戦没者遺骨収集を追うドキュメンタリー映画『骨を掘る男』へご支援を!

戦没者遺骨収集を追うドキュメンタリー映画『骨を掘る男』へご支援を!

支援総額

4,919,000

目標金額 3,000,000円

支援者
417人
募集終了日
2023年2月28日

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プロジェクト本文

 

目標額達成のお礼と、ネクストゴールについて

 

こんにちは。監督の奥間です。


1月13日から開始したクラウドファンディングは7日目で目標金額の300万円を達成しました。1月19日24時現在、246名の皆さまから306万円のご支援をいただいております。本当にありがとうございます!予想以上に多くのあたたかい応援を寄せていただき、大きな力をいただいています。


新着情報の「クラウドファンディング5日目を終えて」でも書いた通りですが、今回のクラウドファンディングをどのぐらい広く深く、皆さまに届けることができるか予想できませんでした。「目標金額を達成できず全額返金」ということはなんとしても避けたかったため、自分の中でのギリギリを見極めて設定したのが当初の300万円という金額でした。

 

しかし、その目標金額が映画公開までの費用として十分なものかというと、必ずしもそうではありません。クラウドファンディングの期間はまだ1ヶ月以上残っています。そこで、新たにネクストゴール(第二目標)を設定して支援の募集を継続することにしました。


次の目標金額は500万円を目指します。追加の200万円分の主な使途については以下になります。

 

●各種海外映画祭へのエントリー費やプレスキット資料作成費
●完成披露試写会の会場費などの経費
●これまでの制作資金の赤字補填(下記、【監督より】末尾を参照)
●ネクストゴールに係るクラウドファンディング手数料などの諸経費


上記使途については、仮にネクストゴールの金額を達成できなかった場合も自己資金を元に実施はさせていただく予定ですが、充実した映画製作・公開にむけてご支援いただけますと幸いです。

 

すでにご支援いただいた皆さまも、この映画に興味を持っていただけそうな方が周りにいる場合は、お声がけいただけると嬉しいです。


当初の目標を達成によって次の目標に向かって進めること、感謝の気持ちでいっぱいです。

引き続きのお力添えを、どうぞよろしくお願いいたします。


2023年1月20日
奥間勝也

 

 

 

■このプロジェクトについて

沖縄戦の戦没者の遺骨収集をテーマにしたドキュメンタリー映画『骨を掘る男』(日本・フランス・台湾 国際共同製作)の製作資金を募ります。2024年春、全国公開予定です。

 

 

監督より

こんにちは。ドキュメンタリー映画『骨を掘る男』を監督しています奥間勝也と申します。

 

この映画は、沖縄戦で亡くなった戦没者の遺骨収集を40年間にわたって行っている具志堅隆松さんを主人公にしたドキュメンタリーです。住民や兵士が身を隠したガマと呼ばれる洞窟や森などで遺骨収集する作業や、遺骨を探すために遺族と対話する様子、政府や行政へ現状を訴える具志堅さんを追っています。

 

当時の状況を想像しながら周囲を観察して遺骨収集する具志堅さんは、まるで沖縄戦を追体験しながら戦没者と対話するようにも見えます。彼がまだ見ぬ犠牲者とどのように向き合い、遺骨収集の作業をおこなっているのか。それを観客の皆さんそれぞれが感じてもらえるような映画になると思います。

 

 

監督である私自身も沖縄に生まれ育ちました。実は私の大叔母も沖縄戦の戦没者で遺骨はまだ見つかっていません。この映画では監督である私も登場人物となり、具志堅さんと共に遺骨収集の現場に通いながら大叔母の死について考えます。「会ったこともない大叔母をどう弔うのか?」という問いを軸に、戦争体験者から2世代離れた私や現代を生きる人々が戦争の記憶をどのように継承できるか。それを映画のなかでは描きたいと考えています。

 

 

この映画は2019年から撮影がはじまりました。2022年、海外での企画提案会議に参加して評価していただき、現在は日本・フランス・台湾の国際共同製作を行なっています。

 

 

コロナ禍の影響で撮影期間が延長して以来、この映画に自己出資していた制作費は底をつき、もともと予算が足りていない状態でした。その後、国際共同製作が決まり、これからフランスで編集作業などを行うことになっています。それに伴い現地での通訳翻訳費や滞在費などが発生し、昨今の円安の状況下においてさらに費用が増えることが予想されます。

