突然下半身麻痺を宣告された息子に社会とつながる場所をつくりたい。

先日、パラリンピックが閉会しました。

 

今回はオリパラともに世の中で様々な意見や思いがある開催となりましたが、

それはさておき。

 

ボクはいままで多少、他の方よりはパラリンピックに関心を持って観ていましたが、今回は自然と観る機会が増えていました。

 

車椅子競技は特に色々な思いを込めて応援していました。

ただ今までの観点と違い「選手のみなさんは、この競技を始めるきっかけは何だったんだろう？」とか「後天性の場合、その気持ちに至るまでの時間は長くて細い暗闇の中を過ごしていたんだろうな。」とか「親御さんの迷いや葛藤、決断はとてもつらい時期があったんだろうな。」とか。

 

そして先日、NHKで「プロフェッショナル仕事の流儀」にて

東京パラで金メダルに輝いたテニスプレイヤーの国枝慎吾さんが特集されていました。

 

国枝さんは小学校4年生の時に、ある日朝起きると足に違和感を感じ病院へ。

診断は脊髄腫瘍。手術は成功するも一生下半身不随となると宣告され、絶望の中小学4年生にもかかわらず窓から飛び降りてしまいたいと思い詰めていたということでした。

 

少し境遇が似ており、ショックを受けました。

 

2年後テニスと出会い、様々な障害にぶつかりながら現在に至るわけですが…

後にフェデラー選手に「日本には国枝がいるじゃないか」と言わしめる存在になっていきます。

 

インタビューの中、国枝選手は

「世の中のパラリンピックを盛り上げようとする空気感が居心地悪い。」

「普通のスポーツ競技としての普及が理想。」

「エンターテイメント性を強めて観客を集められないのは自分たちの責任」

 

とても感銘するとともに今の障がいに対する想いが伝わりました。

 

また、奥さんが車椅子を検索で調べていたら、

日本で起業し、アメリカで電動車椅子を製造しているベンチャー企業を見つけました。

企業理念として

「ネガティブなモノがポジティブを超える」があります。

ここで重要なのが「ネガティブをポジティブに」ではなく

ポジティブを超えるというところです。

 

電動車椅子というネガティブな発想ではなく、「誰もが乗れる便利な移動手段」というポジティブに置き換えるよりも、さらに上を目指しているそうです。

眼鏡を例にすると

昔は眼鏡をかけていると「メガネ君」とちょっと嘲笑を含んだネガティブさがありましたが、今は普通の必需品を超えて「おしゃれ」で眼鏡をかけるというポジティブな発想を飛び越してファッションアイテムとして定着しています。

 

最近ダイバーシティという言葉を耳にします。

もちろん多様性を認める社会にしようという運動は今は必要でしょうが

いずれは多様性がキャンペーンを図らなくても当たり前になる社会になればみんな生きやすくなるのでしょうね。

 

晋君も今の困難を乗り越えた先には明るい社会が待っている予感を感じる出来事でした。