心温まるクリスマスオードブルを困窮家庭に届けたい

シングルマザー家庭が直面する「見えない貧困」とクリスマスの切なさ

 

一年で最も華やかで、家族の温もりを感じるはずのクリスマス。街中がきらめき、子どもたちがプレゼントを心待ちにするこの季節は、同時に、経済的な困難を抱える家庭にとって、最もつらく、胸が締め付けられる時期でもあります。

 

 

特に、日本社会においてひとり親家庭、特にシングルマザー家庭は、社会の構造的な問題として「相対的貧困」の厳しい現実に直面しています。非正規雇用の割合が高く、養育費も支払われないことが多い中で、多くのお母さんが「衣食住を支えるので精一杯」という状況です。昨今は物価高騰のため、子どもたちの食事の回数が減ったり母親たちの栄養状態が悪化している現状があります。

 

日本のひとり親世帯の貧困率は約50%に上るとも言われています。限られた収入の中では、子どもの教育費や医療費を捻出することが最優先となり、「イベントのための贅沢」は真っ先に削られます。「いつも頑張ってくれている子どもに、せめてクリスマスくらいは特別で豪華な食事を用意してあげたい」。そんな切実な願いは、日々の生活費の重さによってそっと胸の奥にしまい込まれてしまいます。子どもたちにとって、特別な思い出が残らないクリスマスは、経済的な格差を肌で感じる瞬間となり体験の格差を象徴するものです。

私たちはこの「見えない貧困」がもたらす心の切なさを、少しでも和らげたいと願っています。

 

🎁 私たちの願い：心のこもった食卓の温もりは、心の栄養

このクラウドファンディングは、札幌近辺のひとり親家庭に、温かい愛情が込められた手作りのクリスマスオードブル100食を届けることを目指します。”それいゆ”では自ら運営するファームで採れた栄養たっぷりの野菜を使用し、味にこだわりを持ってお客様にお食事を提供していますが、オードブルでもそんな食事を通じた大切なメッセージを届けたいと考えています。

豪華な食卓は、ただ空腹を満たすだけでなく、「あなたは大切にされている」というメッセージであり、お母さん（そしてお父さん）の「頑張って良かった」と思える瞬間を生み出します。

 

▼責任者よりメッセージ

この数年は暮らしに関わるすべての値段が高騰し、私たち一人一人が大変さを感じています。リカバリーはこれまでも、社会のなかで“見えない存在”にされがちな女性たちの支援に力を注いできましたが、一緒に励まし合いながら活動してきたNPOから「今年はクリスマスオードブルを発注することが難しい」という連絡を受けたことから、このプロジェクトを立ち上げることにしました。クリスマスという特別な日のささやかなご馳走と、給食がなくなる冬休みの食糧支援を天秤にかけざるを得ない。そうした苦渋の選択を迫られる仲間に私たちが出来るのは、自分たちで材料費と人件費を集めることでした。毎年オードブルを手渡すとき、受け取りに来た親とお子さんが「わーーー！」と歓声を上げてくれます。その声を、私たちは今年も聴きたいです。この社会が、お互いの抱える困難に目を向け、自分のできる範囲で応援しようとする気持ちを持っている。それをひとり親家庭のみなさんへ示したい。

　このプロジェクトは、このような家庭を支えるものであると同時に、作り手である私たちも支えてくれます。みなさんの応援を心からお待ちしています。＜NPO法人リカバリー代表　大嶋　栄子＞

 

 

▼団体紹介

NPO法人リカバリーは20年以上、様々な暴力被害を背景に依存症をはじめとするメンタルヘルスの不調や障害などで複層的な困難を抱える女性に対し、住居提供や就労支援などの包括的援助を続けてきました。

 

 

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ

2020年、新型コロナで社会に大きな影響が出る中、私たちリカバリーの運営する“カフェそれいゆ”はシングルマザーへのさまざまなサポートを行う団体、「しんぐるまざあずふぉーらむ北海道」（現：「NPO法人ひとり親とこどもふぉーらむ北海道」）から、80台のクリスマスオードブルのご注文を頂きました。

 

 

街が祝祭ムードになるクリスマスから年末・年始にかけては、経済的に余裕のない母子家庭にとっては無事に年が越せるか不安と共に過ごす期間でもあります。冬休みで給食がない子どもたちと、限られた食事を分け合いながら心細く過ごすこの季節に、他の家庭のように特別なお祝いをすることが難しいとの現実もあります。カフェそれいゆとしてもそんな家庭のクリスマスの思い出になればと思い、過去5年間この活動を「ひとり親とこどもふぉーらむ北海道」と続けてきました。

 

とはいえ100台のオードブルをつくる作業はとても大変！

延べ３０人ぐらいが３日かけてつくる、それいゆにとっても年末の一大イベントです。

ゆで卵、じゃがいもの皮をひたすら剥く単純作業から盛り付けまで仲間と分業し、時間に追われながらなんとか完成させたときの達成感はひとしおです。

 

