指定難病「キャッスルマン病」の専門書を出版します

指定難病「キャッスルマン病」の専門書を出版します

支援総額

2,084,000

目標金額 1,200,000円

支援者
148人
募集終了日
2022年1月20日

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プロジェクト本文

終了報告を読む

おかげさまで目標額を達成いたしました!

ありがとうございます!!

   

プロジェクト達成後もご支援が続いていることに心からお礼を申し上げます。

この目標額を超えた資金の使途の考え方については、

   新着情報のプロジェクト完結に向けての決意とお願いですをご覧ください。

 

 

 

はじめまして。フジメディカル出版 代表取締役の宮定 久男と申します。

 

弊社は医学系専門書の出版社として1998年に創業し、以来、医師・薬剤師という医療専門職の人たちを読者対象として医学雑誌や医学書を発行してまいりました。糖尿病、肥満・メタボリックシンドローム、腎臓病、高血圧、脳梗塞、認知症、女性医学、臨床薬学、臨床栄養学、機能性食品などの分野の雑誌・書籍を幅広く手がけています。

 

 

 このプロジェクトの目的

 

希少難病「キャッスルマン病」に関する医学専門書の発刊プロジェクトです。

 

キャッスルマン病という病名は耳慣れないと思います。それもそのはずで、日本の患者数は約1500人、年間の発症数は100万人に1人程度という希少難病なのです(#1)。この病気を診療することのできる専門医や医療機関はまだまだ少なくて、患者さんが医療機関にかかっても適切に診断され適切な医療を受けることがなかなかできません。1人でも多くの医師にこの病気のことを知ってもらい、不調を訴えて訪れたキャッスルマン病の患者さんを見逃すことなくきちんと専門医療機関に紹介してもらい、早期治療につなげていただかねばなりません。私たちはその手助けとなるために、この本を出版いたします。  

 #1:難病情報センター(特発性多中心性キャッスルマン病)より

 

 

 

 キャッスルマン病とは?

(以下は#1を参照)

 

キャッスルマン病は、1950年代にこの病気のことを初めて報告したアメリカの病理学の医師キャッスルマン先生の名前を付けた病気で、認知症の原因疾患として知られているアルツハイマー病と同じように、初めに発見した人の名前がつけられています。

 

全身のだるさ発熱貧血症状などさまざまな症状が表れ、放置すれば致死的病気です。がんと間違えられることがしばしばあります。リンパ節(註1)が大きく腫れることも特徴の一つです。一つのリンパ節だけが腫れる場合と、複数のリンパ節が腫れる場合があり、それぞれ単中心性キャッスルマン病(UCD)と多中心性キャッスルマン病(MCD)と呼び分けています。日本人ではMCDの割合が高く、海外と違いがあります。また、この病気のより重症度が高く治療の難しい病態としてTAFRO(タフロー)症候群があり、本書の目次構成の半分近くを占めています。

 

治療にはステロイド剤や免疫疾患治療薬のトシリズマブなどが効果あることが知られています(#1,#2)。これらの薬剤を少しでも早く患者さんに投与できれば、それだけ効果が期待できます。だからこそ、患者さんの発見が遅れることは避けなければなりません。日本中の医師が、「この症状は、もしかしたら?」と気づいてくれるように、この病気の特徴や診療体制について知ってもらわねばならないのです。そのための本です。 

 #2:「キャッスルマン病診療ガイドライン令和2年度初版

 

註1:リンパ節

体全体にある免疫器官の1つで、全身の組織から集まったリンパ液が流れるリンパ管の途中にあります。細菌、ウイルス、がん細胞などがないかをチェックし、免疫機能を発動する「関所」のような役割を持ちます。リンパ節が腫れて大きくなる原因として、感染症、免疫・アレルギー性疾患、血液のがん、がんの転移などがあげられます。(国立がんセンター「がん情報サービス」用語集より引用)  

 

 

 

 本書企画のきっかけ

 

2018年4月に「特発性多中心性キャッスルマン病」として331番目の指定難病に指定されました(#3)。このことがニュースとなり、我が社においても出版のテーマ候補に上がることになりました。対象読者が限られるものの、有効な治療薬が保険薬として承認され、さらに難病指定により公的助成が受けられるようになったことは、高い医療費が軽減されたこともあり大きなインパクトでした。

