「九州大学オール・アンモナイトプロジェクト」実施終了報告
●「九州大学オール・アンモナイトプロジェクト」にご協力下さり,誠にありがとうございました.予想を上回るご支援を賜り,「化石に興味をもって下さる方がこんなにたくさんおられるとは!」と驚くと同時に,とても勇気づけられました.心よりお礼申し上げます.おかげさまで2019年2月をもちまして,無事にプロジェクトを終了しましたのでご報告いたします.
<経緯>:
●2018年5月に当初目標額100万円で支援募集をスタートしましたが,予想を上回るご支援をいただき,途中で2回,目標額を上方修正しました.そして8月10日までの約2ヶ月半の間に延べ145人の方から,合計2,435,000円のご支援を賜りました.
●2018年10月に支援金がReadyforから九州大学に移管され,諸経費を差し引いた金額:1,918,780円をもとにプロジェクトをスタートさせました.
●海外オークションに流れてきた古典的なコレクションに的を絞り,世界各地のアンモナイト化石を収集しました.その結果,英国,フランス,ドイツ,オーストリア,スイス,スペイン,ギリシャ,ハンガリー,ポーランド,ロシア,カザフスタン,モロッコ,マダガスカル,インドネシア,中国,オーストラリア,アメリカ,コロンビア等から,古生代〜中生代の各時代を代表する約100点のアンモナイト化石が集まりました.これらの中には,本邦初見参の種類も含まれています.
●九州大学総合研究博物館の一角に「化石閲覧開示室」を設け,これらの化石を収蔵・展示します(写真はその一部).

<収支報告>:
内訳は以下のとおりです.
●収 入: 合計 2,425,000円
・支援金 2,435,000円
●支 出: 合計 2,435,000円*
・クラウドファンディング手数料 394,470円
・その他事務経費 121,750円
・標本購入費 1,681,293円
・標本輸送費(一部の別送品) 8,215円
・収納・展示用品費 99,670円
・リターン発送費 68,882円
・国内旅費(輸入業者との連絡) 60,720円
*手続上,全ての会計処理が終了するのは2019年3月末です.
<リターンの発送・実施状況>:
●詳細は以下のとおりです.
1)解説ラベルつきアンモナイト化石:希望者全員に発送済(11月末).
2)サイエンス・ツァー:2019年2月10日に第1回を開催;希望者全員に通知済.以後,数回実施します.予定が決まり次第「新着情報」などを通して連絡を差し上げます.今回ご都合の悪い方は,次回以降にぜひご参加下さい.お待ちしています.
3)博物館内にお名前を掲示:「化石閲覧開示室」入口に希望者全員のお名前を掲示します(2月8日).同時に「九州大学総合研究博物館ニュース」に掲載します.
4)上記以外の支援者全員にお礼のカードを郵送しました(11月末〜12月).
<今後の予定>:
●今回のプロジェクトは終了しました.しかし,今回集めた化石は2万種類以上いたアンモナイトのごく一部に過ぎません.実際には,皆さまのご支援のおかげでようやくスタートラインに立たせていただいたというのが実感です.
●「極めて重要な種類なのに標本が日本になく,研究者や研究を志す学生が実物に触れる機会がない」,あるいは「アンモナイト化石の実物を見たり触ったりする機会が少なく,アマチュアや一般の方の知的好奇心が満たされない」という状況は,残念ながらまだ解消されていません.
●このような状況を打ち破るため,九州大学総合研究博物館では,長期的視点に立って今後も重要化石の収集およびその研究・教育・公開に努めます.そのため,再び皆さまにご支援をお願いすることがあるかもしれません.その折には,何分,よろしくお願い申し上げます.
●一方,本プロジェクトおよび化石標本の収集についてご意見やご希望がございましたら,ご遠慮なくプロジェクト責任者までご連絡下さい.
九州大学総合研究博物館・分析技術開発系・教授
前田 晴良



















