九湾に面した場所に2020年6月にオープンした「イカの駅つくモール」があり、巨大イカのモニュメントの「イカキング」が目印になっています。

 

 

●プロジェクトを立ち上げたきっかけ

 

　近年発酵食が注目されるようになり、弊社も発注量が年々増えていました。その為、12月31日まで仕事に追われていました。年明けもたくさんの注文が入っていたので、1月3日から仕事を始める予定で1月1、2日は体を休めようと震災当日は2階の自室のベットで横になってました。

 

16時過ぎに1度目の地震。ビックリしましたが、大丈夫だろうと再び横になって暫くして2度目地震。2度目の地震はレベルが違いました。部屋のあらゆる窓と戸が開いたり、閉まったりと。物凄い揺れで、短い時間ですが、永遠と揺れ続けるのでは？という想いにかられました。暫く呆然として我に返り、慌てて階段を降りて愕然としました。廊下の壁が割れ、玄関戸越しに、自宅前の道路が半分無いことに気付きました。

 

　　　

　　　

 

母親の安否を確認してから、大津波警報が発令されている様子だったので、高台の中学校に避難するために2階に上がり、準備ができて再び階段を降りると道路はすべて無くなり、庭の半分も無くなっていました。暫くしたら引き波で海の底があらわになっていたので、まもなく津波がくると思い慌てて母親と共に車に乗り中学校へ。高台にはもう既にたくさんの人と車で一杯になってました。

 

中学校に避難するのを諦め、貯蔵タンクのある倉庫へ被害の確認に向かいました。1棟目の倉庫に入り幸い停電していなっかたので灯りをつけたら、そこには目御疑う様な光景が…。正直もうダメだ…。と思いながらもメインの貯蔵タンクが多い2棟目へ。倉庫の中に入るまでもなく、さらに酷い状況でした。シャッターの隙間から液ともろみが外まで散乱してました。

 

 

 

余震が続く中、津波の心配がなくなったことから18時過ぎに自宅に戻ると電気が来てたのでそのまま自宅避難をすることにしました。時間の経過とともにテレビで能登半島各地の惨状を目にし愕然としました。

 

 

 

 

1月4日に出社すると注文のFAXが流れきました。携帯電話は不通でしたが、幸いなことに、会社の電話とFAXは繋がっていましたので、お客様に事情を説明し、キャンセルさせて頂きました。電話で説明しても理解が得られないようなので、この時からFacebookの【ヤマサ商事株式会社】ページに被害状況の画像を添付するようにしました。

 

 

たくさんの励ましの電話はメールを頂いていたにも関わらす、暫く食欲もなく、何もする気が起きない日が続きました。

 

2週間ほど過ぎた頃からでしょうか、テレビで度々復興に向けて立ち上がる事業所がとりあげられようになったり、SNSでもクラウドファンディングに挑戦する人達をよく目にするようになりました。腐っていた自分が恥ずかしくなりました。

 

「よし、自分もクラウドファンディングに挑戦してみよう」という気持ちになってから、少しずつですが、自宅と会社の片付けを始めました。少しは前向きになれたような気がします。この挑戦でより多くの人に「いしる」を知って貰えるかもしれない。「ピンチをチャンス」

に変えられかもしれないという期待と既存のお客様をいつまでも待てせてはいけないという申し訳なささからクラウドファンディングに挑戦しようと思います。ご支援の数だけモチベーションも上がるとはずです。能登半島の発酵文化「いしる（魚醤）」の復興に向けて新たなる出発をしたいという想いです。図々しいお願いとは思いますが、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

 

 

 

●プロジェクトの内容とスケージュール

 

　ます、貯蔵タンク内に落ちてしまた貯蔵タンクの救助からです。中身を空の貯蔵タンクに移し替えて軽くしてから引き揚げないといけない。中身が入ったままだと貯蔵タンクが割れたりする怖れがあります。先代と共に造った自社製のFRP貯蔵タンクを1本でも多く生かしたと思います。破損状況によりますが、補修が可能であれば、出来るだけ自社で補修し、補修が難しいものは二次利用として加工し直すか、若しくは解体破棄する予定です。

 

次に本社作業所の亀裂が入った土間の補修や傷んだ箇所を修繕し活用とも考えていますが、築50年以上経っている建物の上に「半壊」との判定なので、状況次第で新社屋を建てることも可能性の一つとして考えています。

 

4月末頃　クラウドファンディング募集開始

 

５月　チューブポンプ購入、貯蔵タンク引き揚げ作業開始

 

6月　　貯蔵タンク補修、土間補修

 

6月末　クラウドファンディング募集終了

 

7-8月　返礼品準備

 

9-12月　貯蔵タンク補修、土間補修

 

12月末　プロジェクト終了予定　

 

 

●プロジェクトの展望

 

　令和6年能登半島地震によって多くのメディア、SNS等で能登半島の事が取り上げられ、産品等も紹介されるようになり、より多くの人に能登半島の色んな魅力も知って頂けることになったうえに、3月27日に農林水産省から石川県の伝統的な魚醤「いしり・いしる」が新たに地理的表示（GI）保護制度に登録されました。益々、需要の高まりを期待しつつ、弊社の「いしる」を必要とされてる方々の為にも、しっかりと奥能登の伝統的な自然発酵調味料である「いしる」を継承していかなければならないという使命感を持って生産し続けることに尽きると思います。

恐悦至極ではございますが、応援のほどよろしくお願いいたします。

　

 

 

ヤマサ商事株式会社

山﨑　晃一

 

※本クラウドファンディングはALL-IN形式で行われます」。目標金額に満たない場合もクラウドファンディングは成立となり、集まった金額に応じて当初プロジェクトに沿った内容を実行いたします。

 

目標金額を超えて集まった場合は別途活動報告などを通じて使途のご案内をいたします。

 

刻々と変わる状況に鑑みて、ページ内記載のプロジェクト内容が変更、遅延する場合もございますが、支援金の返金は行われませんのでご理解のほどよろしくお願いいたします。一方で完全に中止となった場合は返金いたします。

 

READYFOR　事務局：本プロジェクトは被災地で実施する緊急災害支援活動の関連プロジェクトです。被災地、被災者の皆様の状況等が変化する可能性がございます。被災地の情報に関する公的機関の発信、報道等もご確認下さい。