プロジェクト概要

四国屈指の工業都市である新居浜の基礎づくりに大きく貢献した別子銅山。ここには、先人たちの知恵と努力の結晶である別子銅山の近代化産業遺産が数多く現存し、先人の偉業を見る者へ、雄弁に語りかけてくれています。

 

新居浜南高校ユネスコ部ではこれまで、別子銅山について地域の人たちとの交流を通して学習してきました。今回、その成果をまとめたガイドブックを作り、学校や地域の魅力化につなげていきたいという思いから、このプロジェクトを立ち上げました。

 

 

「別子銅山といえば、ユネスコ部!」20年間、地域に密着して活動してきました。

 
はじめまして、愛媛県立新居浜南高等学校ユネスコ部です。


まず、自己紹介からさせてください。新居浜南高校は、ユネスコスクール(ユネスコの理想を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校)として、ESD(持続可能な社会づくりの担い手を育む教育)を推進しています。

 

ESDには環境・国際理解・エネルギー・防災など多くの分野がある中で、私たちの学校では、「世界遺産や地域の文化財等に関する学習」を重点テーマとし、地元にある文化資源である別子銅山の保存・活用をテーマに教育活動を行っています。

 

そのリーダー役がユネスコ部です。2年次生3名、1年次生4名の計7名で活動しています。別子銅山の近代化産業遺産について調査・研究を行い、ふるさとの宝を多くの方に知ってもらうために、その魅力を発信してきました。

 

(活動内容)

・笑いで平和を築くことを目的とした「新居浜寄席」の開催

・ショッピングモールに訪れた市民の方々に鐘を鳴らしてもらったり平和へのメッセージをボードに書いてもらう「平和の鐘を鳴らそう」の開催

・カンボジアなどに寺子屋建設資金を集めるための募金活動「世界寺子屋運動」

・東日本大震災や熊本震災などの被災地への支援のための募金活動

・ホームページの制作

・ガイドブックの作成

・小・中学生向けワークショップ開催

・一般市民向け学習講座の開催

・産業遺産を巡るツアーの企画

・観光ボランティアガイド

など

 

これらの活動が認められ、2010年には四国で初めてのユネスコスクールに認定されています。また、文部科学大臣奨励賞をはじめとする数々の褒章や、2017年12月には「平成29年度未来をつくる若者・オブ・ザ・イヤー内閣府特命担当大臣表彰」をいただくことができました。


今年で20年目を迎えるこの活動は、「別子銅山といえばユネスコ部」と言われるほど、地域に定着をしています。

 

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私たちが、ユネスコ部のメンバーです!

 

つて、世界一の産銅量を記録した別子銅山。日本の三大銅山の一つとして数えられてます。

 

ー 近代化を進め、環境問題解決の先駆にもなった別子銅山 ー

 

・江戸時代、長崎貿易の決済に使用された銅のうち4割近くが別子銅山の銅を使用

▶︎江戸幕府の財政を支えた

 

・日本で初めて標高1,000mの高さに山岳鉱山鉄道が敷設

・鉱山で初めてダイナマイトを使用し、最新の機械が導入

▶︎明治日本の産業革命に大きく貢献


・環境に優しいエネルギーとして水力発電所を導入

(有効な水の落差約600メートルは当時では東洋一)

・島に建設された製錬所へ電気を送るために海底ケーブルを開発

(その長さは当時世界一)

▶︎外国から教えてもらった技術を日本人の手によって実現し、その技術力が現在まで引き継がれてきた結果、新居浜は四国最大の工業都市を形作った

 

・急速な近代化によって自然が破壊されましたが、今から100年以上も前に、年間多い年には250万本に迫る植林(総数約1億本)を行い、現在は自然豊かな緑の山になっている

▶︎100年以上も前に環境に配慮し、日本で初めて大規模な植林が行われていた

 

・製錬による煙害問題を日本の技術力によって世界で初めて克服した

▶︎世界初煙害問題克服の地、日本初公害克服の地となった

 

・銅が取れなくなった後の都市計画がなされたことで、鉱山町から工業都市へと発展できた

▶︎このような発展ができたまちは、世界的にも稀と言われており、300年以上続く世界最古級の企業城下町を守っている

 

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ー 近代化産業遺産 ー

 

:銅鉱脈:

▶︎「別子型鉱床」とも呼ばれ、世界的にも稀な大きさである。

(厚さ2.5m、幅1,500m、地上1,000m・地下1,000mを越える板状)

 

:銅山峰のツガザクラ:

▶︎高山植物。通常は日本の南限の標高2,500m以上でしか見られないとされてるが、ここでは1,300mに群生。現在は県の天然記念物。(まもなく国天然記念物へと昇格する予定)

 

:端出場(はでば)鉄橋・端出場隧道:

▶︎鉄道用の橋とトンネル。国登録有形文化財。

 

:泉寿亭(せんじゅてい):

▶︎住友のVIP用迎賓館。国登録有形文化財。

 

:旧端出場水力発電所:

▶︎建設当時、東洋一の落差を誇っていた。国登録有形文化財。

(国重要文化財登録へ向けて調査中)

 

:遠登志(おとし)橋:

▶︎日本最古旧の鋼鉄製アーチ橋。国登録有形文化財。

 

:山根競技場観覧席:

▶︎住友社員の奉仕作業によって作られた石積みの観覧席。国登録有形文化財。

 

:山根製錬所煙突:

▶︎高さ20mのレンガ製煙突。国登録有形文化財。

 

:旧広瀬邸:

▶︎別子銅山を支えた実業家の先駆的な近代和風住宅。国重要文化財。

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:旧広瀬氏庭園:

▶︎地方の庭園文化の発展を示す重要性から国の名勝に指定されている。

 

:住友化学株式会社愛媛工場歴史資料館:

▶︎住友化学の世界に誇れる歴史が展示。国登録有形文化財。

 

魅力あふれるこの場所が衰退していく現状を変えたい

 

こんなに魅力がたくさんあるにも関わらず、地域の多くの人たちは、この光景が日常の風景の中に溶け込んでおり、学ぶ機会もなかったため、その魅力に気がついていません。

 

さらに、このような魅力を知るためのまとまった資料もないため、魅力を伝え、語れる人も少ないのです。

 

また、別子銅山がある新居浜市は、昭和48年の別子銅山閉山によって人口の現象や流出が進んでいます。加えて、少子高齢化も急速に進んでいます。特に、別子銅山発祥の地である別子山地区は住民150人を切り、限界集落として危機的状況にあります。


ふるさとが衰退している、そんな悲しい現状を変えたい!

 

そう考えた私たちは、別子銅山の近代化産業遺産の魅力を四国遍路の八十八か所の札所になぞらえてまとめたガイドブックを作成することにしました。

 

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マインを学び、マインドを感じるガイドブックを

 

このガイドブックは、

 

まず、地元の人に読んでもらい、別子銅山(鉱山:マイン)について知ってもらう。次に、ガイドブックを持って現地へ出かけて、様々な出逢いを心(マインド)で体験してもらう。

 

その中で、そこに込められた先人の思いや心(マインド)を感じてもらうことで、その魅力に気づき、その場所に対する誇りや愛着を持ってもらいたい。

 

そんな願いを込めて作ります。

 

 

ー 内容のご紹介 ー

 

・別子銅山の全体を示したマップ

・別子銅山の銅鉱石を掘っていった坑道の図

・国連サミットで採択されたSDGs

・現地の写真と当時の写真の比較(未公開写真や資料も多数)

・公共施設紹介

・別子銅山の略年表

・別子銅山に貢献した偉人

・高校生の視点からコメント

・楽しく学べるようクイズ

・別子銅山について学習に役立てられるような参考文献

など

 

 

ー ガイドブックを作成することで ー

 

・新居浜市の人たちに、地元の魅力を発見してもらうことで、シビックプライド(地域へ対する誇りや愛着をもつ心情)を持ってもらう

・地域・企業・行政等などを巻き込み、地域を一緒に盛りあげていくきっかけをつくる

・日本全国、そして世界に向けた情報発信をしていくことで、交流人口を増やす

 

 

ー こだわり ー

 

・四国霊場めぐりの八十八か所になぞらえて近代産業遺産を八十八か所ピックアップ

・簡単に安全に見学できるところのみ紹介

・写真をたくさん使用し、わかりやすい

・近代化産業遺産一つ一つにSDGsに関連するアイコンを掲載することで、今に繋がる先人の取り組みとリンク

・私たちのコメントを掲載し、高校生目線の更なる魅力を伝えている

・学習の記録が記入できるスペース

・入門レベルから専門的な内容まで、幅広く掲載

・より深く理解をしてもらうため、負の遺産も紹介している

・市内に設置されているモニュメントや関連施設などについても紹介

・インターネットからダウンロード利用可能(双方向のやり取りも可)

 

 

サイズ:A5

ページ数:200ページ

発行部数:1,500部

 

完成したガイドブックは、小中高等学校、図書館、公民館、博物館などの教育機関をはじめ、市役所などの公共機関、観光施設などに配置します。また、私たちの出前授業でのテキストとして活用していきます。

 

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地元の方から、日本全国、そして世界へ。交流人口を増やしていきたい

 

まずはここに住む人たちが「別子銅山」を誇りに思い、まちを訪れた方にも誇りを持って魅力を語れる、そんな素敵な地域にしていきたいです。

 

そのためにも、ガイドブックを活用したイベントやワークショップの開催なども継続していきます。

 

また、新たな試みとして、ガイドブックを外国語に翻訳したり、SNSで発信することで、市外からの交流人口も増やしていきたいと考えています。

 

かつて、別子銅山で暮らす人たちは「山は一つの家族」として生活していました。

 

私たちは、新居浜市民がひとつの家族として、愛顔(えがお)輝く産業と自然が共存・共栄して発展し続ける、そんなまちになるよう、これからも活動していきます!

 

私たちの挑戦に、皆さまの応援・ご支援をお願いします。

 

 

ー 資金使途 ー

 

現在作成しているガイドブックは評価版です。それを皆様から頂いたご支援で完成版として印刷・製本するための資金として、大切に活用させていただきます。

 

鉱山鉄道の駅舎

 

▶︎これまでのユネスコ部の活動はこちら

 


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