 #3:厚生労働省平成30年4月1日施行の指定難病(告示番号331)

 

2018年6月になって、本疾患の治療薬トシリズマブの医師主導型臨床研究に携わり、かつ本疾患の厚生労働科学研究班(吉崎班:註2)の班長(当時)を務めておられた吉崎和幸先生(大阪大学産業科学研究所)を訪問し、このテーマの専門書の出版の是非についてご相談いたしました。その席で私どもにキャッスルマン病の現状や展望を滔々と語る吉崎先生の言葉に、採算性を超えた医学専門出版の使命とは何かをあらためて気付かされ、この本の出版を決断いたしました。

 

一方、吉崎班の事業成果として取りまとめられた「キャッスルマン病診療ガイドライン」が2020年12月に公開されるとともに、この班研究は川上純先生(長崎大学)を班長とする新たな研究班(川上班:註3)へと引き継がれました。この間、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の猛威に我が社も著しい影響を受けておりましたが、吉崎先生と川上先生の共同編集の形で本書の企画が結実し、このほどついに発刊に向けて大きく踏み出すことを得ました。 

 

註2:吉崎班

厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「非癌、慢性炎症性リンパ節・骨髄異常を示すキャッスルマン病、TAFRO 症候群 その類縁疾患の診断基準、重症度分類の改正、診断・治療のガイドラインの策定に関する調査研究」班 

 

註3:川上班

厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「キャッスルマン病、TAFRO症候群、類縁疾患の診療ガイドラインの策定や更なる改良に向けた国際的な総意形成を踏まえた調査研究」班  

 

 

 

 このプロジェクトの使命

 

冒頭でも触れたように、キャッスルマン病の患者さんの多くは、病気の診断がつくまでに、とても時間がかかってしまいます。その理由は、この病気のことをきちんと診ることができる医師がまだまだ少ないため、かかりつけの病院や診療所では診断がつかずに、いろいろな病院を転々とすることになるからです。発病から診断が確定するまでに病気が進行し、腎臓障害や肺障害を起こして治療を難しくすることもあります。 

 

★希少難病の医療が抱える根源的な問題

希少難病には、患者さんの数が少ないがゆえの根源的な課題があります。

 患者集団における精度の高い検証(臨床試験や疫学調査)が困難。

 治療法や治療薬の開発が進みにくい。希少疾患治療薬はオーファンドラッグとも呼ばれ、対象が難病であるため研究・開発も容易ではなく、うまく開発できても非常に高額になり、患者の経済的負担は重い。

 医療アクセスが悪い。専門の医療機関や専門医が少ないため、患者は診断が確定するまでに複数の医療機関を転々とすることにもなる。このため治療開始が遅れたり、生命の危機に直面したりもする。 

 

これらの問題は、キャッスルマン病に限らず、多くの希少難病が抱える障壁といえます。そして、このことは私たちが専門書を出版するにあたっても、対象読者が限定的であるという点から、商業出版には不向きなテーマと言わざるを得ませんでした。もちろん、希少疾患や難病に関する専門書が全くゼロというわけではありません。例えばパーキンソン病やALSなどの神経難病に関するものは比較的多く出版されています。これは、その病気の研究・診療の歴史が長く、研究者の数や治療薬・治療法の研究開発が比較的進んでいることと無関係ではありません。言い換えれば、キャッスルマン病はまだ新しい研究分野であるため、研究者、専門医が少なく、研究体制や診療体制が十分には整っていないのです。 

 

・使命1 早期発見・早期治療に向けた非専門医・一般医のためのテキストとして

「あれ? この特徴は、もしかしたら…」とかかりつけ医の先生にいち早く気づいてもらうために、キャッスルマン病について十分な基礎知識を持っていただき、症状から疑われる疾患の一つとして、検査を追加したり即座に専門医療機関に紹介していただくという流れを作る必要があります。そのためのテキストが本書です。 

 

・使命2 疾患の認知・啓発のゲートキーパーとして

また、この病気のこと、そして診療体制や患者会のことなどを広く知っていただくためにも、キャッスルマン病に関する本があることは、非常に意義深いことと言えます。病気のことを知りたい人がインターネットで検索すれば、すぐに本書を見つけることができ、欲しい情報に近づくことができます。本書がこの病気の情報へのアクセスの入り口にもなるのです。専門書ですが、病気のメカニズムや検査・治療法だけでなく、診療体制や患者会の情報なども包括的に得られます。 