 

皆様の力をお借りして、本作をより良い形で完成させ、日本全国のみならず海外に届けていきたいと考えています。ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 

沖縄の遺骨収集の現状

 

激しい地上戦が行われた沖縄戦では日米の兵士と沖縄の住民あわせて、およそ24万人が戦死しました。身を隠したまま自決したり餓死したり殺されてしまった戦没者の遺骨は、誰にも見つけられることがなく、いまだにその場所で残されたままになっています。自分の親族を亡くした遺族のなかには、戦後77年経ったいまでも遺骨を供養できないことが心残りで、そのような遺骨を探している方が多くいます。

遺族の高齢化が進むなか、日本政府は2016年から2024年まで集中的に遺骨収集を実施する旨を記した「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律」を制定しました。法律制定の目的として「いまだ多くの戦没者の遺骨の収集が行われていないことに鑑み、戦没者の遺骨収集の推進に関し国の責務を明らかにする」と明記され、国が責任を持って遺骨収集を推進することが謳われています。

 

しかし、そのような状況の中で矛盾した出来事が起こります。2020年4月、政府の出先機関である沖縄防衛局は、辺野古新基地建設における海上の埋め立て設計変更申請を沖縄県に提出しました。その中で明記されていたのは、埋め立てのための土砂を沖縄県南部地域から大量に採取する計画でした。激戦地だった沖縄県南部地域にはまだ多くの遺骨が土の下に残されています。実際、具志堅さんが遺骨を見つけていた森が伐採されてしまい、その場所は土砂調達を見越した鉱山開発が予定されています。

映画を作ろうと思った動機と、その後に発見したこと

 

まず40年間も遺骨を掘り続けている人がいるという事実に、私は圧倒されました。戦後生まれの具志堅さんがなぜ戦没者と向き合い続けているのか。その途方もなく終わりもない作業をしている人の不思議さに興味を抱きました。

 

本人と会う前に具志堅さんの著書も読みました。感銘を受けたと同時に、文字で表現するだけでは捉えられない領域がたくさん残されているとも感じました。実際に現場に行って、具志堅さんの掘る様子を見てみたい。そして継続的に撮影することで文字からこぼれ落ちてしまっていた遺骨収集現場の雰囲気と、その場所で時間を過ごす具志堅さんの存在そのものを捉えたい。そのように強く思いました。

 

収集現場でどう立ち振る舞い、動いているのか。現場から何を受け取り、見つけた遺骨から何を感じているのか。その持続した時間、あるいは瞬間を映画に定着させたいと思い撮影を続けています。

 

そして、私の親族に沖縄戦の戦没者がいたこともこの映画を作る大きなきっかけになりました。なぜなら私自身が戦没者の大叔母のことをほとんど何も知らなかったからです。沖縄では沖縄戦のことを学ぶ平和教育が行われてきました。もちろん私も学校の特別授業などで戦争体験者のお話などを聞いた経験があります。当時はそれなりに体験者の話に耳を傾けていたと思いますが、それでも今考えると、この沖縄で戦争が起きたと本当には実感できないまま、その時間が過ぎていったように感じます。

 

具志堅さんと私は世代が離れていても、戦争を直接体験していないという意味では同じです。戦争体験者ではない具志堅さんが、顔も名前も知らない人の骨を探す様子を私が撮影する。そのことで、私が大叔母のことをどう記憶していくかということの手がかりを見つけようと考えたのです。

 

これまで撮影をはじめたきっかけの部分を書いてきました。そして、撮影を3年以上続けてきた今、私は当初自分が持っていた問い以上のものを発見できたように思います。それが何なのか、まだ自分自身でも消化しきれておらずぼんやりしていて、なかなか言葉になりません。あえて表現するならば、「共にあることの責任」とでも、一応は言っておきたいと思います。

 

その詳細については映画本編を見て感じていただければ幸いです。

 

 

ドキュメンタリー映画『骨を掘る男』を製作する理由

 

改めまして、本作に興味・関心を寄せていただきありがとうございます。本映画のプロデュースを行なっております株式会社ムーリンプロダクションです。

 

