2200形電車を守り抜く覚悟
本終了報告は、プロジェクトページ上に記載されている実施内容(2200形車両の輸送)が、皆様よりご支援頂いた支援金によって、目的通りに実施完了したことの報告でございます。
READYFORのシステム上、リターンの準備状況とは関係なく終了報告を投稿する必要があるため、投稿させて頂いておりますが、2200形電車保存会では返礼品やイベントなどの対応を今後とも責任持って引き続き進めて参ります。
あわせて2200形電車 救出・保存のクラファンが終了しても、2200形電車の保存プロジェクトに「終わり」はなく、これからも引き続き、故郷・小田急沿線への帰還を一つの夢・目標として活動に励んで参ります。<<2025/1/1 追記>>
この度は、2200形救出・保存プロジェクト「解体決定の小田急2200形を救い、ポッポの丘で皆の夢を叶える電車へ」にたくさんのご支援を頂きありがとうございました。
1641万8610円という、私鉄電車の保存に取り組む鉄道保存団体として、過去最高金額のご支援を頂きました。もちろん金額では示すことのできない、小田急線の電車を思うたくさんの皆様の情熱がそこには込められていると思います。
おかげさまで2200形の解体は2211号・2212号ともに撤回となり、9月26日未明〜27日にかけて、新たな活躍の場となる「ポッポの丘」「首都圏電車区」に輸送することができました。
山梨県笛吹市を出発した2両の電車は、これまでの歩みを振り返るかのように、輸送の途中、27年ぶりに第二の故郷である富士急線沿線を通り、42年ぶりに故郷である小田急線沿線の故郷の土を踏むことができました。
68年間どんな時も共に歩んだ2両は、小田急線の走る場所を横目に、再会を誓いながら別々の場所に向かって行きました。
前照灯と通過表示灯を点灯させ不死鳥のように闇夜を走り抜ける光景は、まるで現役の電車のようで感動の声を頂きました。
前所有企業様・輸送会社様・協力会社様・また会員・ボランティアの皆様に心より感謝致します。
また安全管理や急な停泊場所の変更などで、支援者様にお知らせができなかったこと、お詫び致します。
到着した「ポッポの丘」「首都圏電車区」では、2両の電車は早速たくさんの方に親しまれる存在となっています。
車内も清掃や整備が進み、車内でご飯を食べたり、小田急線の思い出話をしたりすることができるようになりました。
さらに「ポッポの丘」「首都圏電車区」では車両保存の取り組みが次々と進んでいます。
「ポッポの丘」では加悦SL広場に保存されていた加悦鉄道4号機関車を解体の危機から救うことができました。
「首都圏電車区」でも現在、銚子電気鉄道デハ1002号(営団地下鉄2040号)を解体の危機から救うためのクラファンを現在実施中です。
https://readyfor.jp/projects/TRTA2040
まさに「皆の夢を叶える電車へ」というクラファンのタイトル通り、皆様の暖かいご支援で救出された2200形電車が、今度は次々と鉄道保存界に花を咲かせようとしております。
ご支援頂いた資金に関しては、車両の輸送・搬出に必要な費用・リターン(返礼品)制作費用などに大切に活用させて頂いております。
まだ製作中のリターンなどもありますが、もし最終的に残った費用が生じた場合は、今後の車両塗装・整備などに大切に活用させていただきます。
あわせてリターンに関して、当初の予定より制作・発送にお時間を要してしまっているものがあり、大変申し訳ございません。
この年末年始も、たくさんの方々のご協力を頂きながら、一点一点心を込めて発送を進めております。
現在、新しい年を控えまして、輸送やリターンイベントがひと段落し、たくさんの方々のご指導を頂きながら車両の修復への計画を立てております。
2025年は、皆様のお力添えを頂きながら、修復・維持管理を一層進めて参ります。
一つの目安として2211号・2212号の製造から70年を迎える2026年までに美しい状態を取り戻すことができること、そして馴染み深い新塗装の2200形をお見せできることを、目標として参ります。
最後に、保存会のXなどでは既にお知らせしておりますが、READYFORのプラットフォームでもお知らせしなければならないことがございます。
長年小田急線の電車の保存・見守りにご尽力され、私ども2200形電車保存会を共に立ち上げられた松葉実様が、病気療養中のところ11月20日にご逝去されました。
ポッポの丘の2211号のイベントを楽しみにされておられ、首都圏電車区の2212号の新塗装への整備が完了したらお見せするともお話していましたが、残念ながら叶うことはありませんでした。
最後に松葉さんが2211号・2212号と出会ったのは、輸送途中の小田急線の走る線路の脇でした。
松葉さんからは事あるごとに「笛吹の2200をなんとかしたいんだ」と「小田急の保存車を沿線に集合させたいんだ」と聞いておりました。
2200形の解体が決まって「せめて部品を取りに行くんだ」という話を聞いて、生涯追いかけ続けた電車が、目の前で壊されるのだけは、どうしても避けたかったのです。
解体されるはずだった2両が、1日だけとはいえ小田急線の走る街に帰ってきた時、とても喜んで頂いたのを昨日のように思い出します。
松葉さんが命を賭けて守った2211号・2212号を、守り抜かねばならない。
そして、いつの日か、必ず故郷である小田急沿線に連れて帰り、2両を連結させる。
共に見たかった景色を、共に叶えたかった夢を、何十年かけてでも追いかけ続け、現実のものとする。その想いと覚悟は、今後とも変わることがありません。
皆様のご期待にすぐには応えきれない部分・至らぬ点も多々あるかとは思いますが、いつの日か2両の電車が小田急線沿線に帰ってくる日を夢見て、2両の修復・維持管理・活用に今後とも尽力して参ります。
繰り返しとなりますが、今回のクラファンにご支援頂いた皆様には、心より感謝するばかりです。本当にありがとうございます。
2200形電車保存会の活動に、引き続きどうぞ皆様のご協力・応援をお願い致します。
2200形電車保存会
会長 今井 美槻
































