変わり兜の毘沙門天尊

こんにちは、法華寺住職　讃岐英昌です。

今回も四天王の1尊である毘沙門天さまです。

普通は四天王と記述する場合は多聞天とする場合が多いのですが、日蓮宗では日蓮聖人が表れた大曼荼羅に毘沙門天と記されていますので、伝統的に多聞天とはせず毘沙門天と呼称します。

毘沙門天さまも元はインドの財宝を授ける神様であったのが仏教の守護神となりました。中国では宝塔の代わりに財徳を現すネズミを持っていたり、チベットでは財法を吐き出すマングースを持っていたりと財徳の神様として性格が色濃く残っています。

日本の毘沙門天さまの持ち物は左手に三俣の鉾か寶棒といわれるこん棒を持ち、右手に宝塔をもったお姿で、身には中国の唐の時代に使われていた甲冑をまとわれています。

頭には宝冠といわれる冠かやはり唐の時代の兜を被っているお姿をしていますが、法華寺の毘沙門天さまは、日本の兜のように前立てが付いているのが特徴です。あちこち調べてみましたが他に該当するご尊像はなく、他のお寺で見たことのある方は知らせていただけると助かります。