箱根駅伝欠場の後から どんどん成長を遂げる伸び盛りの相馬


こんにちは。中長距離ブロック長距離パート2年の相馬崇史と申します。
 

はじめに、日頃より筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトへのたくさんのご支援とご声援に 心より御礼申し上げます。たくさんの方の支えがあって、僕たちは箱根駅伝を目指すことができていることを日々忘れないようにしています。今年こそは箱根予選会突破を実現するために残された日々を精一杯頑張っていきたいと思います。
 

勝負の夏合宿が始まり気合い十分

 

そうした思いを胸に、現在、僕たち長距離パートは福島県白河甲子高原での第一次合宿から「箱根駅伝予選会突破に向けた本格的な強化練習」をスタートさせました。今年は例年になく厳しい暑さが続き、つくばでの練習は過酷な気象コンディションの中で実施してきました。白河甲子高原も例外ではなく暑いのですが、標高が高く朝晩は比較的涼しいため、トレーニングに適した環境下だと感じます。

まずは、この一次合宿でしっかりと走り込んで、今後 厳しさを増すトレーニングに耐えられる土台(カラダ)作りをするつもりです。合宿はまだ始まったばかりですが、今年のチームは去年にも増して気合いが入っていますから、素晴らしい環境を最大限に活用して、充実した合宿にしていきたいと思います。
 

第1次強化合宿から意欲満々に走る相馬(右)


さて、ここで皆様へのご報告と謝罪の意を込めて、今年の箱根駅伝を怪我で欠場したことについて振り返って話をさせていただきます。


僕は、昨年の箱根駅伝予選会の成績で関東学生連合チームに5番目で選出されました。関東学生連合チームとは、箱根駅伝予選会において箱根駅伝に出場できなかった大学から本戦の出走経験のない選手が各大学1人ずつ選出され、合計16名で構成されるチームのことです。
 

1年生ながら60分台をマークし関東学生連合チームに選出された


その後も学生連合チーム内の厳しい選手選考(関東学連1万m記録挑戦競技会)を勝ち抜き、箱根駅伝では1日目の5区を走ることが決まりました(僕自身が5区を希望)。筑波大学としての本戦出場を果たすことはできませんでしたが、僕は関東学生連合チームであっても「筑波大学(桐の葉)のユニフォームを着て箱根の山を登り、芦ノ湖に力強くゴールしたい」「チームの仲間や筑波大学を応援してくださる多くの方々の期待に応えたい」と強い意志が出来上がっていました。

しかし、箱根駅伝は中学と高校で全国大会に出場している僕でさえ、今までに経験したことのないような注目度の高い大きな駅伝であり、距離も長く、しかも、5区という過酷な山登りコースに少なからず不安がありました(自分で希望しながらも・・)。

その不安を取り除こうとして、僕は今まで以上にハードな練習に取り組みました。その成果はすぐに表れ、本番の10日前には、練習の一環として出場した1万mの記録会(松戸市記録会)では、十分に余力を残しながら自己記録に5秒しか遅れないセカンドベストで楽々と走破することができたのです。『本番は、これでいける!』と僕自身も周囲もそう感じていました。
 

学生連合チームの選考会となった1万m記録挑戦会で相馬の好走を祝福


その数日後、アクシデントは起こりました。大会を直前に控えた5日前の練習で、右足首(詳しくは、腓骨筋付着部)に痛みが出てしまったのです。チームドクターである向井先生や弘山監督にアドバイスを受けながら懸命に治療を続けましたが、結局、治ることはなく、「本番を直前にして出場を辞退する」という残念な結果になってしまいました。


ほぼ手中に収めていた『桐の葉のユニフォームで箱根路を走る』というチャンスを逃したことは、それは悔やんでも悔やみきれるわけがなく、涙もたくさん流しました。なぜなら、それは自分だけのことではなく、チームの仲間や応援してくださった多くの方々の思いが込められた箱根駅伝への切符だったからです。

 

不安をかき消すために猛練習を重ねた相馬

 

言い訳するつもりはありませんが、足の痛みを招いた要因がありました。箱根駅伝の約1ヶ月前となる11月末から大学の競技場が改修工事で使えなくなりました。そのため、クロカンコースとロードコースを中心に練習をせざるを得ませんでした。隣の市まで行けば競技場(トラック)があるのですが、公共機関の移動手段では、授業後では間に合いませんでした。(当時は、昨年のクラウドファンディングによる寄附金でリース契約した10人乗りのワゴン車がなかったので)


ですから、スピード練習を実施する場合は、必然的に、カーブとアップダウンの多いクロカンコース、または、固い路面のアスファルト道路ばかりを走ることになりました。知らず知らずのうちに、足への負担が積み重なり、最後の最後、本番直前に足が悲鳴を上げるという事態に陥ってしまいました。もっと細心の注意を払って練習すべきでしたが、それよりも大いに反省すべきことがあります。
 

