台風11号により全壊したアスパラハウスを再建したい！

はじめまして。上原正成と申します。新規就農制度で今年から農業をしており、九州の長崎県対馬市でアスパラガスを育てています。

島外の大学へ行き、一度は対馬を離れ、別の職に就くことも考えましたが、やっぱり自分が生まれ育った地でそこに住む人たちへの恩返しや、地元を活性化し少しでも貢献出来ればと思い、農学校を卒業後Uターンしてアスパラガス農家として春からスタートしました。

そんな僕の夢が詰まったアスパラガスハウスが完成して1年も経たないうちに、台風11号の影響により建てたばかりの5棟全てが倒壊してしまったのです。

アスパラガスはとても雨に弱い植物で、ビニールハウスなしでは丈夫なアスパラガスを育てることは不可能です。しかし、ビニールハウス5棟を再建するための費用を就農1年目の僕だけでは準備することは難しく、今回プロジェクトを立ち上げることを決意しました。

どうか、皆さまのお力添えをいただけないでしょうか？

僕がアスパラガスを育てている土地は、元々雑草が生い茂る耕作放棄地でした。僕の就農までの道のりは、まずその土地を1年かけて整地することからでした。

（整地する前の様子）

長年手をつけていなかった土地を、植物が育つまでに整地することは決して簡単なことではありませんでした。手作業で全ての雑草を刈り取り、そこからやっと土作りが始まりました。痩せた土地を掘り返し、大きな石を取り除き、大量の堆肥を混ぜ、栄養のある土作りを目指し月日をかけてやっとアスパラガスを育てられる土地が完成しました。

ビニールハウス建設にあたって、就農1年目ということもあり、市の振興局の方々の暖かい協力をいただいていたため、ビニールハウスが無事完成したときは、夢の第一歩をやっと踏み出せた気がして胸がいっぱいになったのを今でも鮮明に覚えています。

このときは、まさか数ヶ月後にこのビニールハウスが倒壊するなんて、もちろん夢にも思っていませんでした。

（建ったばかりのビニールハウス）

土作りに力を入れた甲斐あってか、アスパラガスの苗はすくすくと成長していきました。

振興局の方たちも、2年目での収穫を視野に入れ、大変期待を寄せてくれていたように感じます。

アスパラガスは、気温や湿度、土の状態が苗の成長に大きく関係する植物です。僕は毎日、ビニールハウス内の気温の調整のためにビニールハウスの換気や、土の状態に合わせて水やりの調整など、アスパラガスにとって最適な環境作りを心がけていました。

そんな僕の期待に応えてくれるかのように、アスパラガスは大きな病気もなく順調に成長を続けてくれていました。

2022年9月。順風満帆に感じていた僕の農業は、一夜にして、絶望の淵に突き落とされました。台風11号の上陸です。前述したように、アスパラガスは雨に弱い植物です。台風の雨から守ろうと、ビニールを外す方法ではなく、閉め切って台風に備えていたことが裏目に出てしまいました。拭き下ろしが強い段々畑ということもあり、ビニールハウスのパイプが崩れ、ビニールはめくれ上がり、アスパラガスのほとんどが野ざらしになっていました。就農後はじめての台風ということもあり、対策がきちんと取れていなかったのかもしれません。

（台風11号が上陸した翌日のハウス）

この光景を目の当たりにした僕は、頭が真っ白になりました。次の春からの収穫を初期費用の返済に充てようと考えていた僕は、先の見えない不安と絶望に襲われました。

一時は、もう諦めてしまおうかと挫折しかけましたが、まだ僕の生まれ育ったこの土地に何の恩返しも出来ていない。このままじゃ終われないと、自身を奮い立たせ、再建することを決意しました。

そうなると、やはりアスパラガスの栽培にはビニールハウスが必要です。

アスパラガスというのは、病気に弱い作物。苗自体を何年も植えたままですので、一度雨に打たれて病気になってしまうと、何年もの間その病気にかかったままになってしまうのです。治す為には大量の農薬を使用するしかなく、食品として到底適したものではありません。雨による病気の心配のないビニールハウスで育てた方が、おいしく安全なアスパラガスを提供することができます。

農家としての経験はまだまだ浅く、せっかく育ててきた作物が台風でやられてしまいましたが、心を込めて育てたアスパラガスは味も形も良く、栄養価も存分にあります。ビニールハウスがまた使えるようになれば、アスパラガス農家として、これからも一生懸命愛情持って、アスパラガスを育てていくつもりです。長崎対馬のおいしい水を使って育てた新鮮なアスパラガスを皆様にお届けする為、是非お力をお貸しくださると嬉しいです。どうぞ、宜しくお願い致します。