【感謝とご報告】子どもたちの未来に向けて大きく前進できました
みなさま、こんにちは。
ジンバブエ教育支援事業駐在担当の上田です。
みなさまからの温かいご支援をたくさん頂き、ありがとうございました。
みなさまからのご支援を頂いたゴクウェノース地区、ニャミニャミ地区の教育支援活動について、日々現地スタッフと試行錯誤しながら、学校が自ら持続発展できるように取り組んできました。その活動における、学校開発活動の成果について報告させていただきます。
【ゴクウェノース地区】
ネニュンカ小学校、チリサ小学校、クシンガ小学校が、学校開発の資金を確保してくための収入向上活動について、丁寧な事実質問（ 『なぜ』ではなく、『何を』『いつ』『誰が』『どこで』『どのように』など事実を掘り下げる質問を事実質問と呼びます）の会話を通して、現状、課題、対策等の聞き取りを続けていました。
その中から、新たな収入向上活動のアイデアが出され、学校開発委員会と一緒に最も実現可能な活動を選び、実施しました。
ゴクウェの暑さが落ち着く2022年５月からブロイラー（肉用鶏）の雛を各学校25羽～50羽購入し、それを5，6週間ほど育てて販売しました。
成長したブロイラー 2022年6月
6月末の事業終了時までに３校合計で約100羽を販売することができ、計582ドルの収入を得ることができました。これまで養卵の収入が月平均およそ16ドルなので、このブロイラーの活動による収入は学校にとっても大きな収入になりました。
事業終了後の2023年４月時点においても、3校すべての小学校で収入向上活動は続いています。
クシンガ小学校では新たに26羽もホロホロ鳥を購入し、その雛を販売する収入向上活動も開始しました。現在までに約100ドルの収入をこの活動で得ています。
他の２校のチリサ小学校、ネニュンカ小学校においても、養鶏・養卵、ヤギの収入向上活動は継続しており、それらの活動を通して事業終了時2022年7月から2023年の３月までに3校それぞれで約150~ 500ドルの収入を得ています。
今回、現状を知るための聞き取り調査を行った時に「もうすぐ大きくなったブロイラーを売ることができるよ！」と嬉しそうに共有してくれたのが印象に残っています。
新たに始めたホロホロ鳥の飼育 2022年6月
これらの活動で得た収入を使い、学校は児童への食事、制服、椅子、筆記用具、校舎の修繕用のセメント、屋根板、遠方で行われる会議へ出席するための交通費など、学校の持続発展に必要な経費に使用することができました。
事実質問の会話を続けたことにより、何がよかったのか、何を改善すべきなのか、新しいことを始めるために必要なことは何かなど、思い込みではなく事実に基づいて考え、実行するようになった様子も見受けられるようになりました。活動が発展的に続けられていることをとてもうれしく思います。
ゴクウェノース地区の活動は、今後も継続的にモニタリングしていく予定です。次回のモニタリングは、治安の状況も判断しながら、2023年の9月以降に考えています。
【ニャミニャミ地区】
2022年４月からサウィラマカンデ小学校、マジャゾ小学校、マレンベジャ小学校で地域住民参加型の学校開発事業を実施しています。長年におけるゴクウェノース地区での事業経験を活かして、地域住民が主体となって学校開発をしていけるように取り組んでいます。
2023年3月に地域住民の協力のもと、３校でそれぞれ１棟ずつ校舎を建設することができました。各学校で雇用された建設作業員は地域住民からなり、また１つの校舎に必要な30,000以上のレンガ作成も地域のボランティアにより作成されました。建設に必要な砂利、砂、水等の建設材料についても、地域住民の力によって集められ、毎月、100世帯以上の住民がこの校舎建設に協力してくれました。
レンガ作成する住民 2022年7月
完成した校舎１棟内には２つの教室があり、約50名の児童が各教室で学習することができます。地域住民からは「この辺鄙な地域にこんな美しい校舎が建つなんて、全く想像もしていなかったよ」などと嬉しい言葉も聞かれます。すでに地域住民は校舎２棟目の建設に向けて、建設資材の採集を始めています。
完成した校舎 2023年3月
ニャミニャミ地区では、まだ多くの子どもが学校に通う事ができていません。
2022年10月に実施した戸別訪問調査では、計348世帯のうち、200名の学齢期の子どもが学校に通うことができてないことが判明しました。
こういった子どもたちの学習の場として、特別教室の活動が開始しました。
当初、特別学級の開始は2023年４月以降を予定していましたが、学校や保護者から早く子どもに教育を届けたいとの要望があり、2023年１月より開始しています。特別教室で教える先生もボランティアで働いてくれています。
特別学級の児童と校長 2023年2月
【収支報告】
皆様から頂いた735,000円について、下記の活動について使用させていただきました。
➀ ゴクウェノース地区における学校開発委員会のメンバーを対象にしたワークショップ
（時系列にそった振り返りワーク／事実質問を使ったメタファシリテーションの準備、実践）
※こちらの活動は、Readyfor以外で確保することができた資金を充てて取り組みました
➁ ニャミニャミ地区(新規事業地)における学校・地域開発のための実態調査
（住民への聞き込み／学校関係者への聞き込み）
73,160円
（この金額に、Readyfor以外で確保することができた資金も加えて取り組みました）
③モニタリングにかかる費用
（人件費、移動費など）
441,982円
④報告会・座談会開催費用
55,465円
⑤READYFOR手数料
113,190円
残金：51,203円
今後実地するゴクウェノース地区へのモニタリング費用として使用させて頂く予定です。
【リターンの発送状況】
5,000円以上を寄付して頂いた方、合計85名にお礼を込めたメール、ADRAのメールマガジン、ニュースレターをお送りしました。
報告会コースを選ばれた方々向けに、2022年8月10日にオンライン報告会を実施しました。報告会では、収入向上活動における課題、取り組み、成果等について、担当の高橋と私から報告をさせて頂きました。報告会の様子ついては、当団体のブログ（https://www.adrajpn.org/zimbabwe_education/3045/ ）にてお伝えしています。
また、上映付き座談会コースを選ばれた方々に向けて、2022年8月25日に「Poverty Inc～あなたの寄付の不都合な真実～」を上映し、その後に参加者と一緒に映画の感想を共有しながら、活動との関連についてもざっくばらんにお話しさせて頂きました。映画の内容については過去のページ（https://readyfor.jp/projects/ADRAJapan-Zimbabwe/announcements/213453/ ）で紹介しています。
【今後】
ゴクウェノース地区、ニャミニャミ地区の今後の活動報告は、団体のホームページにてご報告させて頂きます。（こちら https://www.adrajpn.org/zimbabwe_education/ ）
ジンバブエの子どもたちのより良い未来につながるように、今後も地域住民の人たちと一緒に活動を続けていきます。
みなさまからの温かいご支援をよろしくお願いします。
ジンバブエ教育支援事業 駐在担当 上田耕二
