東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(EAAFP)の対象にシマアオジなどの陸鳥を加えるかどうか議論するための特別委員会設置案が採択されました
このクラウドファンディングでは、市民の力と、アジア各国の鳥類研究者やバードウォッチャーの力を合わせて、シマアオジの現状を調査し、根拠をもって保全につなげていく、ボトムアップの取り組みですが、このほど、トップダウンでの保全に向けたアクションにおいて、大きな一歩を踏み出すことができましたので、ご紹介します。
渡り鳥についての国際連携の枠組みは現在、4つのフライウェイ(渡り鳥の主要な渡り経路)を対象としたパートナーシップがつくられています。日本は東アジア・オーストラレーシア・フライウェイ・パートナーシップ(EAAFP)に加盟しています。
当初の目的は、渡り鳥に関する多国間協力体制を構築することでした。1990年代後半に水鳥(特にシギチドリ類、ツル類、ガンカモ類)のネットワークが形成され、徐々にEAAFPへと発展し、現在は水鳥と海鳥が対象になっています。各国政府のほか、環境NGOもパートナーとなっており、2年に1度会議が開催されています。2025年11月には、フィリピンのセブ島でEAAFPの第12回パートナー会議(MOP12)が開催されました。
このようなパートナーシップがあるのであれば、シマアオジをはじめとした渡り性陸鳥のために新たな国際連携の枠組みを立ち上げるよりも、すでにあるパートナーシップの中で、陸鳥も対象として位置づけるほうが近道です。
そこで、昨年中国で開催された第2回アジア鳥類学会議や、バンコクで開催したワークショップでの議論をもとに草案を作成し、MOP12において議案提出(アジアの研究者を代表してパートナー団体である公益財団法人日本野鳥の会から提出)し、議論が行われました。
議論の結果、EAAFPの保全対象範囲を渡り性陸鳥に拡げる可能性について議論する特別委員会の設置案が採択されました。
会議のための会議を開くOKをもらった、みたいな、現場とはかけ離れたスピード感ですが、私たち市民レベルの連携だけでなく、政府レベルでも連携していく体制は大事です。大きな一歩だと思います。
バードリサーチは引き続き、日本野鳥の会や各国の研究者、NGOと連携しながら、シマアオジをはじめとした渡り鳥たちの調査や保全に向けて活動していきます。
ご支援をよろしくお願いいたします。



















