駅伝主将として “成し遂げたいこと” 河野 誉(4年)

 筑波大学陸上競技部・中長距離ブロック・長距離パート4年の河野誉です。

 

 日頃から僕たち筑波大学長距離チームに対し、たくさんの応援やご支援をしていただき、厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
 

筑波大学の駅伝主将として予選会突破を目指す河野

 

 まず始めに、最近、感激した話からさせていただきます。先月、『 なないろスポーツフェスタ 』というイベントが筑波大学・体育系の主催で開催されました。そのイベントに、筑波大学長距離チームOBの方々が、たくさん参加してくださいました。僕たちは、イベントのスタッフやリレーマラソンの助っ人ランナーとして係わっていましたので、先輩方と貴重な話をする機会がありました。「頑張れよ!」「期待しているよ!」「母校を箱根で応援したい」など様々な励ましの言葉をいただきました。

 

 後から聞いた話なのですが、『僕たち学生と知り合い・触れあい、もっと親近感を持って応援していきたい』という想いで、わざわざ全国から30名近い先輩方が集まってくれたというのです。ほんとうに感激しました。以来、皆の責任感がさらに強まり、集中して競技に取り組むようになりました。そのお陰で、今の僕は、4年間で最も良い感じで練習することができていますし、チームには活気が出て、とても良い状態です。
 

4時間耐久リレー走る筑波大学長距離OBの先輩方

 

“応援の魔力”“支援の絆”を 僕たちは 肌で感じることができました。

 

 さて、僕は、昨年の箱根駅伝予選会後に前駅伝主将(勝谷先輩)から駅伝主将という立場を引き継ぎました。昨年の予選会での惨敗を経て、駅伝主将として「今のチームのままでは駄目だ」と感じ、何か新しい変化を起こそうと思いました。ほとんどの選手がトラック種目で自己記録を更新するなど、夏の走り込みを経て個人の走力は確実に高まっていたのに、「なぜ、予選会においてチームはあのような結果に終わってしまったのか」敗北感よりも、能力の半分も出せていないような走りになったことが悔しくて仕方なかったのです。

 

2016全日本学生ハーフで力走する河野

 

 そこで、以前より感じていた「チームの“まとまり”や“一体感”が欠如している」ところを僕が変えていこうと思いました。

 

<課題1:目標の統一>

 筑波大学・長距離チームは、部員の競技レベルの差が大きく、大学対校戦(インカレ等)も全力で戦う為、個人の目標が優先される期間が多く、チーム目標を掲げたとしても、全員がそこに向かっていくという姿勢が出にくいというのが現状でした。この難題が常に突きつけられ、これまでに掲げたチーム目標を達成出来たことは一度もありませんでした。箱根駅伝予選会は、団体戦であり、個人戦でもありますが、僕は団体戦でしかないと思っています。

 

 チームで戦う以上、個人の目標や方向性の違いはあるせよ、最終的なゴールは統一しないといけないと思いました。ミーティングを増やして、自分たちの最終目標を毎回確認し、具体的な目標とその過程を全体の目につく場所に掲示し、常時意識させることで、個人目標の共有化とチーム目標の統一化を図りました。
 

2年の時にホクレンディスタンスチャレンジに遠征

 

 そのおかげかは分かりませんが、昨年の12月末に行われた松戸市記録会において、全日本大学駅伝予選会出場の為に必要な1万メートル平均タイムを複数人の自己記録により大幅に短縮し、全日本予選会の出場に可能性が見えるようになったのです。最終的には、今年の6月に、小林(現3年)と相馬(現1年)が大幅にベスト記録を更新し、14年ぶりに全日本大学駅伝予選に出場することができました。初めてチームで掲げた目標を達成した瞬間「やっとチームとしてスタートラインに辿り着いた」と嬉しく思うと同時に、「さあ、ここからだ!」と気合いが入りました。

 

<課題2:チーム内で話す機会を増やす>

 僕は、宮崎県の小林高校時代、3年間を寮生活で過ごしており、携帯電話を持つことを禁止されていました。それが大学生になり、練習の連絡、反省等がSNSを通じて行われるようになって、とても便利だなと感じました。また、昨年から食事体制が変わり、チーム全員でまとまって同じ食事を摂るようになりました。
 

高全国高校駅伝の2区で区間賞を獲得している河野

 

 しかし、僕がとても違和感を覚えたのは、全員で食事をしている場で、ゲームやSNSなどスマホを触りながら食事していることでした。それについての是非は分かれるところかもしれませんが、食事は摂るだけの空間ではなく、チームメイトと直接会話を交わすことでお互いのことを知り、チームの一体感を作る場であるべきです。

 

 僕は、そのことを皆に訴え、理解してもらいました。今では、食事の時間はスマホを出す事を禁止したり、連絡等もできるだけ皆が集合する場で自分の言葉で共有するようにしたことで、仲間同士での会話が増え、悩みが相談できたり、時にはふざけ合ったりするようになりました。互いの気持ちを分かち合い、チームの“和”が増したのは言うまでもありません。
 

河野は同級生のエース森田とチームを引っ張る

 

 僕が駅伝主将の立場になってから、「それぞれの個を1つのチームに!」ということを一番のテーマにして、色々と取り組んできました。このような取り組みの中で、非効率なことになったり、誤解や面倒なことも生じたりしましたが、今では、皆が僕の気持ちを理解してくれています。様々なことを自ら進んで取り組んでくれる人が増え、確実にチームとしての一体感が育まれていると感じています。

 

 現在、福島県の白河甲子高原にて、チーム全員で二次合宿に来ており、練習に励んでいるところです。弘山監督からとても厳しい練習を課せられますが、皆が必死に、練習と身体のケアに取り組んでいます。量と質ともに負荷の高い練習を消化しながらも、例年より怪我人が少ない。これもチームとしての成長の証なのかもしれません。

 

2年の冬に初の29分台をマークしてガッツポーズの河野

 

 実は、昨年の予選会後から、僕は長期の喘息に苦しみました。駅伝主将という重圧があったのかもしれません。そのため、春のトラックレースで駅伝主将としての威厳を見せるような結果を出せず、全日本大学駅伝予選会でも不甲斐ない走りしかできませんでした。しかし、チームが結束した今、今までの僕とは違う自分が出現し始めています。新しい自分と向き合う“これから”が楽しみであり、このような変化をチーム全員に引き起こしたいと強く思っています。
 

駅伝主将という重圧を背負う河野 右は副主将の武田

 

 こんなにも充実した日々ですが、予選会で敗れると僕の役目はそこで終わってしまいます。絶対に、来年の正月まで、この立場でチームの皆と走りたいので、予選突破を何としても成し遂げたいです。今のチームは個性派揃いで、「このやろう!」と思うことは度々ありますが、一つになった今のチームが大好きです。だから、全力で引っ張ります。たとえ足が千切れようが必死で走ります。

 

 箱根駅伝予選会までの限られた残りの時間で、今の筑波大学チームならば、さらなる飛躍を遂げることは間違いないと思います。楽しみにしてください!

 今後とも筑波大学箱根駅伝プロジェクトの応援、ご支援を何卒よろしくお願いします。