プロジェクト終了報告
この度は『副作用の少ない癌治療を、ミトコンドリアに薬を運ぶ技術開発で!』のためのクラウドファンディングにご支援を頂き、誠にありがとうございました。2020年3月2日から5月31日までの3か月間にて、459名の皆様により、当初目標額を大幅に上回る10,119,000円のご支援を頂きました。支援募集が終了し、1年以上が経過いたしました。
本研究活動に携わるメンバー一同が、『頂いたご支援を必ず成果にかえたい』という強い“おもい”を胸に、2020年6月から「副作用の少ない癌治療を、ミトコンドリアに薬を運ぶ技術開発で!」の実現を目指す研究の準備に着手しました。北海道大学での研究活動は、「新型コロナウイルス感染症」に対して万全な感染防止策を取った上で、細胞・動物の研究を精力的に進めました。また、「新型コロナウイルス感染症」の影響で、湘南アイパークでの研究活動は9月からにずれ込むことになりましたが、ようやく皆様へ報告できる状況までたどり着きました。
(湘南アイパークにて、アイパークの皆様と)
《アイパークからのコメント》
アイパーククラウドファンディングの第1号、パイオニアとしてまさに一緒に道を切り開いてくださり、ありがとうございました。
患者さんからの1本のメールを原点に、先生がずっと育ててこられた「必ず患者さんに薬を届ける」という熱い思い、そして何事にもチャレンジされる挑戦心に、支援者の皆様も共感を寄せてくださったのだと思います。
山田先生と支援者の皆様の思いがつまったお金と時間を、研究成果の形で患者さんに届けていただくために、これからも伴走させていただきたいと思います。
【実施内容報告】
・ミトコンドリアを標的とした癌光治療の実証 【モデル動物実験】
人に近いがん細胞を持たせた「担癌マウス」を利用して、ナノカプセルを活用した光癌治療の実験を行いました。その結果、担癌マウスの癌の生育を大幅に遅延させることが可能である事を確認しました。こちらの成果は論文投稿中です。
・高精度かつ迅速なナノカプセルの改良 【ナノ医薬品創製を見据えて】
ナノカプセルを医薬品へと発展させるためには、大量かつ高品質にカプセルを調製する必要があります。私たちは、新規デバイス(ナノカプセルを作成するためのミクロサイズの装置)を活用してナノカプセルの改良に成功しました。こちらの成果は論文投稿準備です。
・ナノカプセルの毒性試験 【安全性の確保】
ナノカプセルの安全性を確保するため、モデル動物に投与し血液検査を指標に安全性を評価しました。また、ナノカプセルに変異原性(遺伝子に傷をつける)がないことを確認するための試験も実施中です。
【収支報告】(2020年6月~2021年6月)
ご支援いただいた総額 1,0119,000円
《用途》
・READYFOR手数料 1,755,850 円
・アイパーク支援費 505,950 円
・ナノカプセル製作費 2,145,317円
・顕微鏡画像解析装置 2,806,500円
・毒性試験 876,516円
・細胞・実験用マウス購入費 1,074,900円
・消耗品 344,537円
・北海道大学事務運営費 394,641円
合計 9,904,211円
残り 214,789円は、7月以降の研究活動に使用させて頂きます。
【リターンの発送状況】
・お礼状 (ご支援者様全員) 【発送済み】
・湘南アイパークHPに支援者名掲載 (対象者様) 【掲載済み】
・活動報告冊子データ (ご支援者様全員) 【2021年10月送付予定】
※対象者様は、支援者名を掲載させていただきます (希望者のみ)
・湘南アイパークにおける研究成果報告会・見学会 (対象者様)
【2021年9月頃予定】
※対象者様には2021年7月中に詳細を連絡する予定です。
・北海道大学における特別講義 (対象者様) 【2021年10月頃予定】
※対象者様には2021年8月中に詳細を連絡する予定です。
※対象者様(20,000円ご支援)には、山田勇磨の関連書籍を送付します。
・山田勇磨による出張講演 (60分程度) (対象者様) 【連絡済み】
【今後について】
既存の治療と比較した時に、MITO-Porterを活用した場合に副作用が減少しているか、注射してMITO-Porterを活用した実験後に、他の部位(全身)に毒が回っていないか等の安全性試験を今後も継続して研究を進め、「副作用の少ない癌治療を、ミトコンドリアに薬を運ぶ技術開発で!」を実現するナノ医薬品の創製を目指します。研究の進捗は定期的に、進捗状況を『レポート』としてお届けできればと思っております。
末筆ではございますが、今後とも本研究活動への応援・ご支援をお願い申し上げ、クラウドファンディングメンバー一同よりの御礼とさせて頂きます。
2021年7月
プロジェクトを代表して
北海道大学 山田勇磨