沖縄県出身のドキュメンタリー作家・奥間勝也は、具志堅隆松さんの取材を2018年より始め、2019年から2023年現在まで撮影を続けています。弊社は2020年からこの映画作品に参加しました。

 

奥間自身の言葉で語っている通り、本作の撮影を開始した動機は「40年間遺骨収集を続けている具志堅さんへの興味」と「自分は戦没者遺族の“当事者”と言えるのか?」という疑問でした。ですから、この映画は非常に個人的な感情を動機にスタートした企画です。しかし、私たちはそれだけに止まらない社会的な側面がこの映画にはあると感じています。

 

それはなぜか?

 

2022年に本土復帰50年を迎えた沖縄では、戦争の記憶を如何に継承していくかという試みにおいて新しい段階に入りました。若い世代に対しては平和教育などで得られる知識に加えて、肌感覚で伝えていく方法が模索されています。

 

その中で、具志堅さんのように地道に遺骨収集を行い、戦没者とひたむきに向き合い続ける姿勢を記録すること自体に、知識を超えて体験することの大切さが映ると思いました。さらに、それを沖縄で生まれ育った監督が、遺骨が見つかっていない自身の大叔母の影を追いながら撮影している。その過程は「戦争を体験していない世代が、如何にして戦争体験を受け取れるのか」という困難な命題へのヒントにもなり得ます。

 

奥間は撮影当初、具志堅さんの地道な活動と、自分を含めた若い世代の戦争への距離感や考え方を主に記録してきました。一方で撮影を進めるうちに、辺野古新基地建設の埋め立て工事に南部土砂を使う計画、それに伴う具志堅さんのハンガーストライキ、沖縄のみならず日本中を巻き込む社会的なイシューとして大々的に報道される事態にも遭遇することになりました。

当事者性や記憶の継承を出発点とした本作は、図らずも現在の日本社会の重要な側面を捉える記録にもなっていきました。

 

もちろん、そうした中で撮影者である奥間とその周囲にも大きな変化が生まれます。戦争の記憶という大きな枠組みだけでなく、「ルーツ」や「家族」「世代的な断絶」など広範な問題提起を含むに至りました。それは沖縄という枠を越え、戦後の日本社会を見つめ直すきっかけにもなるでしょう。そんな期待を込めて奥間監督と共にこの映画を製作しています。

 

 

プロジェクトのスケジュール

 

2023年 1〜6月   編集、仕上げ作業、英語字幕など海外展開の作業

2023年 7月        映画本編の完成

2023年 秋以降    海外映画祭での上映、完成披露試写会の実施

2024年 2月以降  沖縄・東京を皮切りに全国劇場公開

 

劇場公開について

劇場公開は2024年2月以降を予定しています。

沖縄・東京の映画館にて上映をした後、全国各地の劇場での上映を目指します。

 

完成披露試写会について

劇場公開の1ヶ月前を予定しています。

沖縄:那覇市

東京:調整中

 

主な資金使途

  1. 追加撮影費 50万円
  2. 国内のポストプロダクション費 100万円
  3. フランス渡航に関する費用、現地での通訳翻訳費、海外でのローカライズ作業費 100万円
  4. クラウドファンディング諸経費(手数料、リターン発送料など) 50万円

 

現在本作は撮影に関しては90%終了した段階にあります。

 

今回クラウドファンディングを実施した経緯は主にポストプロダクション(編集、音声・色彩の調整、パッケージ化など)という段階の予算を確保するためです。聞き慣れない単語かもしれませんが、撮り続けてきた映像や音声たちを組み合わせ、仕上げて、一つの「映画」に昇華させるために最も重要な作業過程になります。

 

現在フランスとの共同製作が決まっており、一部フランスでの作業も行われます。国内外のその道のプロフェッショナルたちと共作しながら、本作をより完成度の高いものとし、世界中のどの時代の人々が観てもメッセージが伝わるような品質を達成するため、クラウドファンディングを通してみなさまのお力を借りたいです。

 

当初、私たちは沖縄県内の新聞などを通して寄付を呼びかけて資金を集める予定でした。しかし本作のメッセージを踏まえ、より広範な人々に訴えかけることが重要だと考えて、クラウドファンディングでの支援を呼びかけた次第です。もちろん資金を集めることが最重要課題ですが、クラウドファンディングを通じて本作で描かれる様々なテーマに一人でも多くの方に関心を抱いていただければ幸いです。