 

・使命3 最新研究の大鑑として

医学研究をはじめとする今日の科学の基軸は通常、客観的な審査を経た論文報告によって議論や合意形成がなされる仕組みになっています。医学研究論文の場合、例えば糖尿病やがんなど各々の領域・分野ごとに多くの医学投稿雑誌が存在し、基礎研究、臨床研究、疫学研究、症例、文献解析などの論文スタイルで、膨大な数の論文が毎月のように発表されます。このように多岐にわたる数多くの論文から、自身の研究や診療のための関連文献情報を網羅的に収集するのは大変な時間と労力が必要で、日々の診療に追われる臨床医にとっては大変な作業となります。新しい研究分野であるキャッスルマン病に関する論文掲載数は相対的にまだ多くはなく、情報量が十分とは言えません。その上、一般に新しい研究分野は用語の統一も遅れがちで、検索エンジンでのメカニックなキーワード検索には必ずしも適しませんので、リンクする論文情報自体も得にくいと言えます。だからこそ、いわば散在している研究情報を集約し成書として体系的にまとめることには、一元的に詳しい研究情報を得られるという観点から、非常に意義があります。その研究分野の全体像を掴めたり、知りたいテーマに関する文献情報にたどりついたり、研究の課題やヒントを見つけることの助けにもなりますし、何より最新の研究情報とその評価やトレンドについて一度に知ることができるのです。 

 

 

 

 本書の概要

 

◎ 編 者

吉崎 和幸(よしざき かずゆき)先生

大阪大学名誉教授、大阪大学産業科学研究所特任教授。厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業 「非癌、慢性炎症性リンパ節・骨髄異常を示すキャッスルマン病、TAFRO 症候群 その類縁疾患の診断基準、重症度分類の改正、診断・治療のガイドラインの策定に関する調査研究」班班長(〜2020年) 

 

川上 純(かわかみ あつし)先生

長崎大学大学院医歯薬総合研究科リウマチ・膠原病内科学分野教授。厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「キャッスルマン病、TAFRO症候群、類縁疾患の診療ガイドラインの策定や更なる改良に向けた国際的な総意形成を踏まえた調査研究」班班長(2020年〜) 

 

◎ 仕 様

B5判 本文256頁+カラー図譜12頁 

ソフトカバー単行本

定価 8800円(税込)

発行部数 500部

 

◎ 目次内容と執筆者(敬称略)

第1章 キャッスルマン病

1.キャッスルマン病の疾患概念・・・・川端 浩

2.キャッスルマン病の分類・・・・山口勇太,西田純幸

3.キャッスルマン病の病因・病態・・・・古賀智裕,住吉玲美,川上 純

4.キャッスルマン病の疫学,発生率,統計的事項

 1)全国調査・・・・水木満佐央

 2)定点観測(石川県)・・・・正木康史,川端 浩,川野充弘,岩城憲子,鈴木律朗

5.キャッスルマン病の病理・・・・佐藤康晴

6.キャッスルマン病の臨床像と重症度分類・・・・角田慎一郎

7.キャッスルマン病の検査成績

 1) 血液検査・・・・上田恭典

 2) リンパ節外病変

  ①肺病変・・・・生島壮一郎,松井祥子,山本 洋

  ②皮膚所見・・・・鬼頭昭彦

  ③腎障害,尿所見・・・・蔵島 乾,川野充弘

 3) 多中心性キャッスルマン病のサイトカイン・ケモカイン特性・・・・宇野賀津子

8.キャッスルマン病の診断と鑑別診断・・・・北郡宏次,吉藤 元

9.キャッスルマン病の合併症・・・・角田慎一郎

10.キャッスルマン病の治療・・・・角田慎一郎

11.キャッスルマン病の経過,予後・・・・水谷 実

12.キャッスルマン病の関連疾患

 1) TAFRO症候群・・・・高井和江

 2) IgG4関連疾患・・・・川野充弘,松井祥子

 3) POEMS症候群・・・・中世古知昭

 4) その他の疾患 腫瘍,膠原病・・・・正木康史,黒瀬望,川端浩 

 

