富山地方鉄道上市駅開設90周年記念事業プロジェクト完了報告
【感謝の思い】
この度は、富山地方鉄道上市駅開設90周年記念事業プロジェクトに多大なご支援を頂戴し、心から厚く感謝申し上げます。
富山地方鉄道株式会社の前身となる富山電気鉄道株式会社が、ここ上市町の常福寺で設立総会を開催したのが91年前。その翌年に上市駅、旧上市口駅(現上市駅)が開設され、以降90年もの間、上市町と他の市町村をつなぐ唯一の公共交通機関の拠点として、町のシンボルである剱岳(つるぎだけ)とともに、傍にあって当たり前となっていた上市駅。数えきれない沢山の方々の往来を支え、賑わい、交流の拠点となり、町の発展は上市駅とともにありました。
その上市駅ですが、時代の移り変わりやコロナ禍により人の往来が減少し、かつての賑わいや交流が減り、活気がなくなってしまっていました。
この上市駅が90周年を迎える節目の今年、これまでの感謝と未来に向けて、このことをみんなでお祝いし、もう一度盛り上げ「交流・賑わい・往来の拠点」としての『場』創りを行いたい」と思い、クラウドファンディングをスタートしたのが約7か月前になります。
今回のプロジェクトにおいては、35日間で281名の皆様から5,827,556円という、私たちの想像をはるかに超えた温かいご支援を頂きました。
さらに、皆さまから頂いた富山地方鉄道への愛、上市町への愛がこもった応援メッセージを頂戴し、それを励みにして『富山地方鉄道上市駅開設90周年記念事業』を無事完走することができました。本当に感謝でいっぱいです。
【結果のご報告】
記念事業は11月6日(土)から7日(日)の2日間に開催いたしましたが、それまでの間にも、駅の所有者である富山地方鉄道様やアルプス農業協同組合様の全面的な協力のもと、上市町商工会様や上市町観光協会様と連携して、「交流・賑わい・往来の拠点」の『場』創り」を進めてまいりました。これまでの軌跡と記念事業当日の内容をご報告させていただきます。
No.1【「地鉄と上市駅とあのころ」写真募集(6/15~7/15)】
90周年記念事業当日に開催する写真展に向けた写真募集を行い、個人の方計9名に加えて富山地方鉄道㈱様や上市町観光協会より往年の電車や上市駅など今や見ることのできない写真やここ上市町でしか見られない写真など非常に貴重な写真のご提供を頂きました。
No.2【上市駅ストリートピアノ『かみいち駅ピアニーノ』】(7/6)(ピアノの日)
駅の賑わいづくりを上市町観光協会様と検討する中で、その一つとして、「音楽には自然と人を寄せる力がある」と考え、近年注目が集まっている「駅ピアノ」に注目し、上市町観光協会様と共に設置構想を検討し、7月6日に駅にピアノを設置、日中は誰でも弾くことができる空間を創りました。通学帰りの高校生や電車時間を待つ社会人の方など、様々な方々が楽しんで弾いています。
No.3【クラウドファンディング応援メッセージを上市駅に掲示】(8/13)
皆さまから頂いた温かい応援メッセージをREADYFORサイト内だけで、独占するのはあまりにも勿体ないと考え、100を超える応援メッセージを8枚に分けて上市駅構内に掲示させていただいたほか、富山地方鉄道様にもお渡しいたしました。
富山地方鉄道様からは「大変うれしい応援メッセージで心強い」と伺っています。
No.4【「あのとき、上市駅で。」企画展の思い出募集】(9/1~)
皆さんの上市駅の思い出を募集し、それを動画にして、みんなで上市駅90周年をお祝いする企画「あのとき、上市駅で。」事業がスタートしました。インターネットでの募集の他、上市駅に「思い出ノート」を設置したところ、1冊目が埋まってしまい、現在2冊目に入っています。
小学生から90歳超えの方まで本当にいろいろな方の思い出を頂き、皆さんの中に「地鉄」「電車」「上市駅」がいることを実感しました。また、PR動画の撮影も9月中旬に実施しました。
No.5【駅構内ベンチがリニューアル】(10/18)
クラウドファンディングのリターン品にもなっていました、駅ベンチ。地元森林組合様に町内産杉を材料にやさしく明るい風合いに仕上げていただきました。
設置初日、駅がさわやかな木の香りに包まれて『駅が明るくなった』と好評でした。今では駅の風景にすっかり溶け込んでいます。記念事業終了後、随分と寒くなってきていますので、今後、地元高校生が制作した座布団を設置する予定です。
No.6【寄せ書き電車運行開始】(11/1~)
上市町商工会青年部様が、上市駅90周年記念の関連事業として、コロナ禍でイベントや体験が難しくなっている地元の小学生に「未来の上市町、未来のわたしたち」をテーマにデザインを描いてもらい、それを地鉄電車にラッピングする『寄せ書き電車』が11月1日に運行開始しました。子供たちの夢を乗せた電車が地鉄沿線を走り抜けています。
富山地方鉄道様としても鉄道線での全面ラッピング電車は初めての試みとのこと。11月いっぱい運行しています。
No.7【「あのとき、上市駅で。」PR動画完成と公開】(11/1~)
