口腔内ポリープの再発を繰り返す保護猫の治療費にご協力をお願いします

 

すずちゃんの保護を決めたことで、私はいろいろと忙しくなってきました。

 

まず、すずちゃんのベッドを新調してあげなくてはいけません。

 

その当時は1か月の療養期間のみ使うつもりだったので、すずちゃんの寝床は段ボールに毛布を敷いた簡易ベッドでした。

 

しかし、家猫となったのに段ボールの簡易ベッドでは可哀想です。

 

私はすずちゃんのための新しい猫ベッドを買い、ついでにトイレも新しくしてあげました。

 

その後、捕獲から2か月が経ったころ、すずちゃんの猫エイズ・白血病検査を受けるために病院へ行くことになりました。

 

家には先住猫が2匹いるので、同じスペースで生活させるためには、きちんと猫エイズと白血病が陰性であることを確認する必要があります。

 

すずちゃんはメスなので他の猫とあまりケンカもしていないでしょうから、猫エイズや白血病の感染については心配していませんでした。

 

しかし、白血病の結果こそ陰性でしたが、猫エイズの結果は陽性だったのです。

 

私は病院で目眩がする思いでした。

 

まだ若く外猫生活が短いすずちゃんが、猫エイズにかかっていたのは全くの想定外で、言葉にならなかったのです。

 

猫エイズは感染していても発症するとは限らず、なかには生涯を通じて発症することなく天寿を全うする猫も多いようです。

 

しかし、発症してしまうと致命的な感染症であり、現在では効果的な治療法も確立されてはいません。

 

私は陽性の検査結果を聞いた時に、激しい後悔を覚えました。

 

すずちゃんをTNRした時にリリースではなく、保護して里親探しをする道を選んでいれば、猫エイズにかかることは無かったでしょう。

 

それに、もし里親探しをしていれば、今ごろアリスくんとすずちゃんは兄妹揃って幸せな家猫生活を送っていたかもしれません。

 

すでに2年前のことにはなりますが、私が選んだリリースという選択肢は、すずちゃんを棘の道へと誘ってしまったのです。

 

その一方で、今回すずちゃんをリリースせずに保護したのは、やはり正しい選択だったと思い直しました。

 

猫エイズのすずちゃんにとってストレスの掛かる外猫生活は、猫エイズの発症を誘発するリスクを高めてしまいます。

 

そのため、これからはすずちゃんになるべくストレスを与えないよう、少しでも過ごしやすい環境を整えてあげたいと、自分の中で新たな決意が芽生えたのです。

 

ただし、猫エイズが陽性だったため、すずちゃんを先住猫と同じ居住スペースに置くわけにはいきません。

 

先住猫への感染のリスクを避けるためにも、すずちゃんは専用の部屋でひとり暮らしすることになります。

 

すずちゃんを隔離するようで可哀想ですが、少しでも快適にひとり暮らしができるように、私は物置部屋を片付けて広めのスペースを作ってあげました。

 

このころを境にして、すずちゃんとの距離感に少しずつ変化が生まれました。

 

今までは触ろうとして手を伸ばすだけで激しく威嚇してきたのですが、だいぶ人馴れしてきたのか私の手から直接おやつを食べるようになっていたのです。

 

私は心を開き始めたすずちゃんと根気強くコミュニケーションを深めていき、やがて保護から半年が経つころには完全に触れるようになりました。

 

今ではすっかり懐いてくれて、私にとって大事な家族の一員です。

 

3年前にすずちゃんをTNRした時には、まさか私が保護することになるとは、微塵も思っていませんでした。

 

当時は地域猫として1代限りの命を全うしてくれることだけを考えていましたので、家猫として迎え入れることなど思いも付かなかったのです。

 

しかし、元から人懐こかったアリスくんと少しずつ人馴れしていったすずちゃんなら、あの当時に里親さんを見つけることができたかもしれません。

 

そして、すずちゃんが猫エイズに感染することもなかったでしょう。

 

すずちゃんは初めて出会ってから2年越しの保護となりましたが、私にとっては贖罪の機会が与えられたような、ある意味では新たなスタートを迎えたような気分になりました。

 

すずちゃんの保護はケガを治療してあげたい一心から始まりましたが、保護に至るまでの過程では多くのことを学びました。

 

そしてすずちゃんの保護で得た経験は、今後の保護猫活動にも活かしていこうと思っています。

 

これからも多くの猫の保護活動に力を入れていきたいと思っていますので、ご支援をお願い致します。

 

★この話を最初から読む⇒TNRした猫を2年後に保護した話（その1）