 

 

監督・製作プロダクション

 

 

 

監督:奥間勝也

沖縄県出身。琉球大学大学院修士課程で文学を学んだ後に上京。 2011年、沖縄を舞台に制作した中編映画『ギフト』がニヨン国際ドキュメンタリー映画祭(Visions du Reel:スイス)など国内外で上映。北インド・ラダック地方で撮影した『ラダック それぞれの物語』は山形国際ドキュメンタリー映画祭2015アジア千波万波部門で奨励賞を受賞。テレビ番組『いま甦る幻の映画「ひろしま」〜受け継がれていく映画人の想い〜』では第32回ATP最優秀新人賞を受賞した。    

 

 

 

株式会社ムーリンプロダクション

沖縄と台湾を拠点に活動する映画製作プロダクション。国境を跨ぐ日本と台湾の二つの法人体制で映画製作・企画制作・配給宣伝・イベント企画などを行なっている。製作作品に『緑の牢獄』『海の彼方』。配給作品に『サハラのカフェのマリカ』『犬は歌わない』『ばちらぬん』『ヨナグニ~旅立ちの島』など。  公式HP:http://moolin-production.co.jp/

 

 

 

応援メッセージ(順不同)

 

|具志堅隆松(本作主人公)

戦没者遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表

 

ある日、私を訪ねてきて「映画を撮りたいです」と言われたのが監督の奥間さんとの最初の出会いでした。それから約4年、ひっつき虫のように私の周りで撮影をしています。沖縄県内外、さらには海外まで熱心についてきます。映像で自分自身を見るのは恥ずかしくて今だに好きになれませんが、奥間さんが撮影したものが映画となって公開されることで、戦没者遺族の思いや、遺骨収集の実情を知らせる手段のひとつになることを期待しています。

 

しかし、長期にわたって撮影・編集するドキュメンタリー映画は多くの金銭的な困難があるようです。映画が無事完成するためには皆さんの応援が必要です。ご支援どうぞよろしくお願いいたします。

 

|三上智恵

映画監督/ジャーナリスト 『沖縄スパイ戦史』『標的の村』

 

「あの人は偉いよ。沖縄の神さまだよ」。沖縄戦戦没者の名前を刻む平和の礎の前で、ある遺族は私にそう言った。「その具志堅さんはずっと、そこのテントでハンストをやっていますね?」「だから。涙が出ますよ。ありがとう、と声を掛けたい」 

 

「沖縄の神さま」と沖縄県民に絶大な信頼を得ている具志堅隆松さん。今も3000柱は未回収という遺骨の発掘を続ける。そんな骨が混在する激戦地の土を辺野古の基地建設に使うと聞いて、具志堅さんは矢も楯もたまらず声を上げ座り込んだ。相手が国でも沖縄県でも容赦はない。暗いガマの中で戦没者の声を聴いてきた人間として、彼らと遺族に代わり今、慣れない市民運動の先頭に立つ。 

 

実は私も、彼が共同代表の「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」の運営委員になり具志堅さんを応援しているつもりだ。なぜ監督なのに作品で彼を支えないのか?それは、沖縄出身の新鋭映像作家の奥間勝也さんが、ずっと具志堅さんにカメラを向けてきたその仕事に絶大な期待を寄せているから。奥間さんの作品は、自身のファミリーヒストリーと交差しながら、沖縄に根ざした二人でなければ到達できない地平を見せてくれるだろう。具志堅さんを追ったドキュメンタリーはすでに数多くあるが、国境を越え、後世に残せる「映画」という枠組みの中で、具志堅さんと、彼の手に救い上げられる瞬間を待ち望んでいる骨たちの物語が、奥間監督の緻密なカメラワークでどう表現されていくのか、今からワクワクして待っている。

 

|崎山多美

沖縄の文化・思想雑誌『越境広場』編集委員/小説家 

 

