破棄されるだけの駆除された鹿革。革のカシミヤと呼ばれる特性を靴に！

▼私のターニングポイント

 

ページをご覧いただきありがとうございます。

 

祖父の代から、大阪で靴資材を製造販売しております、

 

株式会社新井商店　新井康之と申します。

 

 

子育て世代の私は、コロナ禍の中、家族でキャンプに出掛けることが多くなりました。

 

ある日キャンプ場へ向かう山の中で、

 

害獣

 

と書かれた看板を目にしました。

 

 

 

 

キャンプ中は携帯を触らない家族ルールがあったのですが、

 

どうしても気になり調べてしまいました。

 

 

▼鹿という動物にどんなイメージがありますか？

 

 

害獣？

獣害？？

 

イノシシが収穫前の芋を掘り起こす・・・

 

サルが観光客の食べ物を奪いに来る・・・

 

鳥が果実をつっついてダメにする・・・

 

恥ずかしながら、こんなイメージしかありませんでしたが、

 

 

 

鹿が１番農作物への被害金額が大きかったのです！

 

令和3年度の統計では、鹿の被害額はなんと約61億円もの農作物に

 

被害が全国に広がっており、増加傾向にあります。

農林水産省HPより

 

 

また、農作物だけに収まらず、森林への食害も広がっております。

 

＊樹皮を食べられた木です

 

 

大きな木の樹皮はもちろん、植林したばかりの若い木も根こそぎ食べてしまい

 

木が弱り、森林が荒れ、山の保水力が落ち、

 

昨今の集中豪雨が降ってしまうと、土砂災害につながる原因の１つでもあります。

 

 

 

 

対策として令和３年度へは、約７０万頭の鹿が害獣として駆除されており、

 

継続して同等の駆除数を継続していかねばなりません。

環境省HPより

 

そして駆除された鹿のほとんどが、山で遺棄されるか焼却処分されています。

 

 

▼革のカシミヤと呼ばれる鹿革

 

 

害獣として駆除された鹿を専門に扱うタンナーさん（皮から革へ加工する業者さん）に

 

ご協力いただき、素材として有効活用できる道を2021年11月に作り始めました。

 

 

＊いつもご協力いただいているタンナーのお二人

 

 

 

＊革へ加工する前の皮の状態。ここから加工が始まります。

 

 

鹿革に触れたご経験はございますか？

 

その時初めて触らせていただいた肌触りに、とってもびっくりした事を

 

今でも鮮明に覚えています。

 

 

 

 

無理やり引き裂くと、極細の繊維が絡み合っているのが良く分かります。

 

鹿革の特徴として、こんなにもたくさん良い点があります。

 

 

 

 

個体差や加工方法を加味しない、一般的な革の柔らかさ、硬さを表現すると

 

こんなイメージになります。

 

 

 

▼有効活用する方法

 

とっても柔らかい鹿革を利用して、めちゃくちゃ柔らかい靴を作ろう！

 

出来たサンプルの、一番最初のファンは、義母でした。

 

靴選びに、人一倍時間のかかる義母ですが

 

 

 

撮影に協力してもらい、1時間以上歩いてもこの笑顔。

 

履いたそばから馴染む靴

 

がコンセプトです。

 

妻にも、娘にも自信を持ってオススメできます。

 

 

 

新品の革靴、硬いイメージありませんか？

 

 

 

製法も靴職人の手作りでしか出来ない、ふくろ式製法という

 

特殊な製法を採用して

 

ふわっと足を包み込むイメージに仕上げています。

 

 

 

縫製は、立体的に縫製する事でやさしく包み込む形を作り

 

 

 

 

 

 

1足1足、職人さんの手仕事で仕上げていきます。

 

 

 

 

 

継続して鹿革を使用した靴を作り続ける事によって

 

・害獣被害の認知向上

 

・鹿革の素晴らしさの発信

 

・鹿革を取り扱う経済圏の発展

 

・天然素材を使用するＳＤＧsの取り組み

 

を目的としており

 

日本の里山で育った鹿革と、日本の靴職人が作る技術で

 

日本全体での地産地消を目指しています！

 

 

 

使用する靴底は、従来の原料よりも軽量化されたウレタンソールです。

 

足への負担と、地球環境への負荷を軽減を実現しました。

 

 

 

 

発泡ウレタンソールだから表現できる

 

スマートなラインと滑らかな曲線。

 

 

 

 

つま先部分とかかと部分には厚みをプラスして

 

アスファルトから足の裏への負担を和らげてくれます。

 

 

 

 

階段等の段差でもしなやかにフィットしながら屈曲します

 

 

 

 

 

 

足の甲にある紐で、フィット感はご調節ください。

 

 

 

 

靴以外のリターンとしまして、

 

こちらの靴と同様な作り方のサンダル

 

 

 

 

シンプルなスリッポンスニーカー

 

 

 

 

これらの靴で使用される鹿革１頭分

 

 

 

 

コロナ禍の中、経済が止まってしまう大変さは

 

多かれ少なかれ皆が体験したと思います。

 

駆除された鹿の革の有効利用率は

 

１％以下です。

 

鹿革を取り扱う環境は、ずーっとコロナ経済のままです。

 

私たちは、鹿革を使用して靴作りをし

 

皆様に喜んでもらえる靴をつくり

 

消費を通して

 

ジビエ経済を回す小さな歯車となろうと頑張っています。

 

どうぞ皆様、応援のご検討お願いいたしますm(_ _)m

 

 

最後になりましたが、株式会社新井商店　新井と申します。

 

今回の取り組みで使用する、害獣として駆除された鹿の革。

 

当初は、かわいそう。もったいない。という気持ちが先行していましたが

 

鹿革に触れれば触れるほど、素材としての素晴らしさを実感してきました。

 

消費を通して鹿革に触れていただき、日本の野山が育てた素晴らしい素材に

 

ご興味を持っていただきたく思っています。

 

是非とも、自然の恵みを生かした自信の１足をお試しください。

 

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。