世界最高峰の山岳冒険レースへの挑戦。43年の山との人生をぶつけたい

 

 

ROAD TO X-ALPS　江本悠滋の挑戦

今回の僕の挑戦の真意をお話ししています。ぜひご覧ください。

 

 

 

 

 

こんにちは！プロ国際山岳ガイドの江本悠滋（えもとゆうじ）です。フランスの国家山岳ガイドを取得し、国際山岳ガイドとして20年以上、世界中の山を登り続け、お客さまの夢を叶えるお手伝いをしてきました。

 

 

スキー、クライミング、パラグライダー、トレイルラン...あらゆるアウトドアスポーツを通して「地球と遊ぶ」体験を追求してきた僕は、2023年、Red Bull X-Alpsエックスアルプスの出場権を獲得することができました。

 

 

Red Bull X-Alps

 

「Red Bull X-Alps」とは、世界で最も過酷とも言われるアドベンチャーレースです（※1）。ヨーロッパアルプスの山々を貫く約1800kmの道のりをわずか10日間で、パラグライダーと徒歩だけで横断します（※2）。トップパイロットのみが許される、パラグライダー選手なら誰もが憧れる世界大会です。

※1 https://www.redbullxalps.com/the-race/about

※2 https://www.redbull.com/jp-ja/x-alps-2013

 

 

直近2021年の大会は、オーストリアのザルツブルクからフランス・イタリア国境のモンブランへ行き、そこから折り返してオーストリアのツェル・アム・ゼーを目指す、歴代最長レースとなりました（※3）。

※3 https://www.redbullxalps.com/the-race/about

 

 

2021年のコースは、直線距離だけでも1,238km。ちなみに日本の北アルプス、中央アルプス、南アルプスを抜ける距離が400kmほどとなるため、直線距離だけで2往復以上を10日間で駆け抜けるレースです。

 

 

10日間で1,800km。
完走の鍵は「空」

 

最高にクレイジーなレースですが、世界でこれほど面白い競技を、僕は知りません。

 

順位以前に、過酷な環境に加え、厳しいレース規則により完走すら極めて難しいのが、このX-Alpsです。

 

長距離を駆け抜ける完走の鍵は、見えない「大気」を味方につけ、風を掴み、空を飛ぶこと。すなわち、パラグライダーで効率的に進むことです。

 

 

天候と地形から、どこで空気が温まり上昇気流が発生しているか、見えない風を読みながら、最適なコースを選びます。いい風に乗ることができれば、1回のフライトで100km以上進むこともできる、超強力なアイテムです。

 

一方、飛べないような天候の悪い日は、徒歩移動で1日を費やすこともよくあります。また、良い風が吹いているところまで、走り、登ることも必要。そのため、パラグライダーの技術だけでは勝てず、クライミングを含む登山や、トレイルランの要素も必須です。

 

 

広大なフィールドを、刻一刻と最適なルートが変わるなかで、自分の体力・技術・経験、そして支えてくれる仲間の知恵を頼りに進む、究極の冒険だと思います。

 

 

日本人で今大会唯一の出場。
江本悠滋

 

X-Alpsに参戦できるのは、近年のパラグライダーの大会やアドベンチャーレースで成果を残している、世界中から厳選された34名の選手だけです。2023年の大会に、僕は唯一の日本人選手として参加します※。

※https://www.redbullxalps.com/athletes

 

周りの人々は僕のことを “ Mountain Man " と呼びます。

 

スキー、登山、クライミング、アイスクライミング、トレイルラン、パラグライダーなど、あらゆる山岳スポーツに精通してきました。国際山岳ガイド・パラグライダーのフランス国家資格アスピランインストラクターの資格を持ち、普段はガイドとしてお客さまの夢を叶えるお手伝いをしています。

 

 

そんな僕が、自分のために、本気で挑むX-Alps。世界と戦うこの大舞台へのチャレンジに、山に精通するたくさんの仲間たちも注目してくれていて、心強いメッセージをいただいています。

 

Team Japan Emoto

応援メッセージ

 

上村愛子さん

スキーヤー　メダリスト

▼枠内でスクロールが可能です

 

 

土井陵さん

トレイルランナー

 

 

 

 

断たれたスキープレーヤーへの夢
競技から離れて感じた、「地球と遊ぶ楽しさ」

 

 

山との出会いは3歳で始めたスキーでした。15歳で単身フランスへ留学し、世界の大舞台へ...

