「困難を抱える高校生100名の個別伴走支援」完了報告と御礼
この度はNPO法人キャリアbaseの「通信制高校に通う、困難を抱える生徒たちに向けたキャリア教育・個別就労支援」プロジェクトにご支援いただき、誠にありがとうございました。
本プロジェクトは実に266名の方から寄付を頂戴し、クラウドファンディング期間後も、マンスリーサポーターとして多くの方に支えていただきました。
皆さまから託していただいた想いとともに「個別伴走型のキャリア支援を100人の高校生に届けるための挑戦」と掲げて始まった本プロジェクトは、100名を超えるハンディキャップを持った高校生たちへ個別伴走支援を実施することができ、無事に目標を達成してプロジェクトを終了することができました。
皆様のあたたかいご支援、本プロジェクトへの応援、サポートいただいた皆様に、スタッフ一同、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。皆様からいただいたご支援は、全額、個別就労支援のプロジェクトのために活用させていただきました。
<プロジェクト実施報告>
多様かつ複数のハードルを抱える高校生への支援
多くの学校現場から我々の支援が必要とされ、今年もさまざまな事情を持った高校生と向き合って活動することができました。
キャリアbaseでは、“社会的ハンディキャップを持った高校生”が、社会に出ることを諦めず、大人を信用し、社会に出て行けるように個別の支援をしてきました。
個別伴走支援をしている高校生は、不登校・ひきこもり、発達障がい、躁鬱・鬱、母子父子家庭、対人恐怖症、ヤングケアラー、虐待など多様かつ複数のハードルを抱えた生徒たちです。
この高校生たちは、学校の先生方から「この子の相談に乗ってあげてもらえないでしょうか?」という依頼から始まります。学校からいただいた事前の相談内容から、依頼後に生徒との初回面談を実施して、一人ひとりの状況を丁寧に確認をしながら個別伴走支援を行ってまいりました。
個別伴走支援を行った生徒たちの中には、それぞれ大人に言えない、もしくは言っても解決が難しい事情を抱えています。
「実は‥‥」誰にも言えない悩みを抱える生徒たち
初回面談から順調に伴走支援を行っていたところ、生徒から「実は」ということで誰にも言えない、相談できない自己開示がありました。
「実は」、親の暴力で悩んでいること、金銭搾取されていること、生活保護を継続するために一定以上の稼ぎがないように言われていること、両親の離婚が決まっていること…など。それぞれの生徒の自己開示から、就職希望のエリアを変更することや職種の変更も含めて、伴走支援を変更する過程もあり、難しいこともありました。
けれど、現状を打破しようと、未来に向けて真剣に向き合って行動する生徒たち。その生徒たちに寄り添って、迫りくる高校卒業までの期間に、何とか自分らしく輝ける次の居場所を見つけたい。そんな想いで活動をしてきました。
個別伴走支援は、就職先の内定が決まったら終わりではありません。就職後も彼らが孤立せず、自分らしく輝けるように本人の適性や希望、将来のキャリアも含めた支援が必要です。
“週5日8時間労働”以外の働き方を提案
個別伴走支援をする高校生の中には、高校新卒の求人票だけでは就職活動が難しい子もいます。
時には、企業側に無理を承知で「週2日、数時間から徐々に仕事に慣れていけるような環境をご用意いただけないか」とご相談させていただくこともありました。キャリアbaseからその子の個性を伝えながら、企業側ともコミュニケーションを重ね、生徒たちが働くチャンスをいただけたケースもありました。
生徒たちに共通するのは、『社会に出て、人の役に立ち、自立して給与を得て生活していくことを望んでいる』ということ。大きな勇気を振り絞って、望んでいます。
“社会的ハンディキャップを持った高校生”を受け入れてくれる企業との出会い、そして、次の居場所を見つけた子どもたちの旅立ちを大切に、これからも一人ひとりと向き合って、キャリアの支援を続けていきたいと思います。
<今後のキャリアbaseの活動について>
私たちキャリアbaseにできることは、就労に向けたトレーニング、情報提供をしっかり一人ひとりと信頼関係を築きながら行っていくこと。そして、社会に出る企業を一緒に探していくこと。うまく行くときも、行かない時も、寄り添って伴走することです。
大事なことは、受け入れてくれる社会の土壌があることです。
彼らのために、若者を取り込む「包摂的社会」を創りたい。障がい者雇用の制度を拡充して、グレーゾーンの生徒たちが社会人としてステップアップしていけるよう、企業側にも採用メリットを創りながら、社会全体として彼らの受け皿が拡がるようにしていきたいと考えています。
そのために、これからさらに活動を拡大していくとともに、より若者が働きやすい社会を創れるよう、東京都のソーシャルファーム認証制度を1つの見本に「ステップアップ採用」を制度化したいと考えています。
より社会全体で若者を支援する体制の構築に向けて、積極的に提言活動をしていきたく思っております。どうか、今後とも、皆さまのお力をお貸しいただければ幸いです。
最後に、このような活動を私たちがさせていただけているのも、クラウドファンディングやマンスリーサポーターとして、ご支援をいただいております皆さまのおかげです。この1年で一人、また一人と生徒たちを支援する輪が拡がっていき、支援を必要とする高校生達へ大きな力を届けることができました。
本当にたくさんのご支援、応援をいただきありがとうございます。
本プロジェクトにご協力いただきました全ての皆さまのご多幸をお祈り申し上げ、お礼のご挨拶とさせていただきます。
NPO法人キャリアbase
理事長 草場勇介
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【2024年度の活動について】
高校現場からは、2024年度卒以降の高校生の伴走支援のご依頼が、既に70件以上届いております。来年度以降も、個別伴走型のキャリア支援を継続・拡大させていくために、2024年4月9日(火)~5月29日(水)の期間で、次のクラウドファンディングに挑戦することが決定いたしました。
プロジェクト詳細が決定しましたら、改めてご案内をさせていただければと思います。度重なるお願いとなりますが、ぜひ皆さまにもお力添えをいただけますと幸いです。