プロジェクト実施のご報告と皆様へのお礼
プロジェクト実施のご報告と皆様へのお礼
【2021年5月12日~6月30日】に行いましたクラウドファンディング「コロナで独りぼっちのろう児・難聴児に繋がりと学びの”場”を届けたい」では、多くの方のご支援をいただきました。皆様のご支援のおかげで目標額を上回る3,060,000円を支援していただくことができました。誠にありがとうございました。
今回はDACCOプロジェクトを通して、オンライン授業、出張教室等を通じてのべ1,118名のろう児・難聴児の支援に繋げることができました。
●DACCOプロジェクトとは?
Silent Voiceが社会に出たろう者・難聴者の支援をする中で見えてきたのが、幼少期に社会とうまくつながれていなかった、という現実でした。 できないことに目を向けてしまい、自信を持てずチャレンジすることを諦めてしまった。その光景を見てきたからこそ、教育の段階から変えていく必要を強く感じています。どんな環境の中でも自らの人生を切り開いていく、そんな可能性を秘めた金の卵である子どもたちを一生懸命サポートし、この教室から社会で活躍する人材を育んで行きます。
DACCOプロジェクトは、大阪府下の手話による支援環境のないローカル地域(特に北摂地域)の聴覚障害のあるろう児・難聴児、また育児に不安を抱える保護者に対して、心の拠り所となる居場所を提供しました。
また、教室型の対面による関わりだけではなく、通所が難しい遠方地域に住む家庭に対しては出張教室やオンラインを活用し、大阪府のろう児・難聴児に繋がりや学びの提供を目的として行いました。
●活動報告
皆様から支援していただいたクラウドファンディング資金+自主財源で
DACCOプロジェクトが成功いたしましたことをご報告いたします。
●活動内容
1.手話などの情報保障付きの学び教室/オンライン授業
オンライン授業(個別・集団)は、計74回開催しました。
2021年秋の緊急事態宣言時には、オンライン授業の開催頻度を増やし、家庭でも安心して子どもたちが楽しめる企画をたくさん実施しました。なかなか会えない友だちや初めて会う友だちとも、オンラインを通して”手話で話す時間”というのはとても大切な時間だと感じています。
▼保護者の皆さまからも様々な感想をいただきました。
〈個別授業の様子〉
〈集団授業の様子〉
2.出張教室
大阪府下の手話による支援環境のないローカル地域(北摂地域・堺市)において、計24回の出張教室を行いました。約半年間開催されていた出張教室では、参加してくれた子どもたちの様々な成長や変化が見られました。
ある一人の子のエピソードについて紹介しております。
ぜひ こちら の記事をご覧ください。
出張教室のチャレンジを通じて、ただサービスを広げて充実させるだけではまだまだ不十分だということが分かりました。まだまだ発展途上ですが、その子にあった適切な方法で、“個別に深く関わりにいく”必要があるということを、学ばせていただきました。それは、国が設けるルールの上では 実現不可能な支援であること。でも、誰かが絶対にやらないといけなくて、それは私たちなんだ、と強く感じました。
〈出張教室の様子〉
〈オリジナル教材「ここログ」の開発〉
コロナ禍で人との出会いが減少する中、子どもたちには人とコミュニケーションを図るきっかけが必要です。人に何かを伝える、相手の話を聞くことが苦手な子どももいる中で、多くの人と出会い、心にログを残してほしいという思いから、オリジナル教材「ここログ」を作成。ワークショップも行いました。
3.イベント企画
デフスポフェスティバルをはじめ、計16回のイベントを企画・実施しました(複数開催したイベント含む)。
〈デフスポフェスティバル2022の様子〉
2022年3月26・27日の2日間に渡り、デフスポフェスティバルを開催しました。
・様々な競技を通して子どもたちがスポーツの楽しさを体験すること
・デフアスリートとの交流を通して、子どもたちが夢と希望を広げるきっかけを作ること
この2点を目的として掲げ、デフアスリートとの交流の場を設けることができました。
2日間を通して、のべ134名の子どもたちに参加していただくことができました。
▼参加者児童の保護者さまからの声
▼詳しくはこちらの報告書・映像をご覧ください。
〈デフスポの様子〉
学校支援-1〈ポケトークmimi無償貸出プロジェクト〉
ソースネクスト株式会社との共同で「ポケトークmimi 無償貸出プロジェクト」を行いました。子どもたちの学校生活において、ひとつでも多くの“分かる“体験を作りたいという想いから本プロジェクトを実施。全国40校・55学級に無償貸出することができました。
▼貸出を行った学校の先生方からも様々な感想をいただきました。
学校支援-2〈透明マスク無料配布〉
新型コロナ感染症の猛威により、マスクをして生活するということが日常的になりました。聴覚障害者にとって、マスクによって口元の見えない不安な状況は続いています。
そこで、口型や表情が少しでも見えて安心して教育を受けることができるよう、
大阪府下の学校全38校に透明マスクを無料配布しました。
●活動の評価
今回のDACCOプロジェクト実施にあたり、活動内容を多くのメディアに取り上げていただきました。また、外部機関との連携を図るきっかけにもなりましたのでご紹介させていただきます。(順不同・敬称略)
▼檸檬新報 第20号(一般社団法人檸檬新報舎様)にも掲載していただきました。
●リターンに関して
ご支援いただきました皆様へのリターンは、すべて完了しております。
万が一リターンを受け取られていない方がいらっしゃいましたら、
お手数ですが「メッセージ」からお問い合わせください。
●代表理事・尾中からのメッセージ
コロナ禍では様々な当事者の課題が生まれました。
どれだけ「ダイバーシティ」や「インクルーシブ」、「SDGs」と
いう言葉が社会的なスローガンとなろうとも、課題を乗り越えていくためには声を上げていくことと具体的なアクションを提案することが大切だと感じました。皆様から応援を頂いたことで、それを形にすることができました。心より御礼申し上げます。
●これからのSilent Voiceの活動について
皆様のご支援のおかげで、聞こえない子どもたちへのオンラインでの学びの場の提供を
大きく一歩進めることができました。本当にありがとうございました。
今回のプロジェクトをきっかけに、
オンライン支援という新たな学びの選択肢の確立、
そして、行政や学校と連携したきこえない子どもたちの支援環境作りに向けて、
第一歩を踏み出すことができました。
しかしながら、今回のクラウドファンディングを開始した当初からお声を寄せていただいたように、
学びや繋がりの環境が保障されていないご家庭は全国に存在します。
私たちが取り組む今後の展開として、
・オンライン教育と並行する出張型イベントの対象範囲を全国に拡大
・聞こえない子どもが在籍する全国の学校現場への支援ツールの展開
テクノロジーの変化により、あらゆる学びが選択しやすくなった時代である今、
「支援のない地域をなくすこと」を目標に活動を続けてまいります。
更なるチャレンジを進めてまいりますので、
引き続き、応援のほど宜しくお願いいたします。
●最後に…
一人でも多くの方にろう児・難聴児の状況を知っていただき、必要な支援環境を整備していくために奮闘してまいります。子どもたちの未来を創っていくために、少しでも貢献できることを切に願います。
これまでの皆さまのご支援に改めて感謝申し上げます。
また、当法人の活動を広げていくために、共に事業を進めてくださるスタッフを募集しております。
詳しくは こちら をご覧ください。
NPO法人 Silent Voice
プロジェクト担当:井戸上 勝一/高橋 縁/中田 碧