世界で輝く障がいをもつピアニストたちの美しい音の世界を。

 

クラウドファンディングも残り2日となりました。ネクストゴールに向けてさらに支援して頂き感謝しています。本日も、実際に演奏していただくピアニストをご紹介させていただきます。

 

 

 

　ルーマニアの真珠

　Anamaria Stefania NASTASE

 

 

 

 

 

プロフィール

Anamaria Stefania NASTASE 　／13歳／聴覚障がい／ルーマニア

アナマリアは“沈黙”の世界に生まれた。5歳半からピアノを学び始めた。両耳にインプラントをして、音楽に必要な聴力が発達した。幼い頃から、音楽コンテストに参加し、

2013年　ウィーンでのアンハードノートピアノパラ主催の国際コンクールで3位

2014年　同コンクールの東京での入賞者コンサートに出演

2014年、15年、ポーランドのフェスティバルにて、受賞

2015年、16年には、フランスでのコンクールで第1位を

2018年　NYでのアンハードノートピアノパラ主催の国際ピアノコンクールで2位受賞。

難しいスタイルの曲に挑戦していくことで音楽の感性を磨いている。音楽はアナマリアの喜びで、音楽を心より愛し、聴いて感じ、ピアノを奏で続けている。

 

（迫田 時雄よりアナマリアさんについて紹介）

　私がアナマリアに初めて会ったのは、５年前、私どもが主宰してウィーンで開催した第３回国際障がい者ピアノフェスティバル2013のコンサート会場でした。彼女はまだ８歳でピアノの椅子に座っても、ペダルに足の届かないあどけない女の子でした。それがこの大会で３位に入賞したのです。

　聞けば、生まれたとき彼女の両耳は全く聞こえませんでした。八方に手を尽くしたご両親は、４歳の時人工内耳インプラントの手術を受けさせました。音の世界に目覚めたアナマリアはがぜん音楽に強い興味を示し、ピアノを習い始めました。熱心な女性のピアノ教師にめぐまれ、ほとんど付きっきりで指導してくれたそうです。

本人の練習好きもあって、天才的な音楽の才能がまたたく間に開花、2～３年で地元のコンテストで注目を集めるようになりました。
ウィーンで披露してくれた演奏では、なるほど『ピアノの上手な子供』という印象でしたが、その可愛らしさは、ルーマニアのアイドルと呼ばれるだけあって、愛嬌たっぷりでした。

　ところが、４年後の今度のニューヨーク大会では、すでに13歳の中学生、ピアノのペダルも自分の足でしっかり押さえて、情感たっぷりにハイドン、ショパンの曲を弾いて見せたのです。私はびっくりしました。わずか4年でこんなにも上達するものか。ピアノの音が本物になっていたのです。大人のピアニストにも引けを取らないほどでした。それでいて、愛嬌たっぷりの可愛らしさは相変わらず、習い始めた英語を片言でしゃべって一生懸命話しかけます。チャーミングな女性へと変身途中です。

　ご両親の熱意と愛情に包まれ、献身的なピアノ教師の指導、そして本人の超人的な努力の、その見事な成果を、どうぞご自身の目と耳でお確かめいただきたいと思います。