私どのフェイスブック・ページ( https://www.facebook.com/midorinooniwa )では、日々の活動などをご紹介しております。その中の1つとして「樹木と塩害プチ講座」と題するコラムも掲載しております。

塩害について、少しでも知ってもらえれば嬉しいです。

 

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《塩害ってなあに?》
私ども「津波被災地の緑のおにわプロジェクト」は、塩害で弱った樹木を助けたり、塩害を起こす土壌の除塩をしたりして、地震や台風の被害に遭った土地の“緑の再生”を目指して日々活動しています。

 

★さまざまな塩害
塩害は、一言でいえば、「塩がもたらす被害」です。

世の中には、さまざまな種類の塩害があります。建築物をボロボロにする塩害、土地が痩せて沙漠化が進む塩害、農作物が育たなくなる塩害……いずれも、放っておくととんでもないことになります。

私どもは、植物、特に樹木が受ける塩害に取り組んでいます。ところで、樹木ってなぜ、塩が苦手なのでしょうか?

 

★樹木の塩害は根っこから

樹木は種から育ち、種で増えるから種子植物です。種子植物には、「根・茎・葉」という三つの器官があり、それぞれ生長のための大事な役割を持っています。根は土壌から水分や養分を取り入れ、茎は取り入れた水分や養分を葉に届け、葉は光合成により二酸化炭素と水から有機物を合成します。

塩害を考える際に大事な器官は、根の部分。根っこの表面は、細胞膜という膜でできています。この細胞膜をへだてて土と根っこが向き合っており、水分や養分はここを通過して根っこに入っていきます。

では、海の水を被ったりして、土壌中の塩分が増えたらどうなるのでしょうか? 大きく分けて、二つのことが起こります。

 

★塩分が増えると……①根っこが漬物になる!?
まず一つ目に、根っこが漬物のようになってしまいます。菜っ葉に塩をふると、菜っ葉から水が出てきますね。あれと同じ現象が、根っこで起きるのです。「浸透圧差の減少」といいますが、簡単にいえば、塩分の濃い土壌に囲まれた根っこは、根っこの内部と外部(土壌)の塩分の濃度を同じにしようと、根っこの水分を外に流し出してしまうのです。
根っこは本来、水分を外から取り入れる働きをするはず。それなのに、塩分が多い土壌の中では、逆に水分は根っこから土壌に逆流してしまうのです。これでは、木は弱ったり枯れたりして当然です。

 

★塩分が増えると……②根っこが勘違いする!?
二つ目に、塩分に含まれるナトリウムという物質が悪さをします。ナトリウム自体は、植物にとって毒にも薬にもならない存在です。他方、カリウムという物質があります。カリウムは、植物の成長に大変重要な働きをする物質です。これら2種類の物質は、分子構造がそっくり。そのため、根っこはナトリウムをカリウムと勘違いして、カリウムを取り込むつもりで「ナトリウム」を取り込んでしまうのです。

カリウム不足の植物は、いわば栄養失調状態。植物はどんどん弱ってしまいます。

 

★まとめ
塩害の仕組みは、「根っこからの水分の流出」と「ナトリウムの過剰流入による栄養失調」により起こることをご説明しました。樹木を塩害から救うには、この二つの仕組みを食い止めなければなりません。人にとっては欠かせない塩分ですが、多くの植物にとっては塩分はこわーい存在なのです。