No.4で紹介しました「あのとき、上市駅で。」。皆さんから寄せられた思い出は300を超えました。その思い出をもとに上市駅開設90周年記念PR動画が完成し、11月1日から上市町公式ユーチューブチャンネルで公開しています。動画は「メッセージ編」が一つに、駅に縁のある方々からメッセージを頂戴している「インタビュー編」が計4つ。インタビュー編では、上市駅の駅員さんや今年「竜とそばかすの姫」がロングランヒットとなった細田守監督(上市町出身)にも出演いただきました。
No.8【富山地方鉄道上市駅開設90周年記念事業】(11/6、7)
ついに、当日を迎えました富山地方鉄道上市駅開設90周年記念事業。
皆さんの想いが通じたのか、さわやかな秋晴れの下、まずは、記念セレモニーからのスタートでした。会場は新型コロナウイルス感染予防として来場者の登録協力や入り口での検温、手指消毒などを実施いたしました。
2日間にわたって秋晴れが続き暑いくらいの好天になりました。
記念セレモニーでは、お祝いの久寿玉を開披し、その後、「寄せ書き電車」に90周年記念のヘッドマークを私と富山地方鉄道㈱の新庄専務取締役が取り付け、その後みんなで寄せ書き電車を見送りました。出席者からは「あったかいお祝いの仕方をしたね」とおほめ頂きました。
記念セレモニーが終了したころには、駅構内では「上市えきなか古本市」がスタートしていたほか、駅構内は「あのとき、上市駅で。」企画展として、たくさんの思い出がイメージポスターと共に上市駅を埋め尽くしていました。
また、駅前地下道では、No.1で紹介しました「地鉄と上市駅とあのころ」写真展が始まっていました。写真展では、提供頂いた、貴重な写真(現物ではなくスキャニングし印刷のうえで展示)を展示し、とても多くの方が昔を懐かしんでいました。
さらに、上市駅だけでなく、旧の上市駅付近だった「上市町生涯学習会館」の3階で鉄道模型の運行展示や富山地方鉄道電車運転席をVR体験できるイベントがあったほか、上市駅、上市町生涯学習会館、富山電気鉄道㈱の設立総会があった常福寺でのスタンプラリーや、上市駅と上市町生涯学習会館をつなぐ無料バス運行など2日間にわたってイベントを開催し、今年で4回目となった「えきなか古本市」始まって以来の来場者となりました。
鉄道模型運行展示に見入る家族連れ
VR体験を楽しむ家族連れ
常福寺でのスタンプラリー
無料バス運行
※予定の変更に関して
当初予定していた事業のいくつかが、やむを得ず実施できませんでした。これらを楽しみにされていた方々には誠に申し訳ございませんでした。
○ちてつフェスティバルとの共同開催
ちてつフェスティバルがコロナ禍の影響もあって、富山地方鉄道様は「開催は困難」と判断されて、共同開催ができませんでした。
○無料バス運行の乗車券
当初、無料バスに乗車した際に記念品の贈呈を検討していましたが、コロナ禍のなか、手渡し等の接触を避けることや必要最低限でのスタッフによる事業実施の方針となり、実施を見送りました。
【収支報告】
皆さまから頂きましたご支援のすべてを『富山地方鉄道上市駅開設90周年記念事業』に活用させていただきました。その内容をご報告いたします。
<収入>
○クラウドファンディング支援額 5,827,556円
<支出>
○支出総額 5,827,556円
クラウドファンディングに関する費用
(手数料及びPRチラシ) 1,362,363円
90周年関連事業に関する費用
(駅ピアノ、駅ベンチ、写真募集及びデジタル化、PR動画作成 等)
630,373円
リターン品に関する費用
(リターン品準備及び発送費用) 1,658,685円
記念事業当日の催事に関する費用
(記念品制作、無料バス運行、写真展設営、スタンプラリー、えきなか古本市開催 等)
2,176,135円
【リターンの発送状況】
リターン品に関しては、全て発送を完了しています。リターン品の詳細な説明がなかったことや記念事業の告知印刷作業が発送に間に合わず、皆様に記念事業詳細をサイト上の新着情報としてのみのお知らせとなったこと、お詫び申し上げます。
【今後について】
今回のプロジェクトの一環で運行しました町内の小学生の夢を乗せた「寄せ書き電車」は11月いっぱい運行する予定しています。また、駅での思い出ノートは今年末まで実施し、その後は違った形で皆様の思い出や想いが振り返れる企画をできればと考えています。
このコロナ禍がいつまで続くか、誰もわかりません。今は感染が落ち着いていますが、欧州では再拡大しつつある情報もあります。人に感染させない。自分が感染しないように日々の基本的な感染症対策はこれからも必須だと思います。
公共交通は人を集めて移動する乗り物であり、富山地方鉄道の利用者もコロナ前の利用者数には届かない状況が続いています。
ですが、私たちは、この上市駅を皆さんと共に守り、いつまでも大切にしていきたいと決意しており、これからも富山地方鉄道と共にあり続ける上市町でいられるために、富山地方鉄道様をはじめとしたたくさんの皆様と連携協力して、上市駅が「交流・賑わい・往来の拠点」の『場』となる取組を継続して参ります。
引き続きのご支援・ご理解を賜りますようお願いいたします。