「ガマフヤー具志堅隆松」さんは、沖縄だけでなくいまや世界に聞こえるお名前である。けれど、24万人という死者をだした沖縄戦の犠牲者の、いまだに埋もれたままの遺骨収集を40年にわたってつづける具志堅さんの驚異的な行為を理解するのは、かんたんではない。かるがるしく分かったふりをしてもいけない。理不尽に戦争に追い込まれ命を落としたひとびとの「魂のカタチ」ともいうべき遺骨には、無念、悲しみ、遺族への想いがこめられているはず。ガマに埋もれた骨の声を聴きとる具志堅さんの手と目と耳に、その声は宿る。その過程を、自己の血縁者の骨に重ねる若き映画監督の映像は、犠牲者の無念を身体感覚としてわたしたちに届けてくれるだろう。 戦後77年、世界に戦争の火の粉は上がりつづけ、沖縄で起こっているのは、自然を破壊し強行される、「防衛」という名の戦争準備事態たる「新基地建設」である。現場での抵抗運動が疲弊と焦燥感を増すなか、このドキュメンタリー映画の完成は、「戦争」を忌む心を世界のひとびとにつたえてくれる「平和の武器」となるにちがいない。その実現のため、みなさまのご支援を心からお願いいたします。

 

|元山仁士郎

「辺野古」県民投票の会元代表/一橋大学大学院法学研究科博士課程 

 

沖縄戦体験者の平均年齢は、現在、85歳以上とされている。もし「戦争体験者」がいなくなってしまったら、私たちはどのように「沖縄戦」ないし「戦争」というものに触れることができるのだろうか。無論、94歳になる私の祖母も含め、戦争体験者の方々には長生きしてほしいが、いつか必ず、その時はやってきてしまう。

 

「戦争」に触れるの一つ取り組みとして、遺骨収集があるだろう。遺族と対話し、住民や兵士が身を隠したガマと呼ばれる洞窟や森などで遺骨を掘りつつ、政府や行政へその現状や支援の必要性を訴える。これらの取り組みを40年間にわたって行っているのが、本作の主人公である具志堅隆松さんだ。そして、彼を追う奥間勝也監督も、大叔母を沖縄戦で亡くした、遺族の一人である。

 

昨今、日本政府によって「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有や、米国からの武器購入(防衛費増額)にともなう増税という方針も出される中、一部の政治家や論客、メディアによって、威勢よく聞こえる物言いとともに、きな臭い雰囲気が醸成されているように感じる。そして、沖縄は、またも最前線に立たされようとしている。 私は、具志堅さんや奥間監督を通じ、改めて「沖縄戦」・「戦争」というものを学び直したいと思う。そして、「沖縄戦」・「戦争」とは何か、私たちは何を目指し、どのような選択をすべきな のかを語り合いたい。

 

本作は、4年にもおよぶ密着取材の労作であり、日本・フランス・台湾の国際共同製作ともなっている。日本中・アジア・世界中、多くの方々にみてもらうために、温かい支援をお願いしたい。

 

|松林要樹

映画監督 『オキナワ サントス』『祭の馬』 

 

かっちゃん(奥間勝也さん)から具志堅隆松さんを撮り始めていると聞いて、手伝いに駆り出されたのは2021年の春先だった。ドローンをもっていくたびに決まって明確な撮影の狙いを指示される。「あまりカメラを動かさないでほしい」と。かっちゃんは落ち着いた画が欲しいのだと分かった。

 

糸満の米須の採掘現場を空撮。人から頼まれない限り、沖縄本島南部の採掘現場近郊の海岸で撮影をすることはない。土建業者の採掘現場をフレームいっぱいに入れ、水平線までパンすると海岸線一帯が見える。採掘現場一帯が、かつて沖縄戦の最終地だったということを想起させるには海が美しすぎた。落ち着いた画が撮れた気がした。かっちゃんによれば、ほぼ撮り終えて、あとはポスプロを控えている。どうにか完成した作品を早く見たいものだ。

 

|新城郁夫

琉球大学教授 近現代沖縄文学・日本文学/ポストコロニアル研究

 

監督の奥間勝也さんと初めて会ったのは二十年ほど前のことである。彼は琉球大学の文学専攻の学生であり、私は教員だった。大江健三郎の小説についての卒論のアプローチが新鮮だった。場面の構図や視点の変化に興味をもっている彼が、さらに研究したいとの希望をもって大学院に進むのは当然のように感じていた。そして、その彼が修士論文テーマとして大島渚監督の映画『絞死刑』を選んだのは、なおさら当然の成り行きと感じられた。それが優れた論となっていたことは言うまでもない。この時点ですでに、奥間さんは、作家の眼をもっていた。