 

様々なトラウマや複層的な困難を抱えるそれいゆの利用者にとっても、1年の終わりのこの大仕事がひとつ年を締めくくる区切りとなっています。クリスマスオードブルをつくり、自分たちのためにおせちをつくって、この1年も生き延びてきたことを噛みしめる、そんなイベントでもあります。

 

▼カフェそれいゆとは

札幌市東区にて営業しているカフェそれいゆ【Google Map】はさまざまなトラウマや病気、障害などによる生活のしづらさや人とのコミュニケーションの難しさを抱えているそれいゆの利用者が安心して仕事ができる場所です。カフェでの仕事を通して、自分と向き合ったり、充実感をもって働く楽しさを実感したりする場です。

ただ、利用者の多くは「その日のことはその日になってみないとわからない」（抑うつ感が強くて身体が思うように動かない、自分のエネルギーの総量とやりたいこと（余暇活動）、自分を整えるための休息時間のバランスがバラバラで仕事をするエネルギーが残っていないなどなど）、いろいろな不具合を抱えながら仕事をしている人が大半です。みんな「今日一日」を精一杯生きていて、カフェの営業はいつも綱渡りです。そんな私たちですが、この1年を締めくくるクリスマスオードブルつくりは一度も途切れることなく、5年間続けることができています。

 

▼活動計画

対象となる家庭は、「NPO法人ひとり親とこどもふぉーらむ北海道」に申し込みをした家庭となっています。配布作業は、この日のために集まった大勢のボランティアの方たちが担当してくださり、100台のオードブルに加えて子どもたちが大好きなケーキや絵本、そしてお母さんたちのために寄付された化粧品などのクリスマスプレゼントと共に届けてくださいます。

 

▼オードブルのお届け先について

名称：NPO法人ひとり親とこどもふぉーらむ北海道

団体の活動内容及びURL：シングルマザー向けに応援セミナー、交流会、相談会、支援者向けの講座の開催、各団体と協力した事業も行っています。（HPより抜粋）https://smf-hokkaido.com/

リカバリーとの関係とお届けにいたった経緯：2020年のコロナ禍において非正規労働の雇用環境が厳しくなる中で、ひとり親世帯の生活困窮が切迫した社会課題となり、少しでもXmasをXmasらしく過ごせるようにとひとり親とこどもふぉーらむ北海道からオードブルの受注をいただいたのがきっかけで始まった事業です。二つの団体はいろいろなかたちで「女性をサポートしている団体」同士のため、何か助け合えることはないか、オードブルをつくることで私たちにできる社会貢献をしたいという気持ちでご注文をお引き受けし、その後、毎年続けている事業となっています。 

お届け先からの許諾：受け取ることについての了承と、名称掲載に関する許諾を取得しています。

 

▼これまでにリカバリーに届けられた感謝の声

オードブルをお届けしたご家庭からも嬉しいメッセージを頂いています。リカバリーのメンバーはシングルマザー家庭で育った利用者も多く、このような声を頂けることも大きな喜びです。

 

「どのお料理も美味しくボリュームがあり、子供達が笑顔で美味しいと喜びながら食べて居ました。度重なる物価高騰で子供達には我慢させることが多かったのですが、おかげさまでとても楽しいクリスマスパーティーができました。」

 

「たくさんの寄付のおかげで、たくさんの幸せを感じることができました。本当に感謝しかないです。帰宅早々オードブルなどは早速見てみたいと開けて、美味しそう！と大喜び。すぐに食べ、これもこれも好き！好きなものばかりで嬉しい、美味しいねと言いながら食べてくれました。」

 

▼プロジェクトの予算

クラウドファンディング目標金額　  1,000,000円

材料費　　　　　　　　　　　　　　-423,000円

人件費　　　　　　　　　　　　　　-423,000円

手数料（税別）14%　　　　　　　　-140,000円

税 10%　　　　　　　　　　　　　　-14,000円

 

クラウドファンディングのプランは金額ごとに設定しておりますが、リターンは同一です。手数料・税を除いた全てをオードブル作成のために使わせていただきます。

ご寄付が必要額を超過した場合は、26年度に実施を予定しているひとり親家庭へのお弁当の宅配事業のプロジェクト費用に充てさせて頂きたいと考えております。

 

▼最後に

ここまで読んでいただきありがとうございます。

物価高騰の折、多くの方がそれぞれの困難を抱えていらっしゃることと思います。寄付のお願いをすることにも心苦しい思いもございますが、今年も私たちにとって大切なこの活動を続けていくために応援して下さる方がいらっしゃればと思い今回のクラウドファンディングにチャレンジします。ぜひ年末にささやかなやすらぎをシェアするこのプロジェクトにご一緒頂ければと存じます。宜しくお願い致します！