鳥インフルエンザのオジロワシが完治しました

今月、高病原性鳥インフルエンザウィルスに感染した状態で発見され、釧路湿原野生生物保護センターの陰圧隔離室内で投薬治療を続けてきたオジロワシの幼鳥が完治し、一般病棟に移すことができた。この研究治療は北海道大学微生物学教室、塩野義製薬（株）、国立環境研究所の多大なる協力を得て、環境省釧路自然環境事務所による事業の一環として行われた。個体の状態は極めて良好で、屋外ケージの中で軽やかに飛翔できている。野生復帰を目指し、引き続きリハビリテーションを行う予定だ。

猛禽類医学研究所では一羽でも多くの命を救うため、様々な先進治療を試みています。希少種の治療は環境省事業の一環として行われているものの、高度な先進医療に関わる治療費や高額な医療機器が十分支給されているわけではありません。赤字を覚悟して独自に揃えてきた医療機器の更新や拡充には毎年多大な費用がかかります。また、事故の後遺症で野生に帰れないオオワシやオジロワシ35羽を環境省事業と切り離して独自に養っていることから、その餌代や飼育管理費も膨大になっています。一羽でも多くの命を救うため、私たちは引き続き最前線で頑張ろうと思っています。皆様方のお力添えを戴けましたらとてもありがたく、また心強く思います！