【マルミミゾウってどんな動物？①】分類、生息地、サバンナゾウとの違い

安佐動物公園のゾウ達を応援いただきありがとうございます。

今回の活動報告では、「マルミミゾウってどんな動物？」ということで、マルミミゾウの分類や生息地、サバンナゾウとの違いについて紹介します。
マルミミゾウについて知ってもらうきっかけになり、より興味をもっていただけたらと思います。

・マルミミゾウの分類

　マルミミゾウ（Loxodonta cyclotis）は、現在生存している3種のゾウの仲間のうちの1つです。ゾウにはアジアに生息するアジアゾウ（Elephas maximus）と、アフリカに生息するサバンナゾウ（Loxodonta africana）とマルミミゾウがいます。

　サバンナゾウとマルミミゾウはかつて亜種の関係だとされていましたが、近年遺伝的な研究が進んだことにより、2000年代から別の種として扱われるようになりました。約700万年前にアジアゾウのグループとアフリカゾウのグループが分かれ、その100万年程度後から、サバンナゾウとマルミミゾウが分かれ始めたと言われています。

・マルミミゾウの分布

　主にアフリカ西部や中央部の森林地帯や熱帯雨林に生息しています。アフリカの熱帯雨林地帯の範囲は、そのままマルミミゾウの生息域と言えるともいわれています。しかし、開発や密猟などの人間の活動によって生息数が減少し、分布域は大きく変化していると考えられています。特にメイやダイが生まれたブルキナファソを含む西アフリカでは、生息地の分断化が進んでいます。

・サバンナゾウとの違い

　同じアフリカ大陸に生息するサバンナゾウと比べると、マルミミゾウは体が小さく、耳がやや小さく、牙がまっすぐ下に延びる傾向があるなど、森の中の生活に適した姿をしています。

　他にも、サバンナゾウは一般的に爪の数が前肢４つ、後肢３つですが、マルミミゾウは前肢が５つ、後肢が４つと１つずつ多いです。ただし、これには個体差もあり、爪の数だけでは見分けることができないともいわれてます。

　2001年に来園したメイは、成長しても体が小さく、マルミミゾウではないかと考えられるようになりました。2008年に行った遺伝子検査の結果、マルミミゾウであることが分かりました。

　2024年現在、安佐動物公園ではサバンナゾウのタカ（雄）、マルミミゾウのダイ（雄）とメイ（雌）の計3頭のゾウを飼育展示しています。