ネパールの小学校に、明かりが灯りました!
皆さまこんにちは、明かりを灯そうプロジェクトの菊池伯夫です。
ネパールの村に明かりを届けるプロジェクトにご賛同いただき、ご支援、ご協力くださった皆さま、本当にどうもありがとうございました。
プロジェクトチーム一同は1月下旬にネパールへ渡航し、2月3日になんとか無事、現地のサヒッドハリプラサッド小学校に軽水力Cappaを導入し、明かりを灯すことができました。
現地での許認可手続きが長引くなど、新興国特有のトラブルが想定以上に発生したため導入が当初の計画より遅れ、皆さまへのご報告が大変遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。
なんとかプロジェクトを成功できたのは、応援して下さった皆さま一人一人の思いがあってのことです。
皆さまの熱いご支援に心より感謝し、以下にご報告させていただきます。
【 サヒッドハリプラサッド小学校について 】
水力発電機を導入したサヒッドハリプラサッド小学校は、ネパールの人気観光地ポカラから車で約1時間半、舗装のされていない悪路を、山を越えて川を越えて行った先の、カスキ群コラムックという電力不足の農村にあります。この小学校はネパールでダリットと呼ばれる人々(ヒンドゥー教でかつてのカースト制度の最下級、不可触民とされた、いわゆるマイノリティーの人々)の学校で、全学年で約70人、5〜14歳の生徒が在籍しています。
ネパールの農村部では、都市部に比べて教育環境も格段に悪く、文字を書けない小学生も多くいます。ネパールの発展には、この教育格差を埋めることが先決との思いから、今回、この小学校への導入を実施しました。
【 水力発電用の水路を製造 】
小学校の近くに流れている自然の小川の流れを利用して軽水力Cappaで発電を行うことにしました。しかし実際Cappaを導入するにあたり一番の課題となったのは、自然の小川なので水量をきちんと安定させないと十分なパワーが取れないことでした。
そこで小川の一部に水路を作り、その水路にCappaを沈めて発電を行うことで水量を確保し、安定した発電を行えるようにしました。水路は地元コムラック区の行政の方々と私たちプロジェクトチームと、DCRDCというカウンターパート(現地パートナーの国際NGO)とで協力して茨城製作所と一緒に、23日間かけて完成させました。
【 発電開始!明かりが灯った瞬間 】
この水路にCappaをドボンと沈め、発電した電気で明かりが灯ったときは、子供たちはみんな大喜びで、『どうしてCappaは川から発電して電気を作れるのに、自分たちが川に入っても感電しないの?』というような可愛い質問がたくさん出ました。
子供たちをはじめ、近隣住民の皆さん、学校の先生方、地元の行政の方々やご協力者の皆さんも、自分たちの身近な小川から電気がとれて、明かりが灯った瞬間を眼の当たりにして、本当に感動して喜んでくれました。
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【 発電した電力の使われ方 】
水力発電による電力で、教室の明かりをはじめ、Wi-Fiルーター、プロジェクター、プリンター、コピー機、ノートパソコンなどを使えるようにすることで、学習環境の向上と教育水準の底上げを目指していきます。
実際、軽水力Cappaが導入されてから学校での学習環境は劇的に変わったと聞いています。校舎の木製の窓にはガラスがないため、今までは、冬季やその外の季節でも気温の低い朝は、寒さから窓を閉めるため教室は真っ暗。とても授業が行えませんでしたが、明かりがつくようになってからは窓を閉めても授業を行えるようになり、授業時間が飛躍的に増えました。
さらに、Wi-Fiを通してインターネットが使えるようになったことで、世界とつながり、より多くの情報にアクセスできるようになりました。
子供たちは、これから今までよりもっと勉強ができることに目を輝かせて大喜びしていました。
小学校のパソコンとプリンターは、地域住民の方々にも活用してもらうべく、開放利用を考えています。発電のベネフィットが子供たちの学力向上に留まらず、近隣住民の皆さんの識字率の向上、やがて生活水準の向上や女性の社会的地位向上へと、ポジティブスパイラルでつながり、この小学校と地域の方々の明るい未来が拓けていくことを期待しています。
水力発電機の使い方は、学校の職員の方々に習得してもらいました。この発電機は使い方を理解すれば誰にでも使えます。また、トラブルの際は現地の技術チームが対応できるようにもなっています。
【 発電機を導入して終わり、ではありません。 】
今回、水力発電機が導入され学校に明かりが灯ったことは、現地の皆さんの人生が変わるほどの大きな出来事です。ネパールの農村では、たった一つの「明かり」に大きな可能性があります。
しかし、これはゴールではなく、スタート。
本当の意味でのネパールの発展は、この発電機を使う人々の「意識」や「行動」が変わっていくことでこそ、成し遂げられるのだと思います。
例えば、ネパールではゴミを川に投げ捨てる習慣があり、悲しいことにゴミで溢れた川をたびたび目にします。自然環境を守るという意識もまだあまりありません。
まずは、川にゴミを投げ捨てず、自然エネルギーを供給してくれる自然環境を大切に守る、という意識を持ってもらわなければ発電もできません。
また、発電した電気エネルギーは有限だという意識を持ち、電力を大切に使って欲しいです。日本でも同じですね。
今回、子供たちに働きかけをしたことで、その両親、そして他の大人たちへと意識や行動のモチベーションが波及し、やがて地域全体が変わることで、少しずつ未来が拓けていくことを信じています。
このプロジェクトが、自ら未来を切り拓こうとする住民の方々の意識の芽生えに貢献できたら嬉しいです。
【 支援金の使途 】
ご支援総額: 8,239,000円
使途内訳
・機材費(軽水力Cappa水車発電機システム一式)
・輸送費(国内輸送、空輸、関税、現地輸送費)の一部
・現地コーディネーター費
・現地調達水車設置機材(設置用の足場、盗難防止用ケージ・鍵・鎖など)
・現地調達機材(LED、ソケット、スイッチ、電線など)
・クラウドファンディング諸経費(手数料、リターン費用)
・水路建設費用の一部
【 今後の活動について 】
私たちはハードウエアである水力発電機の導入だけでなく、ソフトウエア面でネパールの方々の意識改革のお手伝いも大切だと考えているので、エコスクール(環境学習)や技術移転、大学での講義など、これからも積極的に続けて参ります。
未だ世界の4分の1の地域が無電化です。
私は体力と時間の許す限り、持続的にこの活動を続けていきたいと思っています。今後もFacebook等で情報をお届けしていきたいと思っていますので、応援していただけると大変励みになり嬉しいです。
菊池伯夫Facebookページ https://www.facebook.com/norio.kikuchi.79
また、エネジュエリーをお持ちの方は、時折明かりを灯してネパールのことを思い起こし、ご家族やご友人とネパールについて話していただけると嬉しいです。ジュエリーの存在が、ネパールにシンパシーを寄せる人を一人でも増やすきっかけとなり、ネパールの未来が明るく変わっていくことを願っています。
改めまして、この度は温かいご支援、ご協力をいただきまして、本当にどうもありがとうございました。
今後とも、明かりを灯そうプロジェクトをどうぞよろしくお願いいたします。