第2章   TAFRO症候群

1.TAFRO症候群の定義,概念・・・・青木定夫

2.TAFRO症候群の病因解明に向けて・・・・石垣靖人,中村有香

3.TAFRO症候群の病理 -リンパ節病変- ・・・・黒瀬 望,山田壮亮

4.TAFRO症候群の臨床症状,重症度分類・・・・高井和江

5.TAFRO症候群の検査成績

 1) 血液検査・・・・塚本憲史

 2) リンパ節外病変

  ① TAFRO症候群の病理 -骨髄病変-・・・・黒瀬 望,山田壮亮

  ②胸部病変・・・・山本 洋

  ③皮膚所見・・・・鬼頭昭彦

  ④ TAFRO症候群の腎障害・尿所見・・・・乳原善文

 3) その他,特殊検査,遺伝子,Proteomics,Cytokine・・・・瀬戸口京吾

6.TAFRO症候群の診断・・・・三浦勝浩

7.TAFRO症候群の合併症・・・・小沢陽子,山本 洋

8.TAFRO症候群の治療・・・・小沢陽子,山本 洋

9.TAFRO症候群の経過,予後・・・・小沢陽子,山本 洋 

 

第3章 展 望

1.キャッスルマン病およびTAFRO症候群の病因・病態探索に向けた試み・・・・古賀智裕,住吉玲美,川上 純

2.新規治療法の開発・・・・吉崎和幸

3.本邦のキャッスルマン病の診療体制・・・・矢野真吾

4.国際キャッスルマン病研究組織(CDCN)・・・・井出 眞

5.患者会組織・・・・福島かおり,永見健治 

 

特別寄稿

Chasing My Cure: Lessons learned from my rare illness・・・・David C. Fajgenbaum

 

◎ 表紙イメージと本文レイアウト

表紙

本文

 

 

 

 支援費用の使い道

 

ご支援いただいた資金は、以下の内容で使用いたします。

・印刷費 90万円

・広告制作費・経費 30万円 

 

 

 

 

 キャッスルマン病患者会

 

同じ病気の患者・家族同士なればこそ分かち合える思い。だから、頑張れるし、闘える。患者会は、患者さんやご家族のつながりが難病と闘う心を支えてくれる大切なチーム、なくてはならない存在です。今回のプロジェクトでも、「キャッスルマン病患者会」代表の福島様には原稿執筆などでご協力いただきました。

 

本書の序文でも、「2015年にはキャッスルマン病患者会が設立され、医師・研究者と患者との連携が強められた。この連携が、厚労省稀少難病として本疾患を指定難病承認へと導いたことは特筆に値する。2018年に331番目の指定難病に承認された結果、患者の治療への広がりが急増した。すなわち、アクテムラ®︎は有効であるが生物学的製剤のため高額で、すべての患者に適応することができなかったが、指定難病となったことで医療費の控除が適応され、安心して治療を受けることが可能となった」と述べられていて、患者会の難病指定への貢献度の高さを讃えています。「キャッスルマン病患者会」(http://www.eonet.ne.jp/~castleman/)は187人で構成され(2021年11月現在)、会報や「患者白書」の発行、定期的な会合や講習会を開催して、疾患啓発や医療アクセスの向上に向けて尽力されています。その活動の一端を会からご提供いただいた写真でご紹介します。 

 

患者会キャラクター:キャッスルくん

 

難病指定に向けた厚生労働省への陳情

2017年5月に厚生労働省へ陳情訪問

 

 

定期的な講習会の開催

広島での講習会

 

 

関連学会での啓発

第63回日本リウマチ学会総会・学術集会(2019年)でのブース展示

 

 

 

 編者の思い

 

編者の思いを、本書の序文から抜粋します。少しでも先生方の熱量が皆様に届けばと思います。

 

<序文より抜粋>

  このたび、わが国における本疾患の研究・臨床に携わる先生方のご協力を得て、本成書を上梓することとなった。ご多忙のなか執筆にご尽力いただいた先生方には改めて深甚なる感謝の意を表したい。本成書の発刊によって、キャッスルマン病・TAFRO症候群に関する現時点までの概要を提示することができた。血液専門分野、免疫・膠原病分野、病理専門医等、専門分野の医師・研究者ばかりでなく、本分野以外の先生方にとっても座右の書の一つとして書棚に保管して、研究にまた日常診療に役立てていただければ幸いである。

