バイトしてみたいっ！〜キッチンカーに外国人高校生の夢を乗せて〜

 

 

 

この絵は私たちの学習教室に通うペルー人の小学生が描いた絵です。

描かれているのは、これから私たちが始めようとしているキッチンカーです。

 

「どうして学習教室がキッチンカー？」と感じた人も多いと思います。

 

しかし、キッチンカーは私たちの教室に通う外国人の子ども*にとって必要なのです！

 

*外国人に限らず、日本国籍を有していても様々なバックグラウンドから日本語に不自由な環境に置かれる子どもたちもいます。そのため「外国につながりのある子ども」や「外国にルーツのある子ども」という表現を使うこともありますが、ここでは「外国人」と記載していきます。

私たちトレボルNIHONGO教室（運営責任：株式会社NIHONGO）は今から3年前、クラウドファンディングによって誕生しました。

 

 

多くの方々のご支援で、わずか4日で目標金額を突破し最終的には2倍以上のご支援を頂けたことに感謝の気持ちが尽きることはありません。

 

開校直後から多くの子どもが通う、賑やかな教室となりました。

 

 

最初は苦手だった算数のテストも毎日のように勉強を続けてテストで良い点数が取れるようになりました！

 

教室を運営していく中で、大きな社会変革を起こすこともできました。

 

来日したばかりで

まったく日本語がわからない状態で学校に通っている中学3年生。

もちろん学校に行っても授業を理解することはできません。

 

毎日 6時間 学校に行って座っているだけです。

 

学校に行っても何も学ぶことのできない・・・それは時間を無駄にしているだけでなく、大きなストレスにもなっていました。しかも、高校入試まで1年しかない状況です。

 

「何とか高校には進学して欲しい」というご両親からの相談で学校と話し合いを繰り返し、私たちの教室で勉強している時間を学校の出席時間としてカウントできる協定を結ぶことができました。    

 

 

この協定については新聞にも取り上げられ、文部科学省の方からも「全国でも例のない先進的な取り組み」とコメントしていただきました。（参照：市立中が日本語教室を「出席」扱いに　ベトナム人生徒が高校進学）

 

しかし、全てが順調にいったわけではありません。開校から1年が過ぎようとしていたタイミングで新型コロナウイルスの蔓延により私たちの教室も休校を余儀なくされてしまいました。

 

約３ヶ月間の休校期間があけても感染症対策として教室に入れる人数は以前の半分以下に制限せざるを得ない状況です。考えに考えた結果、みなさまからのご支援を頂いて誕生した教室を離れ、近隣の別物件に移転して何とか事業を続けることができております。    

 

この激動の時代、想定外の連続でしたが、開校時の目標は全て達成しました。

前回のクラウドファンディングの際に私たちが掲げた目標

 

高校進学率90％は初年度で達成　2年目には合格率100％を達成することができました。

 

3年以内に３拠点という目標も達成し「外国人の子どもたちの未来を何とかしたい」という志を持つ仲間とともに神奈川県内に3校の姉妹校が誕生しています。

 

 

 

ある日、定時制に通っている高校生から

 

「アルバイトしたいけど全然できない」

 

という相談がありました。

 

みなさんは定時制に通っている高校生の1日をイメージできますか ？

 

「昼間はアルバイトをして夜は学校に通う」という生活をイメージしませんか？

 

しかし、現実には日本語レベルが十分ではない外国人高校生がアルバイトをすることは極めて困難です。実際に何回も応募はしましたが、残念ながら１度も採用してもらえませんでした。面談にすら進めないことも少なくありません。

 

なかなかアルバイトができないのは定時制だけでなく全日制に通う外国人高校生も同じです。

 

アルバイトをしている学校の同級生が羨ましい、と悔しそうな彼らの顔を見て聞いてみました。

 

「もしウチで働ける場所を作ってアルバイトできるとしたらやってみたい？」

 

返事はもちろん、全員一致で

 

「ぜひやってみたい！」

 

 

 

「キッチンカーをやろうと思うんだけど、どう思う？」と子ども・保護者の方々に意見を聞いてみたところ！

 

「やってほしい！」という多数の声  

 

「私 料理できるよ！」

「この料理を日本人にも食べて欲しい！」　

 

と試食品が続々と教室に届くようになりました。

 

 

 

まだアルバイトできない小学生・中学生も「高校生になったらキッチンカーでアルバイトするんだ～」と今の段階からワクワクしながら計画を練っています。

 

 

 

 

 

キッチンカーで実現したいこと、それは、自分の得意な「料理」を活かすことと「コミュニケーション力」を上げることです！

 

大人になる自分にいちばん必要なのは「コミュニケーション力」だと思う キッチンカーを通して大人と話せる機会があれば、仕事の話をたくさん聞きたい。 自分からも相手からも声をかけ合うこと。それから、相手が困っているときは自分が手伝うし、自分が困っているときは相手に手伝ってもらえるようになりたい！

 

将来は日本とペルー料理のそれぞれの良さをミックスさせた新しい料理を提供するカフェをひらきたい！いずれ、自分が考えた軽食をキッチンカーで販売したい、街から離れた地区も巡りたいと考えています。いろいろな人に「おいしい」を直接届けたい。

 

 

私のお父さんは日本に来る前までペルーでレストランを開いていて、私もたまにお手伝いしていました。そこに来ていたお客さんはとても幸せそうな表情をしていたのを今でも覚えています。それを今度は自分たちで作ることができるのが今から楽しみです。それから、ペルー料理は本当に美味しいんです。だけど日本ではまだまだ知られていないので、小さい子からお年寄りの方までたくさんの人に食べてほしいです。あとキッチンカーではラテン音楽をかけて、雰囲気も出していきたいと思っています。日本のみなさんにぜひペルーの味と、音楽も知ってもらいたいです。

 

保護者の方からもコメントをいただきました。

 

 

食はすべての人を幸せにすることができます。娘がいうように、ペルー料理はとても美味しく、世界的にも高い評価を受けており日本人も絶対に好きになるのは間違いないと思っています。また娘にとってもキッチンカーで働く経験を積ませることができるのは、今後彼女が日本で生きていく上で貴重な財産になると思います。

 

 

このキッチンカープロジェクトは 高校生にとっても、私たち運営チームにとっても大きな挑戦となります。

 

外国人高校生がアルバイトを通して「働く」ということを学び、将来の可能性を広げるため、 日本人と外国人の交流を少しでも加速させるため 私たちに力を貸してください。