南極望遠鏡の目的（９）：銀河の誕生と暗黒銀河

銀河の誕生を調べるには宇宙のはるか遠方を観測する必要があります。我々の住んでいるこの宇宙は、最初はほぼ点だったと考えられています。それが約138億年前に大爆発（ビックバン）を起こして急激に膨張し、冷えて原子ができ、分子ができ、ガスができてそれらから星が生まれ銀河が誕生したと考えられます。その銀河誕生の時期はわかっていませんが、約130億年～135億年ほど前のどこかではないかと推測されています。南極望遠鏡ではそこを見たいと思っています。今でも可視光では100億年以上先～132億年ぐらいまで見えていますが、そこにある銀河の数は理論的に予想されている銀河の数の1～2割程度であり、7割以上の銀河が足りません。本当に無いとすれば大きな問題ですが、無いのか見えていないだけなのか？そのような、光では見えていない「暗黒銀河」は電波（テラヘルツ波・サブミリ波）では発見できるはずだというのが南極テラヘルツ望遠鏡推進の考えです。