精一杯の気持ちをきっぷに込めて～一枚のキップから～

ノベリティグッズプランにご支援いただきました皆様には、もれなく「Ｃ型硬券」をご用意致します。

「関東交通印刷」にて製造をしていただき、国鉄地紋を用いた完全な国鉄風のきっぷにしますので、どうぞご期待下さいませ。

 

 

ボンネット広場のクハ４８９－５０１運転席にご見学いただきました方には既にご存知と思いますが、きっぷの、しかも硬券には一定の収集マニア層がいらっしゃっています。

中には数枚単位でお求めになられます。

毎年のようにデザインを変更して今に至っているのですが、一貫して、Ｄ型硬券です。

来年は展示開始１０周年ですので、それに合わせてまたデザイン変更ですが、やはりＤ型を採用予定です。

 

 

いつも老舗切符メーカーのご担当者様には、記念乗車証のデザインをお願いする際に無理ばかりお願いしていますが、とても積極的に仕事をして下さっていて、本当に頭が下がります。

中には表と裏が逆になってナンバリングされてしまった券が混じっていたり、「ちゃんと昔の機械でナンバリングしてるんだ」と分かるエラー券を見て、検品漏れも有り難くいただいております。

 

デザインは私がきっぷマニアなので、独断で創らせていただいておりますが、デザインとはいえ文字が入ると色々チェックが必要なので、鉄道会社に持っていっても使えませんよ、と必ず明記していたり、架空の駅や距離、国鉄時代に廃止になり旅客鉄道会社には継承されていない駅などは商品としてでなければ使用出来るので、印刷時にチェックしていただきながら製版に至っています。

 

 

初めてこのような特殊なきっぷを作ったのは、小松市制７０周年の記念事業で４７５系団体列車を長浜まで運行した際の乗車記念でした。

その時一つ間違えたな、と思ったのが、団体のお客様全員に「お帰りの電車にご乗車の際は、改札でこの券を見せてホームへ入場して下さい」とお伝えした際に、「小松から長浜ゆき」になっていたこと。

長浜で乗車するなら「長浜から小松ゆき」でしょ…。

 

これを踏まえて、２０１３年に和倉温泉まで運行した４５７系団体列車の際には、ちゃんと「和倉から小松ゆき」にしています。

因みに「和倉」は昭和５５年までの名称で、今は和倉温泉ですが、そこはミスではなくこだわりです。

「乗車船」と書くのも、急行絶滅後にもかかわらず「急行券・指定席券」と書くのも、こだわりです。　マニアですから。

 

記念のきっぷにはなかなか、定型が存在しません。

保管には苦労する事が殆どではないでしょうか。

かといって、ダメなわけではありません。

その時代の特徴や世相を反映した写し鏡は、あえて言えば、当時は珍しくも無かった硬券をわざわざ記念きっぷに発行する愚策は無いだろう、といったところです。

なので、出来るだけ「イベント」とか「特別」な感じを、今では珍しい硬券で、さりげなく演出する方向でクハ４８９－５０１は続いています。

 

 

最後の写真が、Ｃ型硬券です。

正方形に近く、特別感があります。

主に連絡きっぷに用いられていました。

なので今回のノベリティも、連絡きっぷ風にする予定です。

ヨ５００３たから号復原プロジェクト用に創りましたＣ型硬券は、未達成だった為にクハ４８９－５０１と並べて展示する事は叶いませんでしたが、一応綺麗にレストアは出来ましたのでご利用いただくと両車の見学が可能な「連絡きっぷ」になります。

「戸口から戸口へゆき」が、キャッチフレーズではなく駅名風になっているのが、このきっぷのこだわりです。

同じように、皆様にお届けするきっぷにも、戸口から戸口へ、の国鉄貨物のような精一杯の気持ちをお届けしたいと思います。