プロジェクト終了のご報告
「浅海底の戦争遺跡 USSエモンズ伝承プロジェクト」へは、サポーターとなってご支援くださいました方々をはじめ、本当に多くの方にプロジェクトを応援していただきました。これまでの多大なご支援に対して、研究グループ一同、感謝の念に堪えません。ここに改めて御礼申し上げます。
2019年6月に立ち上げました、このクラウドファンディング「浅海底の戦争遺跡 USSエモンズ伝承プロジェクト」。
海底という厳しい環境の中で奇跡的に当時の姿を残しているこの戦跡水中文化遺産について、私たち研究グループは最先端技術で遺跡を可視化し、それを基に史実を紐解く研究を進めるうちに、この研究成果を『研究者たちの手の内に留めていてはならない。広く語り継ぐことが大切だ。』と考えてきました。海底に眠る戦跡水中文化遺産は、一般の方々の目に触れる機会はほとんどありません。そこで、クラウドファンディングという形でみなさんからご支援をいただいて一般の方々向けの講演会とパネル展を行うことで、研究成果を広く世の中に知らせるすることにいたしました。
【活動報告】
講演会は当初、クラウドファンディング開始から一年後の2020年6月頃に開催する予定でしたが、コロナ禍にあって二度の延期を経ることとなりました。
しかし、この延期の間にプロジェクトは広がりをみせ、今年、筑前町立大刀洗平和記念館、知覧特攻平和会館、沖縄県立埋蔵文化財センターとの合同企画展へと発展しました。またNHKには、潜水取材や研究室での収録などを重ねて特別番組を製作、放送していただきました(BS1スペシャル「特攻 知られざる真実」初回2021年8月15日放送)。新聞各紙には、地方版も含めて複数回、記事にしていただきました。
また活動の認知が広がったことで、特攻隊員のご遺族やご関係者の方々から直接ご連絡をいただくということもありました。大刀洗平和記念館や知覧特攻平和会館のお力添えで、特攻隊員の方々に関する新たな事実や、今後の平和教育へのご協力の機会を得ることができました。副次的なことではありますが、これも次世代へ戦争や平和を語り継ぐことを目的とした本プロジェクトの成果のひとつのように感じています。
そしてようやく、今年の11月~12月に当センター主催の講演会とパネル展の開催が叶いました。11月23日に沖縄で、29日に福岡での講演会を終え、九州大学中央図書館で開催しておりましたパネル展も12月19日に無事に終了いたしました。
講演会では、感染症対策で参加者数を制限せざるを得ない状況下で、参加者された方から熱心なご質問やご感想をいただくなど、私たち研究グループにとっても今後の研究活動への大変な励みとなりました。
またパネル展については、当初は感染症対策のため入館制限があり広く周知しておりませんでしたが、そんな中でも学外から多くの方に足をお運びいただきました。九州大学の学生が足を止めて見入る姿も多く見られ、戦争の悲惨さや平和の大切さを後世に伝えるという、現代を生きる私たちに課せられているとも言える責務をここでも少し果たすことができたように感じております。
【収支報告】
●収 入
ご寄附合計 1,155,000円
●支 出
講演者等旅費 499,257円
講演会会場費 200,300円
広報用ポスター、チラシ作成費用 210,583円
Readyforシステム利用手数料 187,110円(ご寄附合計の15%+消費税)
九州大学事務局管理費 57,750円(ご寄附合計の5%)
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合計 1,155,000円
【リターンの発送状況】
寄付金受領証明は10月に発送いたしました。
お礼のメールは12月にお送りし、PCの壁紙(海底に沈むUSSエモンズ)ご希望の方へは壁紙データを添えてお送りしました。
講演会開催情報を、一般の方より優先してご案内しました。
講演会会場でお名前掲載ご希望の方については、沖縄会場・福岡会場の両会場でタイトルバックにてお名前をご紹介させていただきました。
【今後の活動について】
今後も研究成果の進捗や講演活動など何かお知らせがございましたら、こちらのReadyforページや九州大学浅海底フロンティア研究センターのホームページ等を通じてお伝えして参りたいと存じます。
世界的な感染症の流行など心配事の尽きぬ毎日ではございますが、みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。
2022年1月
九州大学浅海底フロンティア研究センター 菅 浩伸