「瞑想しているような不思議な時間」藤井晃子〜メンバー紹介〜

「パンゲア。展」初参加の藤井晃子と申します。

幼少の頃、父が歌いながら描いてくれた、人の顔の絵が大好きでした。決して上手ではない父の絵でしたが、チラシの裏に何回も何回も描いてもらっては笑っていました。

成長するにつれ、興味は違う分野へと移り変わり、絵とは距離を置いた生活を送っていましたが、一冊の画集と出逢ったことで、あっという間に幼少時代の気分に戻りました。「こんな絵があるんだ、こんな絵を描く人がいるんだ」と心を鷲づかみにされ、画集はボロボロになり、海を越えてその亡き画家のアトリエへ訪れる機会にも巡り合えました。

それ以来、絵を描く時は、時間も疲れも吹っ飛んで、瞑想(妄想?)しているような不思議な時間です。現実逃避かもしれません。でも、このひとときは、現実社会と空想世界を行き来しながら、大人社会に押し潰されそうな自分を支えてくれる、大事な自己メンテナンスの様に感じます。

残念ながら、いまだ出逢った画家の技術には近付けず、回り道しながらの毎日ですが、これから出逢うであろう自分の作品との瞑想時間を楽しみに、ゆっくり描き続けていけたらいいなと願っています。お楽しみ頂けたら幸いです。