モンゴル版知能検査開発プロジェクト 調査終了報告
モンゴル版知能検査開発プロジェクトにご支援いただきました皆様へ
この度は、名古屋大学心の発達支援研究実践センターがモンゴル国立教育大学等と共同で行っている「モンゴル版知能検査開発プロジェクト」にご支援いただきまして、誠にありがとうございました。
皆様のご支援と暖かいご声援を糧に、検査開発に向けた最終的な調査(本調査)をモンゴルで行ってまいりましたが、12月末までに調査実施が無事終了いたしましたので、ご報告いたします。
本調査に先立って、調査に携わってくださる検査者および記入者への実施研修会のために、名古屋大学のスタッフ4名が10月2日から11日までモンゴルを訪問いたしました。
まず、研修会で講師を務めていただくモンゴル国立教育大学の先生方と研修に関する打ち合わせを繰り返したのち、10月6-8日に検査者および記入者への研修を行いました。以前の調査にもご協力いただいた方もいれば、今回初めてビネー検査に触れる方もいましたが、皆さん熱心に取り組んでくださり、研修が終わる頃には自信をもって行えるようになっていました。
今回の調査対象は1-16歳の子ども800人です。首都のウランバートルで4割の320人、残りは地方の村(ザブハン県、セレンゲ県、ヘンティ県、ウムヌゴビ県、フブスグル県)でそれぞれ96人の子どもたちに協力していただきました。
氷点下の中、数百キロも離れた地方の村まで検査に行ってくださった、モンゴルのスタッフに感謝しています。
今後は、調査結果をもとに開発に向けて進んでいきたいと思います。
まずは、調査結果の入力、モンゴル語から日本語への翻訳、採点を経て、結果の検討、分析を行っていきます。今、入力、翻訳、採点の作業を、モンゴル側と我々でそれぞれアルバイトの学生さんにもお手伝いいただきながら、鋭意進めています。膨大なデータ量なのですが、若い力で進めてくださっていて、何とか春ごろから結果の検討に入れるのではないかと考えています。
結果の分析を進める中で、モンゴルの子どもたちにとっての正答基準、合格基準を検討し、真にモンゴルの文化や教育に合った知能検査開発を進めていきます。
今年中に検査を完成させて、来年には実際のモンゴルの子どもたちの発達支援に利用できるよう、発刊、普及を目指したいと考えています。
皆様からご支援いただいた寄付金は、当初はモンゴルへの渡航費や検査者の交通費の一部として活用させて頂く予定でしたが、入金の時期が遅くなりましたので、調査結果の分析作業(結果の入力、採点等)をお手伝いくださる学生さんへの謝金などに使わせていただきます。
今後ともご声援をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
名古屋大学心の発達支援研究実践センター
野邑 健二