 

奥間さんは、沖縄という場で埋もれていこうとする記憶を問い、人と人とが偶然の関係を生じさせていくさまを丹念に追う。その追い方において、奥間さんはいつのまにか、ガマフヤーこと具志堅隆松さんと重なっていったに違いない。たまたま、デモや集会の場で、具志堅さんを撮影している奥間さんを見かけたことがあるが、なんというか影の形が似ているのである。骨に呼びかけられるようにして土を掘っている具志堅さんにこそ奥間さんは呼びかけられ、その姿に、自身に関わる未知の記憶のありかを探しているようにも見える。

 

おそらくは、今度の映画のなかで、他者の記憶に呼びかけられた二つの影が、地に伏し、土地土地をめぐって、まだ誰もふれたことのない冷たい土のうえに現われ消えていくだろう。その映画にふれることで、私もまた、ひそかに自ら記憶を掘りおこしていくことができたらと思っている。

※随時、追加予定です

 

 

最後に

 

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。

 

「戦没者遺骨収集」という言葉には重い響きがあります。沖縄県の地面の下には、武器、爆弾、そして戦没者の遺骨が無数に眠っています。その骨は沖縄の人間、日本本土からやって来た人間、植民地からやって来た人間、そしてアメリカからやって来た人間、どんな骨でも同じように埋まっています。遺骨は道路工事や建設工事など街の中から見つかることも多々ありますし、その事実は生活の延長線上にまだ戦争の痕跡が残っているという証左でもあります。

 

一方で、その戦争から40年、50年以上後に生まれた世代にとって「地面の下には骨や戦争の遺物が埋まっている」という事実は、頭ではわかっているつもりでも、意識的に思い返そうとしなければすぐに忘れ去られてしまいます。死者がどんな人々で、自分とどんな関わりがあったはずなのか。日々の生活の中でそこまで想いを馳せる余裕もないのも一つの事実です。

 

しかし、だからこそ私のような者がこの映画を撮る意味があるのだと思っています。

 

つまり、沖縄で生まれ育ち、戦争体験者から世代の離れた、映像を生業とする私が、具志堅さんの遺骨収集作業を見つめることで沖縄戦と出会い直す。そのようにして出来上がった映画を皆さんに見てもらうことで、かつてあった戦争や、今も世界で続いている戦争について、今一度共に考える契機となればと思っています。

 

ご支援ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

2023年1月4日

奥間勝也

 

プロジェクト実行責任者:
株式会社ムーリンプロダクション
プロジェクト実施完了日:
2024年1月31日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

主に映画のポストプロダクションに使用します。 追加撮影費:50万円 音楽、整音、色などの仕上げ編集費:100万円 海外展開費用(フランス渡航費や字幕、通訳翻訳など):100万円 クラウドファンディング諸経費(手数料、リターン発送料など) 50万円