  本疾患群の本態が悪性腫瘍なのか慢性の炎症性リンパ腫大なのか、まだまだ論点である。とはいえ、世界で初めてサイトカインの異常発現が疾患病態発見の中心であることを示した疾患でもある。さらに単一のサイトカインを阻害する生物学的製剤による治療法を世界に先駆けて提唱し、以後の生物学的製剤開発展開の基本となった疾患群である。本疾患が稀少難病なればこそ、この研究の過程ならびに成果は、多くの慢性炎症性疾患の病因・病態解明に示唆を与えると共に、治療法の開発に対しても多くのヒントを与えるものであることを強調したい。

 

編者 吉崎和幸,川上 純

 

 

 

 SDGsの観点から

 

このプロジェクトに関して、SDGs(持続可能な開発目標)の視点も述べておきたいと思います。

 

17ゴールのうち、最も関連の深いものは、もちろん「目標3[保健]すべての人に健康と福祉を」です。と同時に「目標12[消費・生産]つくる責任、つかう責任」も非常に重要なゴールと捉えています。

 

商業出版物は印刷・製本した図書を書店店頭やネット書店で販売していますが、一般に発行部数(印刷部数)と販売部数(購入冊数)には開きがあります。打ち続く出版不況もあり、1000冊発行しても100冊しか売れない、これは決して極端な例ではありません。1冊でも多く売るために、少しでも多く書店に並べて人々の目に触れやすいようにしても、わずかな期間で大半が返品されてしまいます。逆に言うと、100冊売るために1000冊生産し流通させても結局は900冊が返品されてしまい、その多くがロスとして廃棄処分になってしまうわけです。さらに、発行部数の多さは輸送量の多さに直結し、その輸送に伴うCO2排出量にも影響します。このことは、出版業界が解決していかねばならない重要な課題だと思っています。

 

ですから、今回のプロジェクトの初版発行部数は専門書としても少ない500冊に設定しています。多くの医師にこの病気を知ってもらうためというプロジェクトの目標とは相反する発行部数とお感じになるかもしれませんが、もしそれ以上の注文がくれば、注文数に応じた追加発行(増刷)をすれば済む話です。たくさん売る目的のために結果的にたくさんのロスが生まれるような仕組みは変えていかねばなりません。

 

このことは、「目標13[気候変動]」、「目標14[海洋資源]」、「目標15[陸上資源]」などのゴールにもつながっていくはずです。

 

 

 

 最後に

 

私たちのプロジェクトについて最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

私は医学専門書の編集に携わっておよそ30年になります。この間に手がけた専門書のテーマは、ともすれば、高血圧や糖尿病、認知症など、患者さんの多い病気に関するものに偏りがちでした。それには必然的な理由がありました。SDGsの項でも触れましたが、学術専門書といえども、商業出版である以上、たくさん売れるテーマのほうが企業の収益に貢献するという市場原理です。当たり前のことですが、患者さんの数の多い病気の本ならたくさん売れることを意味します。その一方で、患者さんの数の多い病気に関する専門書は、競合他社との販売競争も熾烈です。歴史ある専門出版社や大手資本の出版社にはとても太刀打ちできません。そんな中でも必死に数字を追い求めて頑張ってきました。

 

ところが、コロナ禍を機に、これまでの出版事業について見つめ直す時間が生まれ、思いを新たにすることとなりました。患者さんの数の多い病気の本は自分たちが作らなくても他の競合出版社が競って出版してくれる、私たちは私たちにしかできない出版をやらなければ意味がない、小さいながらも医学専門書の出版社として貢献できる形があるはずだと。その答えの一つが、今回のような希少難病に関する専門書の出版です。

 

前述した通り、患者さんの数の少ない病気の本は当然ながら対象読者も少なく発行部数も稼げないため、商業出版のテーマには不向きかもしれません。でも、採算性とは別の専門出版の使命があります。それは、大げさに言えば、生命科学と医療の発展への貢献に他なりません。この本がキャッスルマン病という難病にぶつかった医師と患者さんが最初に手に取ってくださる本でありたいと願っています。

 

