こんにちは。

 

共同実行者の田辺です。

 

3月に訪米する「ハーバード社会起業大会スタディプログラム2016」(かなり終売が近づいていますが、まだ募集中です)の7日間コースでは、初回の2010年以来にして初めてワシントンDCと、ハーバード社会起業大会が開催されるボストンを訪ねます。

 

若者たちがワシントンDCで訪問予定である、アショカDCセントラルキッチンティーチ・フォー・アメリカ(TFA)ユニオン・キッチンポインツ・オブ・ライトマジョリタスに続いて、ボストンで開催されるハーバード社会起業大会について、これまでのご紹介(なぜ「世界トップ12大会」なのか趣旨「ハーバード白熱教室」全体構成)に続いて、今回もお話したいと思います。

 

前回でご紹介した通り、2016年大会では4つのトラック(=部会のテーマのくくり)が設定されることになりました。

 

今回は、トラックの1番目の「都市を変えていくこと (Transforming Cities) 」について、大会HPの予告を踏まえて、お話しします。

 

(デトロイト市内)

 

「世界でも有数の自動車産業の街であるデトロイト市が、よもや経営破綻するとは」と、日本にいる私たちにも衝撃が走りました。人口流出と失業問題を抱えながら、都市インフラと公共サービスの維持が迫られています。

 

一方、ボストンは世界トップクラスの大学研究機関が密集していますが、実は教育格差や、医療、高騰する住宅問題が深刻であるとの見解もあります。

 

「デトロイト市の街灯で10のうち、4つは点灯しない。警察を呼んでも、市民は平均して58分待たされる。救急車は1/3しか、まともに機能していない。(“Detroit‘s business model…is about as badly broken as the four out of ten city street lights that don‘t work. Citizens wait an average 58 minutes for the police to respond. Only a third of ambulances are in working order.” (Schoen, 2013, NBC))」

 

教育(Education)では、「教育研究では、ボストンに設置されたチャータースクール(公設民営学校)は、テストの点数の改善や、大学進学に向けた準備を促進したと明らかにしています。("Education Studies indicate that charter schools in Boston have had a positive impact on student test scores and college readiness, and have narrowed the gap between African American student and White student performance.")」

 

「一方、ミシガン州において、デトロイトの市民の47%が読み書きができません(CBS Detroit, 2011)。どうしたら私たちはボストンに見たようなポジティブな結果を、両方の都市の生徒たちが皆成功できるよう、打ち立てられるのでしょうか? どうしたらデトロイトは基本的な教育を住民に提供できるのでしょうか? ("Meanwhile in Michigan, 47% of Detroiters are functionally illiterate (CBS Detroit, 2011). How can we build on the positive results we’ve seen in Boston so all students in both cities succeed? How can Detroit provide basic education to its residents?")」

 

交通と都市基盤(Transportation and Infrastructure)では、「つねにマサチューセッツ湾交通局(MBTA)は130万人の乗客を域内の175の街へ運んでいる。しかし、2015年の冬にMBTAが失敗を重ねたことで、ボストンの公共交通への悲観論が高まり、2024年ボストンオリンピック招致の大きな抵抗運動に対して火を油を注ぐことになった。一方、デトロイトでは公共交通は存在しない。軽量鉄道建設の試みはあるが、自動車なくしては不便な都市である。 ("Every weekday the Massachusetts Bay Transit Authority serves nearly 1.3 million riders in 175 cities and towns. However, public skepticism of Boston’s transportation infrastructure ballooned after repeated MBTA failures in the winter of 2015, and fueled loud resistance to Boston’s 2024 Olympic bid. In Detroit, public transport is virtually non-existent. Attempts to create a light rail in Detroit are underway, but the mobility of those without cars is still severely limited.")」

 

住宅と近郊開発(Housing and Urban Development)では、「多くの都市のように、ボストンは下層住宅地の高級化(ジェントリフィケーション、gentrification)に取り組んできた。("Like many cities, Boston is grappling with gentrification in its historic neighborhoods.") デトロイトでは、7万8千の家が放棄されたか、廃墟となった。2008年以降3分の2の市立公園が閉鎖された。689,000人が住む都市で108しか公園が開いていない。("In Detroit, 78,000 homes are either abandoned or ruined. Two- thirds of city parks have been closed since 2008. Only 108 parks remain open in a city of 689,000 residents (Smith, 2013, CNN).")」

 

「ホームレスはボストン、デトロイトとも、増加しつつある。デベロッパーや、企業や、市政府はどう地域社会と連携して、貸物件や、家や、ホームレスを安定化させ、地域社会の場を残せるのだろうか? ("Homelessness in both cities is been on the rise. How can developers, businesses, and city government work with communities to stabilize rents, house the homeless, and preserve community spaces?")」

 

そして、機会(Opportunity)として、下記のテーマを列挙しています。これらは恐らく部会のテーマになるものと思われます。今後の登壇者の確定等に応じて、より詳細の発表があるものと思われます。

 

都市の教育とチャータースクール (Urban Education and Charter Schools)

デトロイト: 水と公共サービスを提供する (Detroit: Providing Water and Public Services)

デトロイト: 破綻後 (Detroit: After Bankruptcy)

ボストンのオリンピック招致の撤退: 学んだ教訓と今後のステップ (No Boston Olympics: Lessons Learned, Next Steps)

女性の交渉セミナー (Women’s Negotiations Seminar)

都市の分析: インパクトを測定する (City Analytics: Measuring Impact)

都市近郊のインパクト投資 (Urban Impact Investing)

新しい公共交通のソリューション (New Transportation Solutions)

 

日本でも夕張市が経営破綻をし、今や日本各地において消滅自治体と指摘される地域が続出しています。地域の教育の課題も深刻です。若者たちは日本にも活かせる貴重な学びが今回の大会でできると思います。

 

明日は、2つ目のトラックの「目的を持った利益 (Purposeful Profit)」について、お話をする予定です。

 

(教育の世界的な社会起業家のメアリー・ゴードンが2012年大会で登壇)

 

(2013年の本スタディプログラムに参加した若者たち)

 

本スタディプログラムはまだ募集を継続しています。さらには、本クラウドファンディングでの助成を希望する若者の募集も継続しています。

 

またとない貴重な機会で学ぼうという若者へのご支援を、何卒お願い申し上げます。

「都市を変えていくこと」について、若者たちは学ぶ予定です! 2016年3月に開催されるハーバード社会起業大会スタディプログラムへ参加する、将来性ある若者たちへの投資をお願いします! クラウドファンディングによる応援をよろしくお願いいたします。