おまじない

この写真は、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の感染者がラオスで初めて報告された翌日の朝、私の隣人が玄関に掲げた「おまじない」です。悪いものが入ってこないようにということのようです。こうしたおまじないを掲げている家が、他にもたくさんありました。

病気になった時、このようなおまじないや、祈祷師にお願いすることはラオスではよくあります。その経緯には文化、信心、歴史など色々なことが関わっているのだろうと思いますが、その一つには、医療が身近にないということがあるのではないかと思います。

病気にかかった時に医療（ここでは西洋の医療という意味で）がなければ、その代替えに何かをしようとするのは当然かなと思います。例えば、感染症のようなものだと、目に見えないものが悪さをして次々に病気になってしまうのですから、いかにも何かに取り憑かれたような感じがしますよね。

もしCOVID-19がラオス国内で蔓延してしまった場合、マスクはもちろん、手を洗う水すらない地域はたくさんあります。最寄りの医療機関まで歩いて2時間、たどり着いても十分な医療機器もない、スタッフもいない、支払うお金もないとなれば、おまじないや祈祷師にお願いするしかないですね。

ラオ・フレンズ小児病院では、こうした遠い医療を少しでも近づけたいと思っています。これからの新着で、こうした「遠い医療を近づける」試みも少しずつご紹介していきたいと思います。地道でとっても地味な活動かもしれません。でも、まさに不急かもしれないけど、不要ではない活動なのです。