今回のプロジェクトが成功すれば、その次に取り組みたい希少難病がいくつもあります。それらのテーマにもクラウドファンディングでのご支援を得ながら出版の実現を目指したいと思っています。

 

皆様のご支援を何とぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 追加写真: 研究班と患者会の活動

 

研究班、患者会、ともに活発に活動を続けていらっしゃいます。最近の写真を追加いたします。

 

研究班のwebサイト

 

患者白書2020(患者の実態調査結果をまとめた全95ページの力作)

    

 

医療講演会 2021年1月17日(web開催)の告知チラシ

 

医療講演会2021年8月28日(web開催)の告知チラシとweb開催の模様

 

 

 

プロジェクト実行責任者:
宮定 久男(有限会社フジメディカル出版)
プロジェクト実施完了日:
2022年2月28日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

フジメディカル出版が単行本「キャッスルマン病、TAFRO症候群」を発行します。集まった資金は、その制作費(印刷費や広告制作費)に充てさせていただきます。

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プロフィール

有限会社フジメディカル出版 代表取締役: 1985年関西外国語大学を卒業。前職である医学系出版社を退職後の1998年8月に大阪市北区同心の地で医学系専門出版社 フジメディカル出版を創業しました。 東京女子医科大学医用工学カリキュラム(現バイオメディカルカリキュラム)修了以外には医学のバックグラウンドも全くないまま、経営も素人同然で起業しましたが、幸いにも多くの先生方のご理解・ご指導と多くの取引先のご支援を得て、創業24年を迎えています。

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リターン

3,000


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感謝のメール

●ご支援へのお礼のメールをお送りします。

支援者
47人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年3月

10,000


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感謝のお手紙 + 本書にお名前の掲載

●感謝のお手紙をお送りします
●本書の巻末にお名前を掲載いたします(希望者のみ)
弊社のwebサイト内の本書詳細ページにも、お名前掲載ページを掲示します(期限なし)
*イニシャルやニックネームではなく、お名前の掲載といたします。

支援者
75人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年3月

30,000


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感謝のお手紙 + 本書にお名前とご支援メッセージを掲載

●ご支援への感謝のお手紙をお送りします
●本書の巻末にお名前と、この病気の患者さんと医療従事者へ向けたご支援メッセージ(100字以内)を掲載します(希望者のみ。お名前のみの掲載も可です)
弊社のwebサイト内の本書詳細ページにも、お名前掲載ページを掲示します(期限なし)
*イニシャルやニックネームではなく、お名前の掲載といたします。。

支援者
8人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年3月

50,000


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感謝のお手紙 + 本書にお名前とご支援メッセージを掲載 + 1冊献本

●ご支援への感謝のお手紙をお送りします
●本書の巻末にお名前と、この病気の患者さんと医療従事者へ向けたご支援メッセージ(100字以内)を掲載します(希望者のみ。お名前のみの掲載も可です)
弊社のwebサイト内の本書詳細ページにも、お名前掲載ページを掲示します(期限なし)
*イニシャルやニックネームではなくお名前の掲載といたします。
●本書を1冊お届けします

支援者
17人
在庫数
3
発送完了予定月
2022年3月

100,000


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感謝のお手紙 + 本書にお名前とご支援メッセージを掲載 + 2冊献本

●ご支援への感謝のお手紙をお送りします
●本書の巻末にお名前と、この病気の患者さんと医療従事者へ向けたご支援メッセージ(200字以内)を掲載します(希望者のみ。お名前のみの掲載も可です)
弊社のwebサイト内の本書詳細ページにも、お名前掲載ページを掲示します(期限なし)
*イニシャルやニックネームではなくお名前の掲載といたします。
●本書を2冊お届けします

支援者
1人
在庫数
9
発送完了予定月
2022年3月

プロフィール

有限会社フジメディカル出版 代表取締役: 1985年関西外国語大学を卒業。前職である医学系出版社を退職後の1998年8月に大阪市北区同心の地で医学系専門出版社 フジメディカル出版を創業しました。 東京女子医科大学医用工学カリキュラム(現バイオメディカルカリキュラム)修了以外には医学のバックグラウンドも全くないまま、経営も素人同然で起業しましたが、幸いにも多くの先生方のご理解・ご指導と多くの取引先のご支援を得て、創業24年を迎えています。

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