全日本大学駅伝予選会・最終組で力走する相馬


実は、痛みの前兆は前からあったのですが、前述した通り、とにかく、5区を区間トップのタイムで走るという目標を掲げ「自分自身に自信をつけること」しか考えず、足に不安(少しの痛み)を抱えていながら、そのことを隠して練習に練習を重ねました。その結果、『足に痛みを発症⇒箱根駅伝欠場』という最悪の結末を招いてしまったのです。弘山監督に相談さえしていれば・・・と後悔しても始まらない後悔を何度も何度も繰り返し、自己嫌悪に陥る精神的な苦痛を嫌と言うほど味わいました。


当然、弘山監督からは怒られました。「お前一人の箱根駅伝ではないのだぞ!」「皆の想いを乗せて走っていることを忘れるな!」と。確かに、その通りですし、僕もそんなことはわかっています。クラウドファンディングを通してご支援いただいた多くの方々が伴走してくれていることも十分に承知しています。だから、足の不安をギリギリのところまで我慢しながら厳しい練習をこなしたのです。でも、結果的に連合チーム代表の座を手放すことになったわけですから、多くの伴走者の方々や大学関係者に対しては本当に申し訳ない気持ちで一杯です。
 

常に積極的に走る相馬 練習での強さはチームメイトも舌を巻く


そんな落ち込んだ状態で、初めての箱根駅伝に補欠として臨みました。
 

前日から僕は、学生連合チームの3区を走る選手の付き添いをしました。しかし、現地に行くと「この足の痛みがなければ」と、さらに悔しさが増してきました。しかし、そんな気持ちで付き添いをするのは選手に失礼ですし、「補欠(付き添い)でも、箱根駅伝に参加していることには変わりない」と心の整理をつけ、初めての箱根駅伝を少しでも体感しようと気持ちを切り替えました。


そこで、僕は、強豪校の選手をよく観察するようにしました。すると、選手一人一人の箱根駅伝に対する想いや姿勢が、態度や走りに現れていました。僕たち筑波大学が「箱根駅伝に出たい」と思う気持ち以上の「箱根駅伝にかける思い」の強さに圧倒されました。これは選手の走る姿を補欠としてすぐ近くで客観的に見ることができたからこその感覚なのだと思います。走らなければわからないことがあるのも確かですが、補欠で走らなかったからこそ得られるものがあるのも確かです。
 

今年卒業したチームのエース森田先輩と合宿先で


今の僕は、昨年以上に「箱根駅伝に筑波大学として出場したい」という強い気持ちになっています。学生連合チームの選手として箱根駅伝に出場していたら、どうだったのか? 正直、予測不可能ですが、今回の怪我での欠場は、神様から与えられた試練であると同時に、ある意味でのプレゼントではないかと思えるようになりました。


それは、もし選手として走っていたら、自分のことで精一杯だったような気がするからです。補欠という身だからこそ、箱根駅伝に出場するために必要なことを感じ、「この選手たちを相手にして箱根駅伝予選会を勝ち抜いていかなければならない」という身の引き締まりを覚えました。この経験や感じたことをチームに伝え、この筑波大学を上へ上へと引っ張っていくことが僕の役割だと考えるようになりました。学生連合チームの主旨が、まさしく、それだと聞きます。補欠ではありましたが、そんな学生連合チームの存在意義に感謝しています。
 

将来はマラソンで活躍したいと話す相馬


このような考え方は、自分(過去)を正当化しているに過ぎないのかもしれません。ただ、誤解してほしくないのは、「でもやっぱり走りたかった」という気持ちに変わりはないこと。

 

気落ちした自分を「冷静な前向きさ」にするために、こうした考えに至ったわけですが、以前よりもさらに箱根駅伝を走りたい気持ちが強くなっています。箱根駅伝が終わってから悔しさが増したのは当然ですが、走らないことで得たものが多いのも事実だということを含めて、僕の気持ちを伝えさせていただきました。
 

良き友であり良きライバルでもある同期の2年生


本当に苦しい日々で、立ち直るのにも苦労しました。でも、もう大丈夫です。今の僕は、過去の自分とは違います。神様から与えられた試練は僕を成長させてくれましたし、筑波大学が箱根駅伝に出場するための気付きを与えてくれた“贈り物”だったと思っています。この贈り物を生かすも殺すも僕たち次第です。


昨年入学してからの半年間の練習で、僕は20kmを60分台で走ることができたので、今年は、練習のグレードアップを図り、60分以内で20kmを通過(今年からハーフマラソンに距離延長)することが目標です。自分がチームを引っ張り、さらには、今年の箱根駅伝の欠場で経験したことをチーム作りに生かし、何が何でも筑波大学のチーム出場に繋げます。
 

合宿の厳しい練習に立ち向かう学生たち


箱根駅伝まで残り3ヶ月を切りました。この期間をどう過ごすかで予選会の結果は大きく変わります。僕たちは今、箱根駅伝予選会突破に向け、死ぬ物狂いで練習に取り組んでいます。そんな僕たちに少しでも力を貸して下さい。引き続き、ご支援とご声援をいただきますよう よろしくお願い致します。

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