ビキニ事件|被ばく船員の救済を求める2つの裁判にご支援を
2024年元旦に発生した能登半島地震において、被害に遭われ亡くなられた方々への哀悼とともに、未だ行方不明の方々の一刻も早い救出と、住民の皆様の復興を心よりお祈り申し上げます。
さて、2022年6月から同年11月まで取り組みました「ビキニ事件/被ばく船員の救済を求める2つの裁判にご支援を」において、304名の方々より5,495,000円(109%)の募金を寄せていただきました。あらためまして原告、原告弁護団、支援する会一同より、心から感謝申し上げます。
2つの裁判の行方ですが、裁判の争点が明らかになってきましたので簡単に報告させていただきます。
▼高知地裁では、⓵除斥期間の起点について、②準拠法について、③因果関係の3点です。
特に準拠法については「憲法29条3項にもとづいて、損害賠償請求権を取得する法的根拠としては、国際私法11条1項に則り、民法709条を準拠法とすることができる」という主張を展開していきます。また、除斥期間20年の起点について、被告側はビキニ事件が起きた1954年を起点とし、訴えの却下を主張しています。これに対して原告側は、水爆実験による被ばくを知らされたのは2014年であり、1954年を起点とするのは人権を無視した不当な主張だと反論していきます。
▼東京地裁では、⓵ビキニ被ばく船員訴訟の基本的視点として、被ばく船員は初期放射線による被ばくではなく、体内に取り込んだ放射性物質による持続的被ばくであり、被告の初期放射線を基準にした被ばく線量評価方法では正確な被ばく評価はできないと反論していきます。②初期放射線による放射線影響調査と、経口摂取による被ばく線量の過小評価について、被告が示す被ばくデータの非科学性を明らかにしていきます。
▼2つの裁判には著名な科学者、専門家が意見書を提出しました。
⓵外部被ばく線量評価については、星正治氏(広島大学名誉教授)、聞間元氏(医師)、
②生物学的線量評価について、齋藤紀氏(医師)、田中公夫氏(博士)、聞間元氏(医師)、⓷推定線量評価について、増田善信氏(気象学者)の皆さんが意見書を提出しました。今後も裁判を支援する専門家の会議を通して、被告が主張する非科学性を明らかにしていきます。
今年は、ビキニ被災70年の年です。裁判ではビキニ事件の真相を究明し、原告の救済に道を開く重要な段階に入っていきます。2つの裁判の口頭弁論への傍聴参加など、ご支援を引き続きお願い申し上げます。
◆ご支援いただいた資金の使途について
【支出した資金】
・2つの裁判(特に東京地裁)への参加経費 約20万円
・専門家会議開催経費(大阪で開催) 約60万円
・裁判費用追加分 約5万円
・クラウドファンディングリターン経費 約20万円
・ビキニ裁判支援パンフ製作費 約10万円
・「ビキニデーin高知2023」への支出 10万円
計約125万円を支出
【当面の支出予定資金】
・2024年「3.1ビキニデー」参加(静岡・焼津) 約20万円
・専門家会議開催経費(1~2回) 約60万円
・2つの裁判(東京地裁複数回)への参加費 約50万円
・弁護団調査経費 約50万円
・「ビキニデーin高知2024」への支出 10万円
計約190万円の支出予定
合計約315万円の予定
◆専門家(8名)と弁護団(30名)への謝金について
未払い状態にあり予算化が必要ですが、1人10万円としても380万円となり、現時点で
150万円近く資金不足が否めない状態にあります。
◆裁判の長期化に備えて
専門家と弁護団への謝金の支払いも不足状態であること。今後の裁判費用も考えると、あと数百万円の準備が必要です。
そのための取り組みとして、⓵現在取り組んでいますマンスリーサポーターの募集の拡大
②裁判支援の全国的な呼びかけ、県民・市民への支援の呼びかけ等、引き続き取り組みを継続していきますので何卒ご協力よろしくお願いします。