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2016年3月30日ついにアーカスサロンに書棚を着工・完成!!

 

皆様こんにちは。コーディネーターの石井です。着々とアーカイヴ資料の調査をしてきたアーカススタジオでは、ARCO architectsの青木さん設計による書棚がついに年度末の3月30日に設置されました!ちょっと長めですがご報告いたします。

 

棚の施工を担ってくださったのは、奇しくもアーカススタジオの裏手にある鬼怒川を流れる滝下橋を越えたちょっと先の地元の工務店。株式会社コトブキ様にお願いしました。年末の12月28日に教室のランドセル棚を解体してから、入念に打合せを重ね、この日を迎えられました。

青木さんとコトブキさんとで掃除用具入れの特殊な形も念入りに確認。
(撮影:石井)


今回のクラウドファンディングで募ることになった経緯をお話し、「もりや学びの里」の前身である旧大井沢小学校を知る近隣地域・地元の方に丹誠込めて作っていただきました。この図書サロンを立ち上げるプロジェクトによってまた新たな地域のつながりを再確認できたこととも言えます。支援達成後も、更に多くの地元・守谷の皆様にご理解をいただき、ここまでたどり着けたことを非常に嬉しく感じます。皆さんの協力がなければ達成できなかったことです。

この3ヶ月の間に、地域プログラムも実施しながら、定期的にアーカイブ調査を重ねつつ、工場で作られた書棚を確認し、塗装工場へ出向いたりしました。

塗装コーティングも親身に相談に乗ってもらいました。
(撮影:石井)

いよいよ着工当日!

まずは土台の調整から。撮影:加藤甫

 

東日本大震災後の耐震工事を終えた2013年からは、2階の元スタジオをわたしたちの事務所、兼、一般に開放した「アーカスサロン」として活用しています。これまで、この教室=スタジオ/サロンを利用したアーティストが残していった痕跡はあちこちにあります。市民とアーティストが集う場所、出会いの場所でもあるのでとても感慨深いものがあります。

 

白く塗られたランドセル棚があったこの教室は、1996年にベルナール・ジョイスタンがカラフルなインスタレーションにした記録が残っており、比較的白い空間であったことがわかります。写真にある手前の赤いテーブルも彼の作品の名残りです。

(リンクの画面から[制作過程]をクリックすると当時のスタジオの様子がご覧になれます)

97年にヨハン・フリンツァーの白い刺繍の作品(「エキセントリック中年ボーイの日記」)、

98年にジーニー・カルメン・クロスビーの日本のアニメ文化に焦点をあてた白いドレスが映え、

99年にさとうりささんの白いリヤカーも印象的な「りさキャンペーン」、

00年に眞島竜男さんが彫刻を制作し、

04年は滞在後にシンガポールビエンナーレに出展したサンティアゴ・ククジュ

05年は藤井光さんの複数のモニターを使った映像インスタレーション(窓にスモークフィルムを貼られたのはこの頃?)、

06年は昨年の県北芸術祭に参加したテア・マキパー....と様々なアーティストが制作して来たスタジオです。

また 2008年に、Nadegata Instant Party (中崎透+山城大督+野田智子)の皆さんが「Parallel School」の舞台として作品を手がけ、またビジュアルイメージに使って下さった教室のひとつでもあります。
 

忘れそうになりますが元々はこのようなランドセル棚でした。

2016年度のレジデントが来日したての8月。
(撮影:石井)

彼らが110日間レジデンスプログラムで滞在し帰国してまもなくの年末。解体した後、完全無垢な状態となった壁と過ごした約3ヶ月はあっという間....

撮影:加藤甫

 

午前中は土台づくり。こんなに壁は白かったんだなと改めて。
撮影:加藤甫


廃校となった小学校の教室から20年以上経た今でも、いかにこの施設を有効活用していくか、わたしたちにとっても初挑戦でした。

緻密な設計計画のもとにコトブキさんが設営を進めます。
撮影:加藤甫

 

撮影:加藤甫

下の溝には昔懐かしいBB弾の玉が転がってたり(笑)あらわになった壁の跡を残しておきたい、とこすり出し(フロッタージュ)していく地元のアーティストもいました。

 

撮影:加藤甫

 

廊下で待機中の棚をいよいよ設置します!

(上2枚とも)撮影:加藤甫

わたしたちは年度末の打合せ。アーカイブ整備事業を支えて下さったアート&ソサイエティ研究センターの皆様と、今年度の調査過程について確認しあいつつ...背後では分割して作られた棚がどんどん運び込まれ、設置されていきます。

 

これが、中央の展示スペースとなる壁の部分です。取り外しできる可動式の棚が付属しています。READYFORで権利を獲得した支援者の皆様にはここで作品展示をしていただけます。

(上3枚とも撮影:加藤甫

思い返せばこの1年間、これまでの蓄積された事業記録をどのように有意義な財産として活用するか、そのためにどのように整理していくべきか、実に様々な調査をしてきました。その背景には、多くの応援してくださったアート関係者、全国のレジデンス事業で活動されている同業者の皆さん、歴代のOBスタッフや過去滞在アーティストやプログラムに関わった国内アーティストの皆さん、もっとも身近なアーカスサポーターの存在があります。そしてこの事業を支えてくださったアート&ソサイエティ研究センターの皆さんのご協力なしには語れません。

アーカススタジオにあるもの全てを数えることから始まった春から....

