図書館で育んだ力で、人生を切り開くシーショーさんのストーリーです。

 

こんにちは、シャンティの菊池です。

 

私がこれまで現場で活動してきた中で、忘れられない出来事が多々ありますが、その一つが、2017年1月に私たちの事務所のfacebookに届いた1通のメールでした。

 

 

「僕の全ては、難民キャンプの図書館から始まりました。」

 

メールの送り主は、現在第三国定住をしてアメリカに住むシーショーさん(25歳)。

 

 

「はじめまして。僕の名前はシーショーです。昔、メラマルアン難民キャンプに住んでいた時に、多くの時間を図書館で過ごしました。図書館でたくさんの絵を描いてきました。そして、今、僕はプロのアーティストになります。今年の3月にアメリカの大学を卒業し、アニメーションの学位を取ります。僕のすべては、難民キャンプの図書館から始まりました。」

 

 

彼は、住んでいた村での戦闘が激しくなり、4歳の時に村を出て、6歳の時にメラマルアン難民キャンプに到着したそうです。彼が10歳の時に、家の近くに図書館ができました。

 

 

「僕にとって、図書館は、第2の家でした。学校がない土曜日は、一日中図書館で過ごしました。学校がある日も、お昼休み時間に毎日図書館に行きました。僕は、絵本を読むことと、絵を描くことが大好きでした。図書館にある絵本はすべて読んでしまい、いつも新しい絵本が届くことを心待ちにしていました。それでも、絵本に描かれている美しい絵を見るために、既に読んでしまった絵本でも、ページをめくることをやめられませんでした。僕が一番好きだったのは、お絵かきの日です。家にいても何も描くものがないので、図書館に行って絵を描きました。特に、タイとミャンマーの美しい風景を描くことが好きでした。」

 

シーショーさんが通っていたメラマルアン第4図書館 (2009年当時)

 

メラマルアン第4図書館での読み聞かせ(2009年当時)
シャンティのスローガンは「本の力を、生きる力に。」

 

絵を描くことが得意な彼は、シャンティが開催していた絵本コンテストに関心を持ち始めました。

 

「僕は絵本コンテストに毎年参加していましたが、ずっと賞を取ることができませんでした。それでも、絵の描き方を学びたいと思い、毎日図書館に行って、絵本に描かれている絵を見ていました。そして、2009年、僕の絵が賞を取ったと知って、信じられませんでした。はじめて出版された絵本を見たときは、本当に嬉しかったです。」

 

2009年に出版された絵本『2人の王子』

 

イラストレーターとして絵本の裏表紙に記載されたシーショーさんの名前

 

 

2010年に第三国定住したシーショーさんは、アメリカの高校卒業し、その後ずっと関心を持ち続けていたアートを学ぶことのできる大学に進学しました。そして、2017年3月に無事に大学を卒業しました。卒業後、学校でアート、写真などを教えているそうです。

 

現在のシーショーさん

 

「大学を卒業して、僕はプロのアーティストになります。

僕のすべては、難民キャンプの図書館から始まりました。

 

彼のように、図書館での体験が力になり、自分の人生を切り開いてきた人々の話は、いつも私を励ましてくれます。

 

図書館が持つ意義を教えてくれるからです。

 

現場で辛い時も、なんとか図書館を続けなければならないと思い直します。

 

今回の挑戦で、ぜひお伝えしたいと思っていた、

シーショーさんのストーリーです。

 

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