避難が長期化する人たちに寄り添うために
「緊急支援|クーデター下のミャンマーからの避難民を支えたい」
皆さまからのあたたかい応援に、改めて御礼申し上げます。
2021年2月1日の軍事クーデター勃発後、現在においても、国民による抗議活動としてミャンマー国内全土で大規模な抗議デモが行われています。これに対し治安部隊による実弾の発砲などの強権的な弾圧も行われています。
ミャンマー南東部地域においては、カレン民族同盟(Karen National Union, KNU)の傘下組織が国軍拠点を制圧したことに対し、国軍は同日夜、戦闘機で空爆して対抗しており、多くの避難民がタイに逃れました。シャンティは、2021年6月以降本格的に現地カウンターパートとの打ち合わせを開始し、現地のコミュニティ組織(CBO:Community Based Organization)や国際NGOと共に、ニーズ調査や緊急支援物資配布を行ってきました。
ミャンマー南東部の少数民族が暮らす村々では、広範囲にわたり空爆や戦闘の影響を受け被災しています。多くの避難民はジャングルや洞窟での避難生活を余儀なくされており、緊急の食料支援ニーズが非常に高い状況にあります。避難民が集中している地域で、ある村には3,000人近い避難民がいるという報告もありました。周辺地域でも空爆を受けて、ホストコミュニティ全体が被災し、周辺の村々からも支援を求めて村に避難民が流入している状況です。
これまで、ジャングルに避難している90世帯に緊急救援物資の配布を2回行いました。
1回目は、避難している人たちが食べ慣れている食料(米、トウガラシ、チリペースト)を配布しました。2回目は、ドライフィッシュ、食用油などの食品類に加え、ジャングルでの避難生活に必要とされている雑貨(蚊よけクリームや洗濯洗剤)を配布しました。
食料を調達してから最初の物資を届けるまで、約3カ月ほどかかりました。それは、連日続く戦闘や空爆により安全が確保できなかったためです。直前まで受け渡しが可能かどうかわからない状況で、なんとか安全を確認した上で受け渡しを行いました。
戦闘の状況により、物資配布が思うように進められない側面もありますが、引き続き行ってまいります。
避難民の中には、多くの子どもたちも含まれており、周辺の村々にある学校に併設された寄宿舎に滞在しています。ここに滞在している子どもたちは、家族と一緒に避難してきた子どもたちや、周辺の村が被災し教育を受けることができないために、教育の機会を求めて村にやってきて滞在している子どもたちなどが混在した状況となっています。避難生活も中長期化している状況が続き、子どもたちが教育の機会にアクセスできない状態が長引いている状況を心配する世帯が増えています。
緊急の食料支援のみならず、子どもたち向けの学用品や衛生用品へのニーズも高まっていることが分かりました。
政治的混乱により状況の悪化が続いています。シャンティでは長期的な支援が必要と判断し、引き続き物資配布の活動を行います。併せて現状調査を継続し、必要な支援を届けていきます。今後はシャンティ国際ボランティア会ホームページのブログで報告してまいります。ぜひご覧ください。
リターンにつきましては、皆さまお一人おひとりへ、感謝の気持ちを込めてご送付させていただきました。一部宛所不明により戻ってきております。まだ届いていないなどありましたら、READYFORのアカウントよりメッセージをいただけますと幸いです。
最後に、この度のクラウドファンディングを通して、本当にたくさんの方々より、応援メッセージと共に、戦闘で住む場所を追われ避難している人たちの安否と、ミャンマーの平和への祈りをいただきました。
「助けを必要とされている方に少しでも届きますように。」
「ミャンマーに早く平和が戻りますように。」
私たちも、同じように祈り、お寄せいただいたお気持ちと共に、支援を届けられるようにがんばってまいります。避難を余儀なくされている人たちに寄り添う姿勢を大切にし取り組んでまいりますので、今後とも応援のほど、どうぞよろしくお願い致します。