南スーダン:人道的状況における性的暴力の防止

2019年５月17日

SIHAプロジェクトオフィサーのクリスティンは、ワウの学生とプロジェクト計画について話し合っています。写真:SIHA提供

2011年に自治権を獲得した南スーダンは、何十年にもわたる武力紛争の後、依然として政情不安に悩まされています。長引く紛争により、南スーダンには推定1万人の国内避難民(IDP)が残されていて、その多くは民間人保護のためのキャンプで暮らしており、女性は性およびジェンダーに基づく暴力のリスクが高くなっています。

UN Womenが運営を担っている国連女性に対する暴力撤廃信託基金(国連信託基金)が資金提供するアフリカの角の女性のための戦略的イニシアチブ(SIHA)は、北部の町ワウの国内避難民のための大規模なキャンプで女性と少女に対する暴力を防ぐための学校ベースのプロジェクトを実施しています。

SIHAの調査によると、教師と学校管理者は、性的暴力とハラスメントを構成するものについての情報と理解がほとんどありませんでした。ある参加者は、「レイプは犯罪ではないと考える人もいます。特に男性は、女性はセックスのためだけにそこにいて、やりたいことは何でもできると思っている」と言っています。

この調査はまた、キャンプの外で水を汲む女性と少女へのリスクを含む、キャンプで蔓延する性暴力に寄与する要因を明らかにしました。強制的かつ早期の結婚、女性教師の不在、そして学校で女の子をモノとしてしか扱わないこと、などがあげられます。

SIHAの調査中、少女の一人はこう言いました「学校によっては女性の先生がいないところもあり、女の子特有の問題が出てきた場合、相談できる人がいません。だから問題が出てきても黙っているしかないのです」

この調査の終了後、SIHAは、性暴力がコミュニティにどのような悪影響を与えるかについて、国内避難民キャンプの教師と管理者の意識を高めるためのトレーニングセッションを開発し、現在実施しています。トレーニングでは、権力のダイナミクス、ジェンダーに基づく暴力の種類と結果、女性に対する暴力に関連する南スーダンの法律、暴力のサバイバーが利用できるサービスに関する情報が取り上げられました。

https://untf.unwomen.org/en/news-and-events/stories/2019/05/south-sudan-preventing-sexual-violence-in-humanitarian-contexts