こんにちは、NPO高卒支援会でインターンをしている林です。
今日は代表の杉浦に代わりまして、当会でサポートした生徒の体験談を紹介させてください。

 

今回紹介するのは、埼玉県に住んでいたある男子生徒。不祥事を起こして退学勧告を受けるも、気持ちを入れ替え都立高校転校を目指した生徒の話です。
問題を起こしてしまうことはよくありませんが、その生徒が問題を起こさないよう指導することも社会に求められることでしょう。都立高校の転校制度は、そんな彼にもチャンスを与える数少ないものです。

 

高校中退の現場はなかなか理解しにくいものかと思います。ぜひ、彼の体験談を読んでみてください。

 

 

 

彼が入学したのは、偏差値が50代半ばのある埼玉県の私立高校。進学理由は、野球部で活躍したかったから。野球少年だった彼は、県でも中堅クラスで設備が整ったこの学校を選びました。

 

スポーツで有名な学校だったこともあり、規則に厳格であったそうですが、野球部での活動は楽しいものだったようです。しかし、高校1年の6月半ばに退学勧告を受けます。理由とされたのは、いじめや教師への暴言。他人にけがをさせるなどの暴力行為はなかったものの、いじめの加害者として退学を突き付けられます。

 

「家でどうするか考えてこい」と言われ、退学まで数日の猶予を受けます。学校の先生に相談するも何も紹介してもらえなかったこともあり、それから彼の両親は懸命になって彼の行先を探しました。
埼玉県の教育委員会に連絡するも、「いじめの加害者はとらない」と言われ県立高校は断念。他にも埼玉県の通信制高校に連絡をとるも、1校はいじめを理由に、もう1校は時期外れだと断られました。父親は3,4日仕事を休み、食事もほとんど食べずに調べ続け、電話を何度もかけたそうです。

 

そうしてやっと、当会を見つけ相談に来ました。都立高校の転校制度はそれまで全く知らなかったそうです。しかしまた野球をやらせたいこと、兄弟が他にいるため金銭的に大きな負担は抱えられないこと、から学年を落とさず夏に都立に転校することを選びます。都立高校は、事情に関わらず受験資格を得ることができるのです。

 

「母親をほっとさせたかった。」本人は当時を振り返りこう言います。反省しきりで元気を失っていた彼でしたが、すぐ翌日から気持ちを改め受験勉強をスタートさせました。

 

私たちから見て、彼はとても勉強熱心な生徒でした。わからないところはすぐ質問にきて、家でも勉強してくる真面目なやつです。野球部だったこともあり、大変礼儀正しく最初は驚いたくらいです。「俺が~」とか話すのではなくて、「自分は…です。」って話すくらいなんですよ。

 

活発な生徒で、昼休みに公園へキャッチボールに行きすぐ友達もでき、人と話すのが好きなやつです。不器用なところもありますが、すぐに当会の生徒たちにも馴染みました。

 

都立高校の全日制の転校試験は8月に2日程。彼は前期日程の試験で中堅レベルの学校を受けます。挨拶をしっかりする学校の雰囲気に魅力を感じ、学力や通いやすさも考慮した上で決めました。そして熱心に勉強した末、見事合格をしました。

 

そんな彼、転校後は、「部活に入れるなら、野球を続けたい。将来やりたいことは見つかっていないから、これからのことをしっかり考えたい。」と言います。未来を見据え直して、こうして当会を巣立っていきました。

 

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悪いことをしてしまったことは反省すべきですが、その生徒をしっかり教育して立ち直らせなければ、それこそ問題は拡大してしまうでしょう。反省して、もう一度やり直したい。そう願う生徒にも教育を届けられる都立高校の制度は、非常に価値あるものです。

 

しかしこのケースでも、両親は都立の転校制度は全く知らず、当会で相談を受け転校を決断しました。また当会にたどり着くまでも、両親が必死になって数日調べた経緯がありました。このように立ち直る生徒を増やすべく、当会はNPOとして当事者に確実に呼びかけていかなければいけません。

 

募集終了まであと12日となりました。ご協力、どうか宜しくお願いいたします!

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