そう思い描いていた中、靭帯損傷の怪我を負い、スキープレーヤーとしての夢を諦めることに。

 

夢見ていた将来を見失い、失意のうちにいた僕を救ってくれたのが、登山でした。

 

当時、ヨーロッパに住む僕の周囲には、登山をする人が自然にいました。登山を始めたのも、スキーのリハビリの一環として周囲の人と山に通っていた時期に、本格的な登山へ誘われたのがきっかけです。

 

初めての登山挑戦は、イタリアとフランスの国境に位置するヨーロッパアルプスの最高峰 モンブラン（4807m）でした。

 

 

そのとき、美しい景色もさることながら、これまで個人競技一辺倒だった自分が、チームで登ることの面白さに目覚めました。登山は、自分の技量や相手の技量、その日の天候や山の状態などを踏まえて適切なルートを選択し、チームで登頂して帰ってくる、という行為です。

 

個々人の競争という概念を脱し、絶対的な信頼関係のもと登頂と下山というゴールを目指す行為に、すごく面白みを感じました。

 

 

それからは、登山に没頭しました。次第に、自然の懐の奥深くで「遊ぶ」ことによって、自分の身を守るために自然の状態を見極める技術や感性を磨いていきました。この力はその後も、大切な局面でいつも僕を助けてくれています。

 

山にのめり込んでいった僕は、岩場、氷、アラスカの大岩壁とフィールドをどんどん広げていき、山の中で自然と遊ぶ方法、場所を広げていきました。

 

 

空との出会い
見えない「大気」のフィールドへ

 

 

空との出会いは10年ほど前、夏のガイドシーズン中のモンブラン山頂でした。

 

それまでは自分の足で登らなければ辿り着けないと思っていた場所に、「空」から人間が次々に降り立ちました。人類が初めてパラグライダーでモンブラン山頂に降り立った瞬間に、偶然居合わせてしまったのです。

 

自分も飛んでこの場に来てみたい。そう思いました。ヨーロッパでは登山とパラグライダーをセットで楽しむことがポピュラーであることを知り、それ以降、パラグライダーにのめり込みました。

 

パラグライダーと他の山岳スポーツとの根本的な違い、それは「見えないものを掴む」ことです。もちろん、ほとんどの山岳スポーツで「天候」は重要ですが、それは目の前の「山」や「川」「岩」「雪」「氷壁」などと対峙するための、補助的な判断材料です。

 

パラグライダーは、大気そのものと対峙する点が他と決定的に異なります。見えない風を読むことで、自然の見え方がガラリと変わりました。あの山の頂に立つためには、どこの上昇気流を掴めば良いか。良い風に乗るには、あと何分待てば良いか。想像が湧き出るようになったのです。

 

 

そして掴んだ切符。
「到達点」X-Alps出場へ

 

 

パラグライダーの習得は日本の小さなスクールから始めました。練習拠点をヨーロッパに移してからは、パラグライダーフランス国家資格アスピランインストラクターにも認定され、2022年にはヨーロッパで最も過酷なアドベンチャーレースの一つである、X-Pyrエックス ピレネーに日本人として初出場しました。

 

 

初日から大きなトラブルがあり、とても苦しいスタートとなりましたが、チームのアシスタントさんや応援してくださる皆さんのパワーをいただき、最後は大きく挽回して大会を終えることができました。声援を送ってくださった皆さん、本当にありがとうございました。

 

 

 

このように着実に戦績を残していった結果、ついに「The Red Bull X-Alps」への出場権を獲得しました。X-Alps への出場は、これまで「地球と遊ぶ」経験を積み重ねてきた僕が目指していた、一つの到達点です。

 

ここまでの43年間を、ぶつける大会にしたいと思います。

 

Team Japan Emoto

応援メッセージ

 

平山ユージさん

クライマー

 

 

 

 

