琵琶湖から御礼の挨拶
実験調査船「はっけん号」廃船の危機を救え!という合言葉で始まったクラウドファンディングも成功裏に終わり、ほぼ1年が過ぎました。温かいご寄付いただきました皆様には、心より厚く御礼申し上げます。この間、返礼品の一環としてSDGsカレンダー、シニア大学院集中講義などをみなさまの元にお届けしてきました。6月からはいよいよ、はっけん号の修復に取り掛かります。約1か月のドック入りとなりますが、これが完了すれば、あと数年間は安全に航行できるものと確信しております。
思えばはっけん号が1993年に進水してから30年の年月が経ちました。かつては調査研究の第一線で活躍し、現在は小中高生の学習船として主に利用しています。これに加えて最近は、AUV(自律型水中ロボット)を用いた湖底探査や、新しい計測機器の試験などにも活躍しています。できればあと10年は利用できないかなと思っております。
ところで、E/SASV Gamesというのをご存じでしょうか。びわ湖トラストが大学生や小中高生たちと共同で開発している、仮想空間と実空間(琵琶湖)を結んだ自律型水面ロボット競技会の開催です。このような仮想と現実の世界をハイブリッド形式で結びつけることが、新しい社会教育の一つの形になるのではないかと考えています。皆様の積極的な参加を期待しております。
https://e-sasv-games.official.jp/
びわ湖トラストの子どもたちはみんな元気です。2023年度からは、小中高生が参加する新しいチャレンジプログラムがスタートします。私たちはこのプログラムを通して、自然や文化や科学が大好きな子供たちをたくさん育てて、社会へ送り出したいと考えています。
もっと自由に。もっとしなやかに。地球環境の劇的な変化という大嵐に立ち向かうには、柔軟な戦略と強固な意志が必要です。私たちは価値感の押し売りはしません。大樹から岩陰の草木まで、小河川から大湖沼まで、大河から大海原まで、地球上にあまねく存在する巨大なエネルギーの流れに身を任せながら、皆様のひと押しを得て安定で過ごしやすい地球環境を実現したいと思っています。このようなびわ湖トラストの取り組みを支援していただいている、多くの各種団体や個人の皆様に心より感謝申し上げます。
びわ湖トラスト
熊谷道夫