バックヤードの資料カウント... (撮影:藤本)

初夏まで調査を続けて、AIR(アーティスト・イン・レジデンス)プログラムに突入。そしてREADYFORを公開。

(撮影:藤本)

 

(ここより下、作業記録撮影は石井)

休む間もなく、レジデントアーティスト帰国後に作業再開。

とにもかくにも、まず安全に保管しなければならない資料のレスキュー管理や....

デュープされたポジのマーク箇所の筆跡記録も、メモに残しました。

ポジ・ネガ・紙焼き・その他の仕分け。招聘アーティストのポートレイト写真や選別された活動記録ポジもマウントに情報が細かく残されており、それを元に並べ方もカテゴライズしていきました。アーティスト1人のスタジオ活動に記録されたポジのコマ数・スリーブ総数は2000年度が最多でその後、徐々にデジタルデータへと移行。調査によって記録媒体による時代の変化も読み取れます。

アナログ時代は今のデジタル時代とまた異なる丁寧な記録保存がなされていました。

 

多様なバインダーに収納されていた、あらゆる雑誌の切り抜き、新聞記事の記録整理。

STUDIO VOICEで特集されたシャロン・ロックハートの「GOSHOGAOKA」。
ゴショガオカは実在する守谷市御所ケ丘中学校バスケ部との制作から命名。

 

AAスクールがアーカスに来たときに取材があったと思われる記事(1996年)

 

建築家の江頭慎氏とAAスクール(Architectural Association:英国で最も古く独立した建築学校)がアーカスでコミュニケーション・プログラム(現在の地域プログラム)を実施したときの記録には、インストラクターに、2020東京五輪のエンブレム/ロゴマークをデザインした野老朝雄(ところ・あさお)さんの名前もありました。

スタジオがファッション雑誌のロケで使われていた記録もメディアクリッピングとして閲覧可能。

 

さとうりささんの作品とともに撮影されたおしゃれな雑誌記事を発見したり。

他にも、メディアクリップに紛れこんでいた当時のプログラム資料も。

1997年度に滞在していた島袋さんのWS参加者の感想文も。

 

まずはどなたにもアーカスプロジェクトの活動を知っていただく、資料を活用していただくにあたり、新聞記事やメディアにとりあげられた記録、参加者の言葉が見える形として閲覧できるよう整理することを念頭に置きました。

限りある調査期間に少しずつ、しかし着実に丁寧に整備していくことの訓練にもなり、地道な作業の必要性を感じた3ヶ月でもあります。

...まずはパイロット事業時代(1994年度の不明資料を除き、95〜2000年というパイロット事業から本格事業へ移行する時期)に残されたドキュメントデータまで、と区切りをつくったものの、残された写真データの膨大さに気が遠くなりそうでした。お試し期間の6年があって、本格的に実行委員会事業として発足したわけですから、レジデンス事業の可能性・エヴィデンスとしての重要な資料がつまっているわけです。
収納ボックス3箱分、約2000枚以上に及ぶスライド・ポジ・ネガ・写真類は、こんなにコンパクトにまとまりました。

初期の記録集(1995年:一番左の冊子)は残り1冊。
(以上、記録撮影:石井)

 

適切な規格のプリザーバーに収納し、中性紙のバインダーケースに安全に収まりました。

 

さて、書棚がいざ設置されると、これまで設計図イメージでしか見ていなかったものが現物として目の前にあるにも関わらず、実感がわかず。しかもとても大きく、存在感があり........圧倒されます。

写真:加藤甫

この日の夜に棚は完成しました。

一日の経過はカメラマンの加藤さんに撮影していただきました。加藤さんはアーカスプロジェクトのドキュメントをここ数年担って頂いているカメラマンとして、急遽、記録協力をしていただきました。

こうして、多くの方々の力が集結してできた棚。
青木さんと私たちがイメージした棚、その想像をはるかに越えた素晴らしい図書棚が設置されたことに、担当者として終始涙腺が緩みそうになったのは言うまでもありません。

入口からダイナミックな棚の存在感。
写真:加藤甫
写真:加藤甫

手前右側の細長いスペースには、美術手帖がぴったり収まる高さ可変の棚を設置。アーカススタジオには1991年頃からの美術手帖を保有しています。

棚板の裏面の細かな匠の技にも感激。
棚の高さ可変。ありがたい!

 

茨城県で現代美術といえば水戸芸術館の現代美術センター。貴重なカタログが勢揃い。
(上記3枚記録撮影:石井)

早速、書籍を並べたくなります。まずは水戸芸術館の展覧会カタログから。
今後少しずつ整理した書籍や資料をそろえ、図書サロンとして見栄え良く利用しやすく整備していきます。書籍整備に興味があってお手伝いしたい、という方いましたら大歓迎です。

 

今回の図書サロン開設にあたり、全国からご支援くださった皆様に改めて心より感謝申し上げます。有り難うございました。
アーカスプロジェクト公式HP上におきましても、図書サロン設営にご支援いただいた方々を掲載させていただき、また、各支援者に該当するリターン権利を活用いただける詳細についてご連絡を適宜実施して参ります。
最後に、これを機に、支援者の皆様によって作られた図書サロンをより多くの方に愛用していただければと願ってやみません。

どうぞこれからもアーカスプロジェクトを宜しくお願い致します!


 

アーカススタッフと最終調整いただいたコトブキ/大山さんと!写真:加藤 甫

 

 

アーカスプロジェクト実行委員会

アーカススタジオスタッフ一同(朝重・石井・藤本)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







 

 

 

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