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リターン

3,000+システム利用料


お気持ち支援

お気持ち支援

・お礼メール

支援者
78人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

5,000+システム利用料


映画の完成を見守りながら支援

映画の完成を見守りながら支援

・お礼メール 
・最新の制作状況をご報告

支援者
89人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

10,000+システム利用料


全国共通鑑賞券&パンフレット

全国共通鑑賞券&パンフレット

・お礼メール 
・最新の制作状況をご報告
・全国共通鑑賞券1枚
・公式パンフレット1部

※全国共通鑑賞券は劇場封切り後から1年半以内を有効期限としています。

支援者
107人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

10,000+システム利用料


純粋応援コース 10,000円

純粋応援コース 10,000円

※ご支援金額のすべてを製作費に充てさせていただきます
・お礼メール 
・最新の制作状況をご報告

支援者
78人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

10,000+システム利用料


【限定30名】沖縄ヒップホップコラボ支援

【限定30名】沖縄ヒップホップコラボ支援

・お礼メール
・最新の制作状況をご報告
・奥間監督&Ritto(ラッパー)コラボ短編ドキュメンタリー映画『ウチナー音タイム』(42分)期間限定の配信視聴券

※映像の配信視聴券の期間は、クラウドファンディング終了後から2023年9月までを予定しています。

支援者
12人
在庫数
18
発送完了予定月
2024年1月

15,000+システム利用料


【『骨を掘る男』鑑賞券付き】沖縄ヒップホップコラボ支援

【『骨を掘る男』鑑賞券付き】沖縄ヒップホップコラボ支援

・お礼メール
・最新の制作状況をご報告
・全国共通鑑賞券1枚
・奥間監督&Ritto(ラッパー)コラボ短編ドキュメンタリー映画『ウチナー音タイム』(42分)期間限定の配信視聴券

※全国共通鑑賞券は劇場封切り後から1年半以内を有効期限としています。
※映像の配信視聴券の期間は、クラウドファンディング終了後から2023年9月までを予定しています。

支援者
14人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

30,000+システム利用料


完成披露試写会ご招待&監督過去作限定視聴リンク&サイン入りパンフレット

完成披露試写会ご招待&監督過去作限定視聴リンク&サイン入りパンフレット

・お礼メール
・最新の制作状況をご報告
・全国共通鑑賞券2枚
・監督サイン入り公式パンフレット1部
・完成披露試写会にご招待
・監督過去作品『ラダック それぞれの物語』期間限定の配信視聴権

※全国共通鑑賞券は劇場封切り後から1年半以内を有効期限としています。
※完成披露試写会の具体的な日時は未定ですが、2024年1月~2月頃を予定しています。日程が決まり次第、メールにてご連絡させていただきます。
※映像の配信視聴券の期間は、クラウドファンディング終了後から2023年9月までを予定しています。

支援者
20人
在庫数
30
発送完了予定月
2024年1月

30,000+システム利用料


純粋応援コース 30,000円

純粋応援コース 30,000円

※ご支援金額のすべてを製作費に充てさせていただきます
・お礼メール 
・最新の制作状況をご報告

支援者
13人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

50,000+システム利用料


エンドクレジットにお名前掲載&監督過去作2つ限定視聴リンク

エンドクレジットにお名前掲載&監督過去作2つ限定視聴リンク

・お礼メール
・最新の制作状況をご報告
・全国共通鑑賞券3枚
・監督サイン入り公式パンフレット3部
・完成披露試写会にご招待
・監督過去作品『ラダック それぞれの物語』期間限定の配信視聴権
・監督過去作品『ギフト』期間限定の配信視聴権
・エンドクレジットにお名前掲載(希望者のみ/1名)

※全国共通鑑賞券は劇場封切り後から1年半以内を有効期限としています。
※完成披露試写会の具体的な日時は未定ですが、2024年1~2月頃を予定しています。日程が決まり次第、メールにてご連絡させていただきます。
※映像の配信視聴券の期間は、クラウドファンディング終了後から2023年9月までを予定しています

支援者
5人
在庫数
25
発送完了予定月
2024年1月

50,000+システム利用料


純粋応援コース 50,000円

純粋応援コース 50,000円

※ご支援金額のすべてを製作費に充てさせていただきます
・お礼メール 
・最新の制作状況をご報告

支援者
2人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

100,000+システム利用料


【限定20名】『骨を掘る男』自主上映権

【限定20名】『骨を掘る男』自主上映権

・お礼メール
・最新の制作状況をご報告
・全国共通鑑賞券3枚
・監督サイン入り公式パンフレット3部
・完成披露試写会にご招待
・『骨を掘る男』自主上映権

※全国共通鑑賞券は劇場封切り後から1年半以内を有効期限としています。
※自主上映権は劇場公開後の2024年夏以降を予定。時期、観客人数など応相談。

支援者
1人
在庫数
19
発送完了予定月
2024年1月

100,000+システム利用料


【限定10名】 映画本編に入らなかったシーンも含めた特別編集版映像

【限定10名】 映画本編に入らなかったシーンも含めた特別編集版映像

・お礼メール
・最新の制作状況をご報告
・全国共通鑑賞券3枚
・監督サイン入り公式パンフレット
・完成披露試写会にご招待
・監督過去作品『ラダック それぞれの物語』期間限定の配信視聴権
・監督過去作品『ギフト』期間限定の配信視聴権
・エンドクレジットにお名前掲載(希望者のみ/1名)
・コレクター限定 映画本編に入らなかったシーンも含めた特別編集版映像DVD(30分程度を予定)

