ご支援いただいた皆様へお礼のご挨拶
御支援いただいた皆様へ
最終日三日目の最終四クール目、初日から数えて十二クール目
ウエイトレスをされた五十嵐テツさんが初めて
一風堂さんのメニュー「汁なし坦々麺」を注文されたお客様に
「麺を食べ終えたら汁の中にそのサフランライスを混ぜて召し上がってください」
と自ら食べ方を伝えました
ホールに立ちつくして全体をそっとサポートする黒子の黒子役
飲食業のプロフェッショナル・メゾンカイザー社長の木村さんと
ホール総責任者を務めさせていただいた介護業界の僕は
その快挙を同時に目撃し
まるで引き合わされたかのように「目と目を合わせガッツポーズ!!」
注文をまちがえる料理店のホールで働かれたスタッフは
認知症の状態にある50歳代から90歳代までの18人
三日間、ローテーションを組んでお客様の接客に当たらせていただきました
ホールスタッフのみなさんは認知症の状態にあるので
「忘れてしまう」「憶えきれない」「間違えてしまう」
こと数知れずでしたが
何度か経験することで新しいことを憶えきり
憶えたことを自主的・自発的に行動に移せたこともあり
それを応援してきた
飲食業界・接客業のプロフェショナルがものすごく喜んだことに
注文をまちがえる料理店の真髄が垣間見えました
一生懸命の結果できることがある
一生懸命してできないこともある
私たちが願うのは「できようが・できなかろうが」
一生懸命生きる人・生きようとする人を応援できる人たちが一人でも多くいる社会
その願いを込めて「寛容」をキーワードに取り組ませていただいたのが
注文をまちがえる料理店です
クラウドファンディングで応援してくださった皆さん
クラウドファンディング以外で応援してくださった皆さん
本当にありがとうございました
僭越ではありますが2003年の自著で発表させていただいた「詩」をもって
御礼の御挨拶とさせていただきます
まだ見ぬ介護者へ
私はすべてを失ったわけではありません
どんなことでも まず問いかけてみてください
何でも まず私の意思を確認してください
なに食べる 行く行かない 暑い暑くない
どうしたのって聞いてみてください
訳のわからないことを言うかもしれませんが わたしは病気です
痴呆という状態にあるのです 進行性の難病といってもいいでしょう
察してください ようく見ててください
私はすべてを失ったわけではありません
まだまだ若い者に負けないこともたくさんあります あると思います
でも 若い頃と同じようにはできないでしょう
あせらさないで じっと見ててください
見ていて 少しだけ手を貸してください
人間の機能や能力は使わないと使えなくなると 若い頃に聞きました
生きるためにたたかう力はまだまだ・・・・
私はすべてを失ったわけではありません
外にだって自由に出たがるでしょう
雲や星が大好きです
外に自由に出られるようにしていてくれさえすれば 自分で出かけます
でもきっと 目的地には着けなくなるでしょう 戻れなくなるでしょう
そっと着いてきてくれると嬉しいです
とまどったり 不安げになったら そっと傍に来て
どうしたのって声をかけてください
きっとあなたのことが天使様に見えるでしょう
私のこと笑ってくれていいですよ
きっとおかしなことを言ったり おかしな格好をすることでしょう
でもお願いです 陰で笑ったり 自分ひとりだけで 仲間同士だけで笑わないで
私にも笑っている訳を教えてください
きっと私も笑いの仲間に入り いっしょにおかしむでしょう
だって おかしいことはおかしいって 私にもわかるから
私はすべてを失ったわけではありません
私のことを痴呆老人なんて呼ばないでください
私の名前は 和田さんです
私のことをわがままなんて言わないでください
私はあなたと同じ 人間です
ただ 痴呆という難しい状態になっただけです
私の努力では 止められないんです
※痴呆は現在「認知症」と呼称が変更されています
「リターン」でお約束させていただきました商品は
準備でき次第発送させていただきますので
今しばらくお待ちいただけると幸いです
またいつか「注文をまちがえる料理店」でお会いできる日がくることを
そのまたいつか「注文をまちがえる料理店だらけの社会」で
お会いできますよう 友に
注文をまちがえる料理店実行員会
実行委員長 和田行男
今度の活動については、Facebookで発信させていただきます