全力で冒険に打ち込み、
完走を目指す

 

過酷なコースに加え、厳しいレース規則により完走すら極めて難しいのが、X-Alps。完走率6%と全参加者の2名のみという結果になることも珍しくないレースです。

 

1日の移動距離は平均で100km以上、危険な山岳地帯に身を置き続け、限界に挑戦し続けることは肉体的にも精神的にも厳しいものがあります。46歳の僕は体力面でも、パラグライダー歴でも、世界のトップ選手とは差があります。

 

そのような環境だからこそ、僕は完走を目指します。

 

スキー、登山、パラグライダーと、行きたいところに行く「冒険」のための手段としてスキルを磨き続けてきた僕の、集大成になるからです。僕は山に登っている回数や、その中で苦しい環境にいた時間の長さ＝「経験」なら負けません。

 

 

それに、X-Alpsはチーム競技です。3人チームで、僕をサポートしてくれるアシスタントメンバーがいます。天候や地形、他の選手の動向など、僕の経験と彼らの知恵を織り交ぜながら、みんなで完走をめざします。

 

仲間がいるから、全力で冒険に打ち込める。失敗してもいいから、チャレンジしてもいいと思える。自分の限界を大自然にぶつける技術を測るには、これ以上ないチャンスです。

 

 

 

Team Japan Emoto

応援メッセージ

 

佐々木明さん

スキーヤー

 

 

 

 

今回のX-Alpsには、唯一の日本人として参加します。近くでサポートしてくれるアシスタントさんも必要なら、日本で応援してくれる人も必要です。そこで、Team Japan Emoto を結成することにしました。

 

この挑戦をひとりのものでなく、応援してくださる皆さまと共に挑む挑戦にして、一緒に戦い抜きたいと考えています。

 

すでに続々と、各界から心強い応援のメッセージをいただいていますが、さらに一人でも多くの方の応援をいただき、足を踏み出す心の糧としたい。そこでクラウドファンディングを通じ、Team Japan Emoto のメンバーを募ることといたしました。

 

僕は今回ご支援いただく皆さまの心と一緒に、X-Alpsに臨みます。競技者であり、ガイドでもある僕が、チームとして皆さまをアルプスにお連れします！

 

 

 

力量だけではない、
トップ選手との差

 

皆さんからいただいたご支援金は、X-Alps期間中のアシスタントの渡航・同行費用や、2週間を耐え抜く装備の費用に充てさせていただきます。実際、現在の円安傾向で当初想定よりもかなり出費が増え、経済的に厳しい状況です。

 

それだけでなく、そもそもトップ選手と僕の挑戦環境の差は、力量だけでなく挑戦にかけられる資金面でも圧倒的に異なります。一部を抜き出しても、下記のようなものがあります。

 

■コースを下見できる期間

トップ選手：1ヶ月間（そのうえ地元が近い）

江本：1週間

 

■サポートチーム用に使用できる車の台数

トップ選手：2台

江本：1台

 

■サポートメンバーの数

トップ選手：約6名

江本：2〜3名

 

その他、上位チームは天気予報会社との契約をしていたり、予備道具（グライダーやパラシュート、ハーネス）を用意できたり、スポンサー生活のため前哨戦となる大会に複数出る余裕があったりなど、環境は全く異なります。

 

彼らと勝負するために、そして彼らがそこまでして戦おうとする舞台で僕が完走するためには、皆さまの力が必要です。Team Japan Emoto としてX-Alpsを戦い抜くために、温かいご支援をよろしくお願いいたします！

 

 

 

最後に

 

X-Alpsの大会期間中は、僕がどのようにアルプスの山々を飛んでいるか、リアルタイムで見ることができます。Team Japan Emoto に加わっていただいたら、ぜひ、僕の足取りを観戦してもらい、日本から応援いただけたら嬉しいです。

 

現地でも、SNSの反響や励ましの声は、本当に力になります。Team Japan Emoto のみなさんの心と一緒にX-Alps完走に向けて頑張ります。

 

少しでも、今回の挑戦を面白いと思って下さった皆さん、ぜひ僕と一緒に、アルプスの山々に行きましょう！

 

 

 

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