東京葛飾区：未来の星、新成人へ入魂の本革ベルトを贈るプロジェクト

この度はご支援をいただき誠にありがとうございます。

今回は、新成人へ贈るベルトの機能をクローズアップしてご紹介をしたいと思います。

このベルトは自社で開発したベルトの帯自体が伸縮するベルトで、弊社では《寛ぎリラックスレザーベルト》と呼んでおります。なぜ本革なのに伸縮するのかをご説明させていただきます。

＜新成人へ贈るベルト＞
 

 

＜時代の流行とベルトの可能性＞
昨今アパレル業界では機能性素材が主流になり、ストレッチ性については大半の商品に採用されています。ベルトにもストレッチ商品は存在しますが、大半がテープベルトやメッシュベルトなどの カジュアルベルト が主体です。上質な本革を使用した紳士ベルトにストレッチ機能のある商品はほぼ見当たりませんでした。

ビジネスシーンでベルトの使用率は高く、スーツ着用の場合は必要不可欠なアイテムです。運転業務をされている方、立ち座りの多い業務をされている方など腹部の負担は図り知れません。また、会食の場など時間とともに腹部の圧迫は気になるものです。このような状況で「寛ぎリラックスレザーベルト」をご使用いただければ、腹部の圧迫など気にならずにより多くの方に快適な職場環境をお過ごしいただけると確信しました。

 

 

＜寛ぎリラックスレザーベルトが出来上がるまで＞

 

・ 腹部の圧迫をベルト帯全体で伸縮させる発想

ベルト屋としてベルト帯本体の作りには自信がありました。帯自体で伸縮させることができれば、自社工場内ですべて作り上げ品質を保つことが可能だと考えました。

ではどれほど伸縮すれば良いのか、本革を使うので伸縮巾には限界があります。検証をした結果、日常的な使用で腹部の圧迫による穴位置の変更は１つ穴分（２．５ｃｍ）が大半でした。そこで伸縮可動範囲を2つ穴分に目標設定しました。

＜イメージ写真＞

 

ベルトの命でもある革の選定が商品の雰囲気と耐久性を左右します。革に柔軟性があって初めて伸縮機能が発揮されます。重厚な固い革は全く伸びず、柔らかすぎる革はしわが発生してしまいます。柔らかすぎず固すぎず、伸縮するベルトに最適な革は長年のベルトづくりによる経験によって、さまざまな革産地の素材を選定することができました。

＜イメージ写真＞

 

・難航した裏革の選定

裏革はベルトの出来栄えを左右するこちらも重要な素材です。伸縮しない既存ベルトで使用する革はベルト帯のしっかり感を出すために固く締まった革を選びます。しかしストレッチベルトには伸縮性に欠けるため使用できません。そこでストレッチ性にマッチする革を探しました。しっかり感は損なわずに伸縮性を発揮できる素材です。しかし、しっかり感と伸縮性は革を形成する上では対照的な特性のため、今まで目にした事の無い特殊な素材になります。難航を極め結果的国内には存在しませんでした。

ないのであれば独自で開発をしようと国内の革産地である姫路のタンナーへ相談をしますが、難易度が高すぎると断られてしまいます。

＜伸縮しない既存ベルト：参考写真＞

 

ちょうどその頃バックメーカー様よりバック持ち手の生産依頼があり、支給によるインポート革の納入がありました。その革はイタリア北部トリノ近郊にある「CHIORINO Technology」社製の牛革でした。ヨーロッパの有名バックメーカーの要望で厳しい基準をもとに作られたこの革は、耐久性に優れ柔軟性も併せ持っていました。通常ハンドバックや財布の材料として使われているこの革はベルト製品ではほぼ使用されていない素材でしたが、寛ぎリラックスレザーベルトにとっては必要な特性をすべてを兼ね備えた革でした。

この革の出会いにより素材の難題をクリアし、本格的に製品の作成を進めることができました。

 

 

 

・オール本革を使用し帯自体が伸縮する技術を開発

 

あくまでもベルトは革が主役です。上質な革を使うからこそ経年変化が楽しめ使う喜びが味わえます。上質さと快適さを融合させたベルトをご提供するために、試行錯誤を繰り返し、帯自体が伸縮する技術 ３層ストレッチ構造 を独自に開発しました。（2020年2月28日実用新案登録済 実用第3225616号 名称：本革ベルト）

＜ベルト帯断面＞

 

表面と裏面は本革を使用し、中心の心材にはゴム帯を使用した３層構造です。中心のゴム帯には「袋織ゴム」と呼ばれる芯材を採用しました。このゴム帯は直径0.5ｍｍほどのゴム線を３本一束にし、11束～13束（幅により束数が変わります）を一列に並べ合繊繊維で袋状に織り上げられております。ゴム線を繊維で包み込むことで耐久性に優れ、複数のゴム線によって伸びた後もしっかりと元の長さへ戻すことを可能にしています。

＜イメージ写真＞

 

《寛ぎリラックスレザーベルト》の機能をご紹介させていただきました。

2020年にはこの伸縮機能が葛飾区で認められ、葛飾ブランド「葛飾町工場物語」に認定いただきました。

この認定を基に何か将来の貢献はできないのかという想いが強くなって行きました。このベルトで何ができるのか考え、日本の未来の為に葛飾区の新成人へエールを贈ることが、何時しか地場の貢献につながると確信したのです。

 

精いっぱい思いを込めて贈る準備は整いつつあります。

皆様、最後までどうぞご協力の程よろしくお願いいたします。

 

代表　長澤