水槽が設計されるまで②～ビワコオオナマズ水槽設計の裏話～

　これまでのビワコオオナマズ・コアユ水槽は、どちらも大きな円柱型をしていました。円柱水槽は、見た目が幻想的です。しかし今回のような事故が起きると、大規模な被害をもたらします。また、同様の水槽にする場合、同じ大きさ・形の水槽は搬入できないことや円柱は中に入っている魚の姿が少しいびつに見えてしまう、複数匹飼うとケンカするという問題がありました。そこで、新しい水槽では、広い窓部分から伝説のナマズ岩にたたずむ「琵琶湖の主（ヌシ）」を見る形にしました。また通路の頭上から水槽をのぞき、ナマズたちを腹部側から見ることができる構造にしました。
　この新ビワコオオナマズ水槽は、当初四角柱や六角柱という全く別の形が提案されました。これらの形はビワコオオナマズたちを歪まずに見ることができるのですが、よくある形の水槽なので、新しいという感じが出せずにいました。そのような中で、「複数匹見せたい」「ナマズ類を見分けるポイントの一つである腹側を見せたい」という水族学芸員・飼育員のアイデアを基に設計業者から上述の新たな形の水槽が考案されました。他の水族館にはなかなかない形なので、ぜひその完成を楽しみにしていてください。

　新しい水槽について、模型の写真を使ってご紹介します。

順路道理に進むと上のような水槽が見えてきます。

水槽の右側では広い窓からビワコオオナマズを見ることができます。

水槽の左側では上部の窓から複数種のナマズの腹側を見ることができます。