ランナーの聖地 米国ボウルダーに明日へと生きる力を日本から届けたい

クラウドファンディング開始３日目で、目標の３０％を超えました。皆様のご理解とご協力に心より感謝申し上げます。

 

今回、私たちが「BoulderStrong,Japan」を立ち上げ、日本としてボウルダーを支援したい理由について、「ボウルダーと日本人ランナーとの深い関係性」と題して、ボウルダーのこともお伝えできればと思います。

ボウルダーは高地トレーニングの拠点に最適な街

 

米国コロラド州ボウルダーは、ロッキー山脈の麓に位置する雄大な自然に囲まれた街で、街の中心部の標高は約1,600ｍあり、車で30分ほど移動するだけで標高2,700mまで上ることもできます。

 

 

街の中心部から郊外まで自転車・ランニング（歩行）専用の舗装されたコースが張り巡らされ、街から少し外れた郊外の自然エリアには、至る所にトレイルコース（土の丘陵コース）が整備され、駐車場も完備されています。マラソンやサイクリング競技者の高地トレーニング拠点に最適な街として、世界に広まっていきました。

＜ボウルダー市のWEBサイトに掲載されているトレイル情報＞

 

ボウルダーの街が有する利便性や機能性は非常に高く、世界の様々な国の長距離・マラソン選手が、ボウルダーを生活拠点にしながらトレーニングを積んでいたことからも、街の評価は非常に高いことが伺い知れます。

 

ボウルダーで生活しながらトレーニングすることが世界のトレンドに

 

「アスリートが高地トレーニングの拠点としてボウルダーを利用する」という考えは、ランナーの間で次第にトレンドになっていきました。ビッグネームのランナーたちが、世界の大会で活躍すればするほど、トレーニング拠点としてのボウルダー人気に拍車がかかっていったと言えます。

 

ボウルダーの人気（魅力）は、ランナーの合宿地というより、実は、ボウルダーでの生活そのものにあります。

 

コロラド大学を中心とした緑豊かな街は、低層住宅しか認められず、年間で増築できる家の数も街全体でコントロールされています。一貫した市の政策「自然と融合した街づくり」によって高い水準が保たれていることから、アウトドアスポーツを愛する人々で占められています。住民の心も豊かで「頑張る人を認める・応援する」風土（余裕）があるように感じます。それが市民以外（外国人）であっても同様です。

 

 

治安がとても良く、トレーニング以外の休息時間の過ごし方も、ハイキングやトレッキング、ショッピング、オープンカフェ、開放感のあるレストランでの食事、など選択肢が幅広い。苦しいトレーニングから解放された瞬間から、自然や人々に癒される生活に移行でき、生活そのものを楽しむことができる街なのです。

 

 

日本の長距離マラソンの活躍はボウルダーとの出会いから

 

ボウルダーの素晴らしさは、やがて日本のスポーツ界でも噂となって広まり、日本人ランナーは、１９９０年台前半からボウルダーを利用し始めました。

 

今回、代表発起人を務める早野忠昭がボウルダーにマネジメントオフィスを立ち上げると、日本チームの合宿実施数は急激に増加していき、世界を目指す日本人ランナーの誰もがボウルダーに向かったと言っても過言ではない状況になっていきました。今では数は減ったものの、ボウルダーで合宿する日本チームは多いです。

 

この間、ボウルダーでの高地トレーニング経て、多数のオリンピアンや五輪メダリストが輩出されました。バルセロナとアトランタ五輪の女子マラソンで連続してメダルを獲得した有森裕子（本活動の代表発起人）に始まり、志水美千子（アトランタ五輪・女子５０００ｍ）、高橋尚子（シドニー五輪・金メダル）、野口みずき（アテネ五輪・金メダル）と五輪での日本人の大活躍は続き、日本国内に多くの感動をもたらしました。この活躍の背景には、ボウルダーでのトレーニングが共通して存在しているのです。

 

 

それまで、オリンピックの陸上競技・長距離で日本人がメダルを獲得することは、考えられませんでした。ボウルダーとの出会いによって、日本の長距離・マラソン界は大きな発展を遂げることになったと言えなくないでしょう。

 

そして、ホットな話題として、東京五輪の女子マラソン代表に内定している鈴木亜由子と一山麻緒選手ですが、彼女たちもまた、ボウルダーで高地トレーニングを積んできた選手なのです。

 

発起人たちにとって、今回の事件は他人事ではありません

 

このように、長距離・マラソンにゆかりのある平穏な街が、一瞬にして恐怖と悲しみに包まれることになった銃乱射事件に、ボウルダーをよく知る者は驚き、同時に激しい怒りと深い悲しみを覚えたはずです。誰もが「信じられない」というより、神聖な領域を破壊された心境だったに違いありません。

 

事件が起きたスーパーマーケットは、多くのランナーがトレイルランニングをする際に利用する山の近くにあり、ランナーがよく立ち寄る店です。聖地への入り口と言っても過言ではなく、ランナーやハイカーが利用する店が悲劇の舞台になったことは、各国のアスリートにとって、心を踏みつけられるも同然です。今回の発起人６人の中には、ボウルダーで最も利用したスーパーマーケットだという者もいます。

 

ボウルダーを知る者は、現地のニュースを見るのは辛かったはずですが、一方で、勇気づけられるニュースもありました。ボウルダーの人々は立ち上がり、結束を強め、このような悲劇を二度と起こさないために、犠牲者のことを決して忘れない活動を始めたのです。

 

WE　ARE　BOULDER　STRONG！
ALWAYS　IN　OUR　HEARTS！

 

皆が団結して暴力に屈しない「BOULDERSTRONG」運動が誰ともなく自然と湧き起こったと聞きます。その取り組みの一つとして「RUN 4 Boulder Strong」というチャリティロードレースが開催されました。

 

そのレースに参加していた「ベルリン世界陸上の女子マラソンで銀メダルを獲得した尾崎好美さん」がインタビューを受けています。彼女もまた、かつてはボウルダーで何度も合宿を重ねたアスリートであり、ボウルダーを心から愛している女性です。

インタビューの様子がFacebookに掲載されています
https://www.facebook.com/run4boulderstrong
https://fb.watch/4SjpB2CSQw/

 

日本のアスリートをずっと支え続けてくれたボウルダーという社会と街。その街の市民と犠牲者の家族が危機にさらされているとしたら、今度は、私たち日本が支える番です。

 

BoulderStrong,Japan活動は、過去の五輪や世界陸上での日本人の活躍をもたらしてくれたことに対するボウルダーへの感謝と恩返しの意を示し、今後も若い世代のアスリートがお世話になるであろうボウルダーへの復興支援が目的です。

 

ボウルダーが変わらず素晴らしい街であり続けてもらうために、多くの皆様に、応援とご支援をお願いする次第です。

 

本活動の目的と意義にご賛同をいただき、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

BoulderStrong,Japan 運営事務局