※全国共通鑑賞券は劇場封切り後から1年半以内を有効期限としています。
※完成披露試写会の具体的な日時は未定ですが、2024年1月~2月頃を予定しています。日程が決まり次第、メールにてご連絡させていただきます。
※映像の配信視聴券の期間は、クラウドファンディング終了後から2023年9月までを予定しています。

支援者
2人
在庫数
8
発送完了予定月
2024年1月

100,000+システム利用料


純粋応援コース 100,000円

純粋応援コース 100,000円

※ご支援金額のすべてを製作費に充てさせていただきます
・お礼メール 
・最新の制作状況をご報告

支援者
2人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

150,000+システム利用料


【限定10名】具志堅隆松さんor監督トーク付き『骨を掘る男』自主上映権

【限定10名】具志堅隆松さんor監督トーク付き『骨を掘る男』自主上映権

・お礼メール
・最新の制作状況をご報告
・全国共通鑑賞券3枚
・監督サイン入り公式パンフレット3部
・完成披露試写会にご招待
・具志堅隆松さんor監督トーク付き『骨を掘る男』自主上映権

※全国共通鑑賞券は劇場封切り後から1年半以内を有効期限としています。
※自主上映権は劇場公開後の2024年夏以降を予定。時期、観客人数など応相談。具志堅さん[居住地:沖縄]や監督[居住地:東京・沖縄]の会場までの旅費交通費は別途ご負担お願いします。

支援者
0人
在庫数
10
発送完了予定月
2024年1月

200,000+システム利用料


【限定5名】具志堅隆松さん&監督トーク付き『骨を掘る男』自主上映権

【限定5名】具志堅隆松さん&監督トーク付き『骨を掘る男』自主上映権

・お礼メール
・最新の制作状況をご報告
・全国共通鑑賞券3枚
・監督サイン入り公式パンフレット3部
・完成披露試写会にご招待
・具志堅隆松さん&監督トーク付き『骨を掘る男』自主上映権

※全国共通鑑賞券は劇場封切り後から1年半以内を有効期限としています。
※自主上映権は劇場公開後の2024年夏以降を予定。時期、観客人数など応相談。具志堅さん[居住地:沖縄]や監督[居住地:東京・沖縄]の会場までの旅費交通費は別途ご負担お願いします。

支援者
1人
在庫数
4
発送完了予定月
2024年1月

200,000+システム利用料


純粋応援コース 200,000円

純粋応援コース 200,000円

※ご支援金額のすべてを製作費に充てさせていただきます
・お礼メール 
・最新の制作状況をご報告

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

300,000+システム利用料


【限定5名】 「協力プロデューサー」でエンドクレジットにお名前掲載&映画本編に入らなかったシーンも含めた特別編集版映像

【限定5名】 「協力プロデューサー」でエンドクレジットにお名前掲載&映画本編に入らなかったシーンも含めた特別編集版映像

・お礼メール
・最新の制作状況をご報告
・全国共通鑑賞券3枚
・監督サイン入り公式パンフレット3部
・完成披露試写会にご招待
・監督過去作品『ラダック それぞれの物語』期間限定の配信視聴権
・監督過去作品『ギフト』期間限定の配信視聴権
・協力プロデューサーとしてエンドクレジットにお名前掲載(希望者のみ/1名or1団体)
・コレクター限定 映画本編に入らなかったシーンも含めた特別編集版映像DVD(30分程度を予定)

※全国共通鑑賞券は劇場封切り後から1年半以内を有効期限としています。
※完成披露試写会の具体的な日時は未定ですが、2024年1月~2月頃を予定しています。日程が決まり次第、メールにてご連絡させていただきます。
※映像の配信視聴券の期間は、クラウドファンディング終了後から2023年9月までを予定しています。

支援者
0人
在庫数
5
発送完了予定月
2024年1月

300,000+システム利用料


純粋応援コース 300,000円

純粋応援コース 300,000円

※ご支援金額のすべてを製作費に充てさせていただきます
・お礼メール 
・最新の制作状況をご報告

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年1月

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